15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜 【完結】

日下奈緒

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第4章 追いかけた先に、あなたがいた

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怖かった。不安だった。会いたかった――そして今、ちゃんと来てくれた。

「副社長……ご存じのお客様でしたか?」

警備員の表情が変わる。手も、そっと離された。

「うちの受付がご迷惑をかけたようで、すみません。」

「いえ……こちらこそ、確認不足で失礼しました。」

そう言って頭を下げた警備員の姿が遠のく中で、私は玲央さんの腕の中にいた。

「大丈夫?」

「はい……でも、会えて、よかった。」

玲央さんは少し困ったように笑って、でもその瞳は真剣だった。

「どうしたの?」

優しい声に顔を伏せたまま答えられないでいると、玲央さんがそっと屈んで、私の目を覗き込んだ。

「もしかして……俺に会いに来てくれた?」

私はゆっくり顔を上げた。

そこには、頬を赤く染めた玲央さんがいた。

照れくさそうに、でも嬉しそうに、目元が少し緩んでいる。

私は、こくんと大きく頷いた。

「……何か、OLみたいな恰好してるからさ。一瞬、見間違いかと思ったよ。」

玲央さんは、ちょっとだけ笑った。

その笑顔が、たまらなく懐かしくて愛おしくて。

「来てよかった。」

ぽつりと、そう呟いた私の声に、玲央さんが「ひよりさん」と優しく呼んだ。

気づけば、私は玲央さんにしがみついていた。

抑えきれなかった。ずっとずっと、こうしたかった。

「……会いたかった。」

その言葉が喉の奥からこぼれる。

震える声で、まるで子どもみたいに。

「……俺もだよ。」

玲央さんの腕が、そっと私の背中を包み込む。

この温もりは、本物だ。

まるで時間が止まったみたいに、静かに、ゆっくりと、心がほどけていく。

ビルの前の喧騒も、通り過ぎる人の目も、今は何も気にならなかった。

ただ、ようやく――この気持ちが通じた。

しばらくそのまま抱きしめ合っていたけれど、玲央さんは、そっと私を引き離した。

「ごめん。もう……会わないって、言っておきながら。」

「ううん。」

私は首を横に振った。

「会いたかったから。玲央さんに……会いたかったから。」

玲央さんの瞳をまっすぐ見つめると、彼は視線を逸らすように、横を向いた。

「……ごめん。それ以上言われると、期待してしまう。」

「期待?」

私は少し身をずらし、彼の視線に入るように顔を覗き込んだ。

「何を?」

その瞬間、玲央さんの表情が、少しだけ歪んだ。

そして、かすれるような声で答えた。

「……君と一緒にいられるじゃないかって。」

――心がきゅうっとなる。

そんなの、私だって、ずっと期待してた。

「じゃあ……期待しても、いいよ。」

気づいたら、そんな言葉が口をついていた。

玲央さんの目が、驚いたように私を見た。

私は小さく笑って、そっと手を伸ばす。

「私、ちゃんと気持ち伝える。何度でも。玲央さんが、忘れようとしても、私が全部思い出させる。」
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