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ジブチ共和国 ルシウト小学校 偵察派遣
ULTIMATE〜SECRET 邦家の秘匿 第17話
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主要登場人物一覧
赤眞翔平(27)…11代目主人公 近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 隊士長
垣内淕也(22)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 1等隊士
駒田勝生(23)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 1等隊士
塩崎柊斗(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 3等士官
吉瀬淳也(34)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 班長 2等士官
高濵翔盛(26)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
樋樫柊臣(26)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
成濱佑汰(27)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
伊敷煌大(23)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
崇眞稜大(23)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
前原裕季哉(26)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
芦澤柊太(37)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
青村聡士(35)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
澤田新太(40) …東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 1等士官
今西遙駕(53)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長 士官長
新城彪駕(35)…警衛庁 警務隊長 2等幹士
藤浦恭介(52)…警衛庁 警務隊 総務管理官 衛幹
椎津愛虎(32)…警衛庁 警務隊 中央警務班所属 2等士官
貴内伸介(42)…警衛庁 警務隊 中央警務班 管理官 1等幹士
正随緋斗(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 2等士官
比嘉晃斗(25)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 隊士長
河城蒼空(29)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
天辻慶斗(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
夢丸奎大(29)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
浅木零(33)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班 管理官 2等士官
伏垨綉梧(39)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班長 1等士官
猪俣繁倖(49)…警衛庁 駐屯科長 3等将士
大須賀敦晴(46)…警衛庁 駐屯科 副科長 1等幹士
国藤尚崇(45)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 部隊長 1等隊尉
坂浦聡磨(39)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 管理官 3等隊尉
皇山誠士郎(31)…警衛庁 幕僚総監 秘書室 第2秘書官 2等隊尉
東奥崇伍(35)…警衛庁 幕僚総監 秘書室 第1秘書官 1等隊尉
籐洲猛靖(54)…警衛庁 17代目幕僚総監
能敦紀(50)…警衛庁 東部方面隊 方面総監 1等将士
新濱恭吾(49)…警衛庁 東部方面隊 副総監 3等将士
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「現着。これより偵察任務ってあれ?」
小学校近くの茂みに着くと澤田は無線機の異変に気づいた。
「どうしました?」
青村が小声で聞いてきた。
「無線が反応しねーんだわ。やっぱりここらに妨害電波流れてんだな」
「やっぱりでしたか」
「とりあえず、このまま慎重に学校に侵入すんぞ」
「はい」
青村が返事すると澤田はそのまま歩き始めた。
その時だった、茂みに入る直前の赤眞はある異変に気がついた。
「どうした?」
赤眞の行動を不審に思い、青村が聞いた。
「え?あ、いや。なんて言うか、こんなに静まり返ってる小学校って変じゃ無いすか?なんて言うか、動物のいない動物園みたいっていうか」
「んだよ。それ笑」
澤田が言ったその時、発砲音が小学校から聞こえてきた。
「今の」
澤田はそう言うと軽く息を飲んだ。
「発砲音です。小学校で何かあったのは確かなようです」
青村が言うと澤田は軽く頷きながら銃を構えた。
その頃
ルシウト小学校 校庭にいた芦澤はある光景に目を見開いていた。
「どうしました?」
旗ポールから離れ息を整えていた垣内は芦澤に声をかけた。
「あ、あれだよ。あれ」
「あれ?」
芦澤が指さす方向に目をやるとそこには、校門前で頭から血を流しながら倒れる隊員の姿が目に入った。
「撃たれ、たんですか?」
垣内が呟くと芦澤は軽く歯を食いしばった。
「くそ、死者を出してしまったか」
「芦澤さん、避けて」
そう叫ぶと垣内は芦澤をその場に倒した。
次の瞬間、1発の弾が旗ポールに直撃した。
「芦澤さん、ここから退避しましょう」
「待て、ここで逃げるのは情けなすぎる」
「何言ってんすか。死にますよ」
「うるせー」
そう言うと芦澤は拳銃を構えながらその場に立ち上がった。
「死者が出たんだ。もう躊躇してられるラインを超えたんだよ」
「自分が死んだら意味無いでしょ」
「お前はそのまま旗ポール揺らしてろ」
そう言い残すと芦澤はその場から走り出した。
「芦澤さん」
垣内は声を振り絞り芦澤の名前を叫んだ。
「くそが、好きにさせるかよ」
そう呟きながら走る芦澤の左足に1発の弾が命中した。
「くそが、左足やられてもなこっちはまだ動けんだよ」
そう叫ぶと芦澤はネクタイを取り左足を止血するとそこから匍匐前進で進み始めた。
数秒後、今度は芦澤の右肘に1発の弾が命中した。
「くそが、どんだけやられてもお前らの首取ってやるんだよ」
芦澤はその場で背広を脱ぐとまた進み始めた。
その時だった、後ろから1人の声がした。
「みっともねー。そんぐらいの根性、日頃から見せて欲しいもんだよな」
芦澤はその場で動きを止めると後ろに目をやった。
そこには、澤田の姿があった。
「なんで?」
「なんで?って。あんたから無線来てなかったから。怪しいって普通思うだろ?で、来てみたらこれだよ」
そう言いながら澤田は防弾盾を構えながら芦澤の前に進みその場で跪いた。
「とりま、後退すんぞ。そんなんで進んでも怪我が悪化するだけだろ?」
「1人、撃たれた。多分死んでる」
「わかってるよ。発砲音聞いて、すぐにここに来たんだから。そこの茂みあるだろ?そっからフェンス壊して来たんだよ。あのフェンスめっちゃ緩かったぜ?錆びてたし。ああいうの手抜きにしてっといつか痛い目見るぜって言いたいよな」
澤田は芦澤の腕を掴むとそのまま体を持ち上げた。
それを見てすかさず近くにいた青村は防弾盾を構えながら澤田達の前に出た。
「防護は任せてください」
青村が言うと澤田はもう1人走ってきた隊員に自分が持っていた防弾盾を渡すとそのまま歩き始めた。
「それで、無線通じねーし、本部にどうやって連絡すんのがベストなんだろうな?」
澤田に聞かれ青村は業務用スマホに目をやった。
「それも使えねーよ。妨害電波出てんだから」
「あ、そうか」
青村が言うと澤田は横にあるジブチ駐屯地に目をやった。
「仕方ねーな。芦澤を置いたあと、そのまま全力疾走で駐屯地に行ってやるよ」
「大丈夫ですか?体力」
青村に聞かれ澤田は青村のみぞおちを軽く蹴った。
「馬鹿にしてんのか?笑 そんぐらい余裕だわ。舐めんなよ笑」
「じゃあ頼んます」
青村が言った。
数分後、芦澤を部屋に連れていくと澤田は青村に目をやった。
「じゃあ行ってくるわ」
「気をつけてくださいね。周辺の敵情まだ上がってきてませんから」
「わかってるよ。ちょっとの距離だからよ」
そう言うと澤田はそのまま部屋から出て行った。
部屋を出るとそのまま茂みのところまで走りフェンスをよじ登った。
「行くか」
澤田は軽く息を吸い込むとそのまま走り出した。
しばらく走っていると、飲みかけのビール瓶のようなものが数本落ちているのが目に入った。
「ビール瓶か?」
澤田はその場でしゃがみビール瓶を手に取った。
次の瞬間、近くの茂みから1人の男が出てきた。
「Voilà. Les vestiges(出たな 残党野郎が)」
そう怒鳴ると男はそのまま澤田に向け発砲した。
「いってぇ、」
澤田は被弾した左腕を抑えながら上を見上げた。
「なんなんだよ」
「Vous avez ruiné notre ville natale. Je n'en peux plus.(俺たちの故郷をめちゃくちゃにしやがって。これ以上好き勝手にさせて溜まるかよ)」
「あ?フランス語か?」
そう呟くと澤田は胸ポケットから翻訳機能のついた業務用スマホを取りだした。
それを見て男はまた澤田に銃口を向けた。
「Wait. Wait. Listen to me too
(待て待て。こっちの話も聞いてくれ)」
そう言うと澤田は翻訳機に話しかけた。
「日本人に対してなぜそこまで恨みがあるのだ?詳しく聞かせてくれないか?俺は何も知らない日本人だ」
「Tais-toi. Je ne me laisserai pas berner par un mensonge aussi flagrant.
(うるせー。そんな見え透いた嘘に騙されるかよ)」
「なるほどな。聞く耳すらねーって事か。それなら」
そう言いながら澤田は再び翻訳機に手を伸ばした。
「お前、歳は?いくつだ」
「17. Et alors ?」
「17か。俺にもお前と同じぐらいの息子がいるんだけどな?なんつうか、虚しいよな。俺んところのガキは今、女の尻追いかけてるよ笑 んでお前はなんだ?銃持って走ってんのか。虚しすぎるよな」
「Tais-toi. Tais-toi. Tu n'as pas d'autre choix que de mourir ici.
(うるせー。黙ってろ。とにかくお前にはここで死んでもらうしかねーんだよ)」
そう怒鳴ると男は息を整えながら澤田に銃口を向けた。
「そうか。どこでそうなっちまったんだろうな。人生ってそんな危なっかしー物持たねーと生きて行けねー様なもんじゃねーのになー」
そう言いながら澤田は目に涙を浮かべた。
その時だった、茂みの奥から発砲に合い、男はその場で即死した。
「はっ?」
澤田は倒れた男に目をやりながらその場に立ち上がろうとした。
「衛生科です。澤田 1等士官でお間違いないですか?」
「そうすけど、なんで?」
「皇山 2尉からの指示で巡回してまして、それで」
「巡回。なるほどな」
「小学校側と無線が取れなくなってます。それで怪我人の有無の確認も含めて巡回を任されてました」
「そう言う事か」
「左腕に被弾ですか」
「1発だ。お前らが撃ったこの少年だけどな、どうやら俺たち側にも何か非があるみたいだ」
「非、ですか?」
「このビール瓶を見ていた俺に彼は発砲してきた。なんでなんだろうな」
「ビール瓶、ですか」
「とりま、駐屯地まで行くか。ここに居てもあれだしな」
「はい」
衛生科隊員らは澤田の両脇を挟むとそのまま歩き始めた。
赤眞翔平(27)…11代目主人公 近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 隊士長
垣内淕也(22)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 1等隊士
駒田勝生(23)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 1等隊士
塩崎柊斗(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 3等士官
吉瀬淳也(34)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 班長 2等士官
高濵翔盛(26)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
樋樫柊臣(26)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
成濱佑汰(27)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
伊敷煌大(23)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
崇眞稜大(23)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
前原裕季哉(26)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
芦澤柊太(37)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
青村聡士(35)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
澤田新太(40) …東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 1等士官
今西遙駕(53)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長 士官長
新城彪駕(35)…警衛庁 警務隊長 2等幹士
藤浦恭介(52)…警衛庁 警務隊 総務管理官 衛幹
椎津愛虎(32)…警衛庁 警務隊 中央警務班所属 2等士官
貴内伸介(42)…警衛庁 警務隊 中央警務班 管理官 1等幹士
正随緋斗(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 2等士官
比嘉晃斗(25)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 隊士長
河城蒼空(29)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
天辻慶斗(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
夢丸奎大(29)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
浅木零(33)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班 管理官 2等士官
伏垨綉梧(39)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班長 1等士官
猪俣繁倖(49)…警衛庁 駐屯科長 3等将士
大須賀敦晴(46)…警衛庁 駐屯科 副科長 1等幹士
国藤尚崇(45)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 部隊長 1等隊尉
坂浦聡磨(39)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 管理官 3等隊尉
皇山誠士郎(31)…警衛庁 幕僚総監 秘書室 第2秘書官 2等隊尉
東奥崇伍(35)…警衛庁 幕僚総監 秘書室 第1秘書官 1等隊尉
籐洲猛靖(54)…警衛庁 17代目幕僚総監
能敦紀(50)…警衛庁 東部方面隊 方面総監 1等将士
新濱恭吾(49)…警衛庁 東部方面隊 副総監 3等将士
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「現着。これより偵察任務ってあれ?」
小学校近くの茂みに着くと澤田は無線機の異変に気づいた。
「どうしました?」
青村が小声で聞いてきた。
「無線が反応しねーんだわ。やっぱりここらに妨害電波流れてんだな」
「やっぱりでしたか」
「とりあえず、このまま慎重に学校に侵入すんぞ」
「はい」
青村が返事すると澤田はそのまま歩き始めた。
その時だった、茂みに入る直前の赤眞はある異変に気がついた。
「どうした?」
赤眞の行動を不審に思い、青村が聞いた。
「え?あ、いや。なんて言うか、こんなに静まり返ってる小学校って変じゃ無いすか?なんて言うか、動物のいない動物園みたいっていうか」
「んだよ。それ笑」
澤田が言ったその時、発砲音が小学校から聞こえてきた。
「今の」
澤田はそう言うと軽く息を飲んだ。
「発砲音です。小学校で何かあったのは確かなようです」
青村が言うと澤田は軽く頷きながら銃を構えた。
その頃
ルシウト小学校 校庭にいた芦澤はある光景に目を見開いていた。
「どうしました?」
旗ポールから離れ息を整えていた垣内は芦澤に声をかけた。
「あ、あれだよ。あれ」
「あれ?」
芦澤が指さす方向に目をやるとそこには、校門前で頭から血を流しながら倒れる隊員の姿が目に入った。
「撃たれ、たんですか?」
垣内が呟くと芦澤は軽く歯を食いしばった。
「くそ、死者を出してしまったか」
「芦澤さん、避けて」
そう叫ぶと垣内は芦澤をその場に倒した。
次の瞬間、1発の弾が旗ポールに直撃した。
「芦澤さん、ここから退避しましょう」
「待て、ここで逃げるのは情けなすぎる」
「何言ってんすか。死にますよ」
「うるせー」
そう言うと芦澤は拳銃を構えながらその場に立ち上がった。
「死者が出たんだ。もう躊躇してられるラインを超えたんだよ」
「自分が死んだら意味無いでしょ」
「お前はそのまま旗ポール揺らしてろ」
そう言い残すと芦澤はその場から走り出した。
「芦澤さん」
垣内は声を振り絞り芦澤の名前を叫んだ。
「くそが、好きにさせるかよ」
そう呟きながら走る芦澤の左足に1発の弾が命中した。
「くそが、左足やられてもなこっちはまだ動けんだよ」
そう叫ぶと芦澤はネクタイを取り左足を止血するとそこから匍匐前進で進み始めた。
数秒後、今度は芦澤の右肘に1発の弾が命中した。
「くそが、どんだけやられてもお前らの首取ってやるんだよ」
芦澤はその場で背広を脱ぐとまた進み始めた。
その時だった、後ろから1人の声がした。
「みっともねー。そんぐらいの根性、日頃から見せて欲しいもんだよな」
芦澤はその場で動きを止めると後ろに目をやった。
そこには、澤田の姿があった。
「なんで?」
「なんで?って。あんたから無線来てなかったから。怪しいって普通思うだろ?で、来てみたらこれだよ」
そう言いながら澤田は防弾盾を構えながら芦澤の前に進みその場で跪いた。
「とりま、後退すんぞ。そんなんで進んでも怪我が悪化するだけだろ?」
「1人、撃たれた。多分死んでる」
「わかってるよ。発砲音聞いて、すぐにここに来たんだから。そこの茂みあるだろ?そっからフェンス壊して来たんだよ。あのフェンスめっちゃ緩かったぜ?錆びてたし。ああいうの手抜きにしてっといつか痛い目見るぜって言いたいよな」
澤田は芦澤の腕を掴むとそのまま体を持ち上げた。
それを見てすかさず近くにいた青村は防弾盾を構えながら澤田達の前に出た。
「防護は任せてください」
青村が言うと澤田はもう1人走ってきた隊員に自分が持っていた防弾盾を渡すとそのまま歩き始めた。
「それで、無線通じねーし、本部にどうやって連絡すんのがベストなんだろうな?」
澤田に聞かれ青村は業務用スマホに目をやった。
「それも使えねーよ。妨害電波出てんだから」
「あ、そうか」
青村が言うと澤田は横にあるジブチ駐屯地に目をやった。
「仕方ねーな。芦澤を置いたあと、そのまま全力疾走で駐屯地に行ってやるよ」
「大丈夫ですか?体力」
青村に聞かれ澤田は青村のみぞおちを軽く蹴った。
「馬鹿にしてんのか?笑 そんぐらい余裕だわ。舐めんなよ笑」
「じゃあ頼んます」
青村が言った。
数分後、芦澤を部屋に連れていくと澤田は青村に目をやった。
「じゃあ行ってくるわ」
「気をつけてくださいね。周辺の敵情まだ上がってきてませんから」
「わかってるよ。ちょっとの距離だからよ」
そう言うと澤田はそのまま部屋から出て行った。
部屋を出るとそのまま茂みのところまで走りフェンスをよじ登った。
「行くか」
澤田は軽く息を吸い込むとそのまま走り出した。
しばらく走っていると、飲みかけのビール瓶のようなものが数本落ちているのが目に入った。
「ビール瓶か?」
澤田はその場でしゃがみビール瓶を手に取った。
次の瞬間、近くの茂みから1人の男が出てきた。
「Voilà. Les vestiges(出たな 残党野郎が)」
そう怒鳴ると男はそのまま澤田に向け発砲した。
「いってぇ、」
澤田は被弾した左腕を抑えながら上を見上げた。
「なんなんだよ」
「Vous avez ruiné notre ville natale. Je n'en peux plus.(俺たちの故郷をめちゃくちゃにしやがって。これ以上好き勝手にさせて溜まるかよ)」
「あ?フランス語か?」
そう呟くと澤田は胸ポケットから翻訳機能のついた業務用スマホを取りだした。
それを見て男はまた澤田に銃口を向けた。
「Wait. Wait. Listen to me too
(待て待て。こっちの話も聞いてくれ)」
そう言うと澤田は翻訳機に話しかけた。
「日本人に対してなぜそこまで恨みがあるのだ?詳しく聞かせてくれないか?俺は何も知らない日本人だ」
「Tais-toi. Je ne me laisserai pas berner par un mensonge aussi flagrant.
(うるせー。そんな見え透いた嘘に騙されるかよ)」
「なるほどな。聞く耳すらねーって事か。それなら」
そう言いながら澤田は再び翻訳機に手を伸ばした。
「お前、歳は?いくつだ」
「17. Et alors ?」
「17か。俺にもお前と同じぐらいの息子がいるんだけどな?なんつうか、虚しいよな。俺んところのガキは今、女の尻追いかけてるよ笑 んでお前はなんだ?銃持って走ってんのか。虚しすぎるよな」
「Tais-toi. Tais-toi. Tu n'as pas d'autre choix que de mourir ici.
(うるせー。黙ってろ。とにかくお前にはここで死んでもらうしかねーんだよ)」
そう怒鳴ると男は息を整えながら澤田に銃口を向けた。
「そうか。どこでそうなっちまったんだろうな。人生ってそんな危なっかしー物持たねーと生きて行けねー様なもんじゃねーのになー」
そう言いながら澤田は目に涙を浮かべた。
その時だった、茂みの奥から発砲に合い、男はその場で即死した。
「はっ?」
澤田は倒れた男に目をやりながらその場に立ち上がろうとした。
「衛生科です。澤田 1等士官でお間違いないですか?」
「そうすけど、なんで?」
「皇山 2尉からの指示で巡回してまして、それで」
「巡回。なるほどな」
「小学校側と無線が取れなくなってます。それで怪我人の有無の確認も含めて巡回を任されてました」
「そう言う事か」
「左腕に被弾ですか」
「1発だ。お前らが撃ったこの少年だけどな、どうやら俺たち側にも何か非があるみたいだ」
「非、ですか?」
「このビール瓶を見ていた俺に彼は発砲してきた。なんでなんだろうな」
「ビール瓶、ですか」
「とりま、駐屯地まで行くか。ここに居てもあれだしな」
「はい」
衛生科隊員らは澤田の両脇を挟むとそのまま歩き始めた。
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