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第10章 15歳差の恋、いま永遠になる
⑧
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天井の高いバンケットには、透き通るようなクリスタルのシャンデリア。
どこを見ても、まるで雑誌の中の世界。
「……職種を広げすぎじゃありません? 玲央さん。」
私はこっそり囁いた。
周囲には、会場スタッフがずらりと完璧な笑顔で並び、式の準備を進めている。
玲央さんは、少し肩をすくめて笑った。
「ああ、“子供から大人まで、すべての人生の節目をサポートする”っていうのが、親父のモットーだから。」
「なるほど……」
言葉にしながら、私はふと気づいた。
この式場、ブライダル部門はもちろん、保育施設や高齢者向けリゾートまで併設されていた。
ほんとに人生丸ごとってわけね……。
すると、控室の外からヒソヒソと声が聞こえてきた。
「21歳の花嫁さんですって。」
「まあ、可愛らしい。旦那さまは副社長なんでしょ?」
「うちの息子と同じ歳よ。……すごい世界ね。」
私は鏡越しに、少し照れたように笑った。
そう、私は今月──つい数日前、21歳になったばかり。
どうしても「誕生日に合わせて結婚したい」と言ったのは、玲央さんの方だった。
「君が大人になった“その日”に、俺の人生を預けたい。」
そう、指輪を見つめながら言ってくれたあの夜。
胸がきゅっと苦しくなるくらい嬉しくて、泣きながら「はい」と頷いた自分を、私は忘れない。
「……できたよ。」
控室のドアが開いて、玲央さんがタキシード姿で立っていた。
白いシャツにグレーのベスト、落ち着いたトーンのタイ。
どこまでも大人で、どこまでも私の好きな人だった。
「迎えに来た。俺の花嫁。」
「……はい。」
私の手を取ったその瞬間──
この3か月のすべての緊張や不安が、幸せな実感へと溶けていく。
私はもう、迷わない。
この人と、家族になる。
この人と、未来をつくっていく。
「玲央さん、私……ちゃんと、支えられるようになります。」
そう言うと、玲央さんは微笑んだ。
「支え合おう。ずっと、一緒に。」
扉の向こうから、祝福の音楽が響き始めた。
この日、この瞬間から。
私は、“ひより”としての人生を終えて──
“玲央さんの妻”としての、新しい人生を歩き出した。
結婚式が終わり、あたたかな拍手とともに扉が閉まる。
そして私たちは、披露宴会場へと向かった。
シャンデリアがきらめく豪華なバンケットホール。
白とゴールドを基調にした上品なテーブルセッティング。
招待されたゲストたちがカメラを構え、あちこちから「綺麗……」という声が聞こえてくる。
そして、壇上に立った司会者の声が響いた。
「本日の司会を務めさせていただきます、フリーアナウンサーの大澤真理子です。」
まさかの、有名アナウンサー。
さすがは一ノ瀬グループの本気の披露宴、といったところだ。
どこを見ても、まるで雑誌の中の世界。
「……職種を広げすぎじゃありません? 玲央さん。」
私はこっそり囁いた。
周囲には、会場スタッフがずらりと完璧な笑顔で並び、式の準備を進めている。
玲央さんは、少し肩をすくめて笑った。
「ああ、“子供から大人まで、すべての人生の節目をサポートする”っていうのが、親父のモットーだから。」
「なるほど……」
言葉にしながら、私はふと気づいた。
この式場、ブライダル部門はもちろん、保育施設や高齢者向けリゾートまで併設されていた。
ほんとに人生丸ごとってわけね……。
すると、控室の外からヒソヒソと声が聞こえてきた。
「21歳の花嫁さんですって。」
「まあ、可愛らしい。旦那さまは副社長なんでしょ?」
「うちの息子と同じ歳よ。……すごい世界ね。」
私は鏡越しに、少し照れたように笑った。
そう、私は今月──つい数日前、21歳になったばかり。
どうしても「誕生日に合わせて結婚したい」と言ったのは、玲央さんの方だった。
「君が大人になった“その日”に、俺の人生を預けたい。」
そう、指輪を見つめながら言ってくれたあの夜。
胸がきゅっと苦しくなるくらい嬉しくて、泣きながら「はい」と頷いた自分を、私は忘れない。
「……できたよ。」
控室のドアが開いて、玲央さんがタキシード姿で立っていた。
白いシャツにグレーのベスト、落ち着いたトーンのタイ。
どこまでも大人で、どこまでも私の好きな人だった。
「迎えに来た。俺の花嫁。」
「……はい。」
私の手を取ったその瞬間──
この3か月のすべての緊張や不安が、幸せな実感へと溶けていく。
私はもう、迷わない。
この人と、家族になる。
この人と、未来をつくっていく。
「玲央さん、私……ちゃんと、支えられるようになります。」
そう言うと、玲央さんは微笑んだ。
「支え合おう。ずっと、一緒に。」
扉の向こうから、祝福の音楽が響き始めた。
この日、この瞬間から。
私は、“ひより”としての人生を終えて──
“玲央さんの妻”としての、新しい人生を歩き出した。
結婚式が終わり、あたたかな拍手とともに扉が閉まる。
そして私たちは、披露宴会場へと向かった。
シャンデリアがきらめく豪華なバンケットホール。
白とゴールドを基調にした上品なテーブルセッティング。
招待されたゲストたちがカメラを構え、あちこちから「綺麗……」という声が聞こえてくる。
そして、壇上に立った司会者の声が響いた。
「本日の司会を務めさせていただきます、フリーアナウンサーの大澤真理子です。」
まさかの、有名アナウンサー。
さすがは一ノ瀬グループの本気の披露宴、といったところだ。
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