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第4章 追いかけた先に、あなたがいた
④
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その言葉に、玲央さんの喉が小さく鳴った。
「……そんなことされたら、俺、もう逃げられなくなる。」
「うん。逃がさないよ。」
私は手を握ったまま、玲央さんに向かってもう一歩近づいた。
風が吹いて、彼の髪を揺らした。
そして、ふたりの距離が、音もなく縮まっていった――。
「玲央さん。私、玲央さんが好きです。」
言い切った。胸が高鳴る。足元がぐらつくような緊張の中、玲央さんは真っ直ぐ私を見た。
「私と付き合って頂けませんか?」
その瞬間、彼はふいに目を伏せ、おでこを片手で押さえた。
まるで時間が止まったかのようだった。
「……ダメだ。」
「どうして?」
思わず声が出た。玲央さんは、ゆっくりと私を抱きしめた。
「ひよりさんは、恋愛したいだけだよ。」
その言葉に、私は大きく首を横に振った。
「違う!」
強い口調になった。震える声が、空気を震わせる。
「玲央さんと一緒にいたいから。ずっと側にいたいから。」
私の想いを吐き出した瞬間、玲央さんの表情が陰った。
「俺も、そう思ってる。でも、それだけじゃダメなんだ。」
「えっ……?」
言葉の意味がすぐに理解できなくて、私は戸惑った。
「俺はもう三十五歳だよ。恋愛を楽しんでる時間はない。結婚して、家族を支える覚悟を持った人とじゃないと……」
そう言った玲央さんの声が、やけに遠く聞こえた。
恋愛の始まりって、"一緒にいたい"って気持ちじゃないの?
私は唇を噛みしめた。涙が自然と頬を伝う。
「それでも……私は玲央さんといたい。年齢も、立場も、全部分かってる。けど、それでも……」
玲央さんは目を伏せたまま、私の涙をそっと親指で拭った。
その手が、優しくて、余計に切なかった。
「ごめん。また泣かせたね。」
玲央さんが、少しだけ寂しそうに笑った。
そしてポケットからスマホを取り出す。
「これ、俺の連絡先。」
画面にはLINEのQRコード。私は、息を詰めながら自分のスマホを差し出した。
手が少し震える。カメラをかざし、玲央さんの連絡先を読み込む。
「会いたい時は、いつでも連絡して。なるべく、都合つけるから。」
そう言って玲央さんは、私に背を向けて歩き出す。
スーツの背中が遠ざかっていくのが、やけに切なくて。
「玲央さん!」
私の声が、思わず口をついた。彼が足を止める。
「好きなだけじゃ、ダメなんですか?」
その言葉は、涙と一緒にこぼれた。
玲央さんは、ゆっくりと振り返る。
胸の奥がぎゅっと締め付けられるようだった。
その瞳に、迷いと優しさが混じっていた。
「……ダメじゃないよ。」
小さく息を吐きながら、玲央さんは言った。
「でも、“好き”だけで何とかなるほど、俺、若くないんだ。」
「……。」
「俺は、君に自分の未来を背負わせたくない。無責任に、抱きしめることもできない。」
「……そんなことされたら、俺、もう逃げられなくなる。」
「うん。逃がさないよ。」
私は手を握ったまま、玲央さんに向かってもう一歩近づいた。
風が吹いて、彼の髪を揺らした。
そして、ふたりの距離が、音もなく縮まっていった――。
「玲央さん。私、玲央さんが好きです。」
言い切った。胸が高鳴る。足元がぐらつくような緊張の中、玲央さんは真っ直ぐ私を見た。
「私と付き合って頂けませんか?」
その瞬間、彼はふいに目を伏せ、おでこを片手で押さえた。
まるで時間が止まったかのようだった。
「……ダメだ。」
「どうして?」
思わず声が出た。玲央さんは、ゆっくりと私を抱きしめた。
「ひよりさんは、恋愛したいだけだよ。」
その言葉に、私は大きく首を横に振った。
「違う!」
強い口調になった。震える声が、空気を震わせる。
「玲央さんと一緒にいたいから。ずっと側にいたいから。」
私の想いを吐き出した瞬間、玲央さんの表情が陰った。
「俺も、そう思ってる。でも、それだけじゃダメなんだ。」
「えっ……?」
言葉の意味がすぐに理解できなくて、私は戸惑った。
「俺はもう三十五歳だよ。恋愛を楽しんでる時間はない。結婚して、家族を支える覚悟を持った人とじゃないと……」
そう言った玲央さんの声が、やけに遠く聞こえた。
恋愛の始まりって、"一緒にいたい"って気持ちじゃないの?
私は唇を噛みしめた。涙が自然と頬を伝う。
「それでも……私は玲央さんといたい。年齢も、立場も、全部分かってる。けど、それでも……」
玲央さんは目を伏せたまま、私の涙をそっと親指で拭った。
その手が、優しくて、余計に切なかった。
「ごめん。また泣かせたね。」
玲央さんが、少しだけ寂しそうに笑った。
そしてポケットからスマホを取り出す。
「これ、俺の連絡先。」
画面にはLINEのQRコード。私は、息を詰めながら自分のスマホを差し出した。
手が少し震える。カメラをかざし、玲央さんの連絡先を読み込む。
「会いたい時は、いつでも連絡して。なるべく、都合つけるから。」
そう言って玲央さんは、私に背を向けて歩き出す。
スーツの背中が遠ざかっていくのが、やけに切なくて。
「玲央さん!」
私の声が、思わず口をついた。彼が足を止める。
「好きなだけじゃ、ダメなんですか?」
その言葉は、涙と一緒にこぼれた。
玲央さんは、ゆっくりと振り返る。
胸の奥がぎゅっと締め付けられるようだった。
その瞳に、迷いと優しさが混じっていた。
「……ダメじゃないよ。」
小さく息を吐きながら、玲央さんは言った。
「でも、“好き”だけで何とかなるほど、俺、若くないんだ。」
「……。」
「俺は、君に自分の未来を背負わせたくない。無責任に、抱きしめることもできない。」
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