15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜 【完結】

日下奈緒

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第10章 15歳差の恋、いま永遠になる

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「お、お父さん……⁉」

なんと、私の父が、目元を真っ赤にして泣いている。

「ちょっとお父さん、ここで泣かないで……!」

小声で必死に止めようとしたけれど、父はもう堪えきれなかったらしい。

「ひより……いつの間に、そんなに大人になって……!」

ぐっと鼻をすすり、目尻をぬぐいながら、父は感極まったように立ち上がった。

そして次の瞬間──

父は、玲央さんのお父さんに向かって、深々と頭を下げた。

「どうか、娘を……良い方向にお導きください。社長!」

その一言に、部屋の空気が一瞬止まった。

「……っ!?」

玲央さんのお父さん──会長がピクリと反応し、目を光らせた。

「……今、なんと?」

重々しく低い声。

一瞬で、会長の“ビジネスモード”の顔に切り替わる。

「俺を“社長”と呼ぶ者は、限られているはずだ……ん? 君はっ!」

その瞬間、会長が勢いよく立ち上がった。

「あの一ノ瀬グループ傘下、忠一不動産──取締役部長の、橘君かっ!!」

「は、はいっ⁉」

父の顔が、文字通り固まる。

目を見開き、口が開いたまま閉じない。

「まさか……あの時の若手営業マンの橘君が、取締役になってたとは!うちの会社での懇親会で名刺交換したのを、私は覚えてるぞ!」

「っ……会長、そんな昔のことまで……!」

父は混乱と感動と動揺とで、言葉がぐちゃぐちゃになっていた。

「いやぁ……奇遇というか、運命というか……まさか娘さんがうちの息子の婚約者になるとはな!」

「私こそ驚きで……まさかうちの娘が、“あの一ノ瀬家”に嫁ぐとは夢にも……」

両者、次第に握手から肩を叩き合い、ついにはまるで旧知の戦友のような雰囲気に。

そして──

「……ということは、我々はもう“親戚”になるということだな?」

「……は、はい……!」

「ん~!いいぞいいぞ、これでグループの関係もますます強固になるな!」

「は、はいっ、よろしくお願い致しますっ!」

……あれ?

完全に“政略的な結びつき”みたいになってるけど⁉

私は、呆気に取られながらも、玲央さんの隣で小さくため息をついた。

「……玲央さん、私たち、勝手に話が大きくなってません?」

「うん……俺も驚いてる。父さん、今日一番の笑顔だよ。」

そう言いながら、玲央さんが私の手をそっと握ってくれる。

そして耳元で、こっそり囁いた。

「でも……どんな形でも、君と家族になれることが嬉しい。」

その言葉に、私は思わず笑った。

泣いたり笑ったり、驚いたり。

──これが、“家族”ってことなのかもしれない。

そして──なぜか、というべきか、当然というべきか。

3か月後。

私たちは一ノ瀬グループ傘下の、超一流結婚式場で結婚式を挙げていた。

チャペルから続く大階段。

生花で飾られた白と金のバージンロード。
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