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Ⅱ-146 ラプトルハント
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■炎の国北方 スローンの町近郊
作業船の甲板ではエリーサがAチームのリーダーとなって、前後左右にアサルトライフルを持ったエルフ達を船べりに配置した。船は歩くより少し早い速度で北に向かって森の木よりも少し高いところを進んでいる。すぐに船首部分から軽い音が聞え始めた。エルフに渡した銃は全てサプレッサー(消音器)を取り付けてある。サプレッサーは取り付けても威力がほとんど落ちないし、ラプトル君を警戒させないようにしたかった。それに、これだけ大勢で撃つとうるさくて仕方がないからだ。
残ったBチームには暇つぶしを兼ねて、銃弾をマガジンに装填する作業をサリナ先生が指導中だ。エルフの生徒たちは100歳ぐらい年下の先生の言う事に素直に従い、黙々と作業をしている。装填済みのマガジンもストレージには大量にあるが、何事も備えが重要だ。俺のストレージは地球上のすべてが入っていると言っても無限ではないのだから。
機嫌よく撃っていたはずのAチームだが、すぐにエリーサの元へ苦情が入ったようだ。二人のエルフがエリーサに何かを言うと、エリーサが俺のところへ走って来た。
「サトル! 後ろの方だと獲物が居ない。前の奴が撃ってしまうからな。場所は変わっても良いのか?」
「別にいいけど、そうすると全員が前に行きたいよな?」
「そうだ、全員で前に行きたい」
-それでも良いが、狭い場所で押し合いながら撃つと喧嘩になるかも・・・。
「じゃあ、船をゆっくり回転させるから今の場所に居てくれよ。みんなのいる場所が公平に先頭になるようにするから」
「?・・・良く判らんが、お前が言うならそうしよう・・・」
エリーサは少し不満そうに自分の仲間の所へ戻って俺の返事を伝えた。聞いたエルフ達も少し残念そうだったが、それぞれが最初の持ち場へと戻った。やる気があり過ぎると言うのも困ったものだ。それでも、俺は約束通り北西へ進路を向けたままで船を回転させてやることにした。イメージは10分で一周ぐらいなら公平感があるだろう。船と言っても空を飛んでいるのだ船首から進む必要は・・・、全くない。
「おぉー、左側が前の方になって来たぞ。良し! たくさん出て来た!」
左舷のエルフ様がお喜びになりました。
「今度はこっちだ! 後ろだと思ったけど前になった! これならいける!」
船尾のエルフ様もご満足頂きました。
「ようやく我らの番だ! 獲物はまだまだいるぞ!」
最後は右舷のエルフが先頭になって、何とか公平感を保てたようだ。みんなが満足いく成果をそれなりに上げたようだ。時間ももうすぐ15分に・・・。
-ブーッ!
大きなブザー音が用意した拡声器を通じて戦場に響くと、エルフ達は走って戻って来た。全員嬉しそうな顔をしている。
「5頭以上倒した人は!?手を上げて!」
「「「はいっ!」」」
全員が嬉しそうに手を上げている。24人で5頭以上だから、120以上は倒したと言う事だ。凄い数だが、逆に考えるとそれだけのラプトルがこの狭いエリアにいたと言う事になる。
-1000単位では無いかもしれないな・・・。
「じゃあ、交替! 船はゆっくり回すからね。場所は何処でも同じだよ」
「「「はーい!」」」
今度はBチームのエルフ達が配置に付き、Aチームが銃弾の装填を・・・これを繰り返して2時間で4交替した後に船を地面に降ろした。エルフレンジャーにはドリンクとお菓子を沢山渡して休憩を取らせると、狩りの時とは違う歓声が甲板上にこだました。俺、サリナ、リンネ、ショーイの4人は小型ボートに乗り換えて地上近くを飛びながら、エルフレンジャーが仕留めたラプトルをストレージに回収していく。
「こんなに回収してどうするつもりだ?」
「もちろん、働いてもらうんだよ」
ショーイは自分の役割が増えそうにないことに気が付いたようで、顔をしかめて首を横に振っていた。回収にも1時間近くが掛かった。まだ残っているだろうが、1000頭超のラプトルが俺のストレージに入ったところで、作業船の所に戻ってストレージから全部取り出した。
「あんた、働かせるって・・・、こんなにかい?」
「だって、まだまだいるだろ? もっと倒すし、せっかく倒したら回収しないともったいないからね。ということで、こいつらに回収を手伝わせてくれよ」
「?」
リンネには回収したラプトルを使って、これから倒すラプトルを咥えて運ばせるように指示してもらった。理論上は1000頭までの回収はラプトルだけでできるはずだった。リンネは喜ばなかったが、俺のお願いをちゃんと聞いてくれたので、ラプトル達は飛んでいる船の周囲を走って、エルフが倒した元仲間を見つけると引きずってきてくれた。
エルフレンジャーは休憩後も狩りを楽しみ、次の2時間では2000頭近い獲物を倒してくれた。最初に倒した数よりも多くなったところで回収用のラプトルを増やしておいた。今は2000頭のラプトルがリンネの指示で1000頭のラプトルを引きずりながらついて来ている・・・そんな感じだ。
ラプトル退治は順調だったが、ネフロスの神殿まではまだ距離がある。それに神殿の方角には順調では無い物が見えていた。
-汚いオーロラ?
虹の色だったらオーロラといえるようなものが空から地上まで掛かっているが、色は灰色のカーテンとしか見えない。
「マリアンヌさん、あれは何でしょうか?」
「結界ですかねぇ・・・、見た事が無い物です・・・わかりません」
「あの中はやっぱり魔法が使えない?」
「どうでしょうか・・・、わかりません」
ママさんからは有効な情報は得られなかったが、この世界でも見た事の無い物と言う事だ。もう少し近寄ってからドローンで確認することにしたが、オーロラの手前までたどり着いた時は夕方近くなっていたので、倒したラプトルを回収して明日出直すことにした。1日で6,500頭ぐらいのラプトルを倒したが、成果があったと喜ぶことも出来ない。全くいなかった恐竜が、数日でこれだけの数になったのだ。増えている元栓を急いで閉めないと・・・。
■エルフの里
里に戻るとエルフレンジャーたちは成果に興奮して散り散りになっていき、里のみんなに今日の報告をハイテンションで始めた。俺もノルドの小屋に行って、お礼と報告をしようとしたが、そこには予想外の人物が俺を待っていた。
「勇者サトル、お待ちしていました」
「マリン女王、どうしたんですか?」
水の国の女王がわざわざエルフの里まで来た・・・、良い話では無いのは間違いないだろう。
作業船の甲板ではエリーサがAチームのリーダーとなって、前後左右にアサルトライフルを持ったエルフ達を船べりに配置した。船は歩くより少し早い速度で北に向かって森の木よりも少し高いところを進んでいる。すぐに船首部分から軽い音が聞え始めた。エルフに渡した銃は全てサプレッサー(消音器)を取り付けてある。サプレッサーは取り付けても威力がほとんど落ちないし、ラプトル君を警戒させないようにしたかった。それに、これだけ大勢で撃つとうるさくて仕方がないからだ。
残ったBチームには暇つぶしを兼ねて、銃弾をマガジンに装填する作業をサリナ先生が指導中だ。エルフの生徒たちは100歳ぐらい年下の先生の言う事に素直に従い、黙々と作業をしている。装填済みのマガジンもストレージには大量にあるが、何事も備えが重要だ。俺のストレージは地球上のすべてが入っていると言っても無限ではないのだから。
機嫌よく撃っていたはずのAチームだが、すぐにエリーサの元へ苦情が入ったようだ。二人のエルフがエリーサに何かを言うと、エリーサが俺のところへ走って来た。
「サトル! 後ろの方だと獲物が居ない。前の奴が撃ってしまうからな。場所は変わっても良いのか?」
「別にいいけど、そうすると全員が前に行きたいよな?」
「そうだ、全員で前に行きたい」
-それでも良いが、狭い場所で押し合いながら撃つと喧嘩になるかも・・・。
「じゃあ、船をゆっくり回転させるから今の場所に居てくれよ。みんなのいる場所が公平に先頭になるようにするから」
「?・・・良く判らんが、お前が言うならそうしよう・・・」
エリーサは少し不満そうに自分の仲間の所へ戻って俺の返事を伝えた。聞いたエルフ達も少し残念そうだったが、それぞれが最初の持ち場へと戻った。やる気があり過ぎると言うのも困ったものだ。それでも、俺は約束通り北西へ進路を向けたままで船を回転させてやることにした。イメージは10分で一周ぐらいなら公平感があるだろう。船と言っても空を飛んでいるのだ船首から進む必要は・・・、全くない。
「おぉー、左側が前の方になって来たぞ。良し! たくさん出て来た!」
左舷のエルフ様がお喜びになりました。
「今度はこっちだ! 後ろだと思ったけど前になった! これならいける!」
船尾のエルフ様もご満足頂きました。
「ようやく我らの番だ! 獲物はまだまだいるぞ!」
最後は右舷のエルフが先頭になって、何とか公平感を保てたようだ。みんなが満足いく成果をそれなりに上げたようだ。時間ももうすぐ15分に・・・。
-ブーッ!
大きなブザー音が用意した拡声器を通じて戦場に響くと、エルフ達は走って戻って来た。全員嬉しそうな顔をしている。
「5頭以上倒した人は!?手を上げて!」
「「「はいっ!」」」
全員が嬉しそうに手を上げている。24人で5頭以上だから、120以上は倒したと言う事だ。凄い数だが、逆に考えるとそれだけのラプトルがこの狭いエリアにいたと言う事になる。
-1000単位では無いかもしれないな・・・。
「じゃあ、交替! 船はゆっくり回すからね。場所は何処でも同じだよ」
「「「はーい!」」」
今度はBチームのエルフ達が配置に付き、Aチームが銃弾の装填を・・・これを繰り返して2時間で4交替した後に船を地面に降ろした。エルフレンジャーにはドリンクとお菓子を沢山渡して休憩を取らせると、狩りの時とは違う歓声が甲板上にこだました。俺、サリナ、リンネ、ショーイの4人は小型ボートに乗り換えて地上近くを飛びながら、エルフレンジャーが仕留めたラプトルをストレージに回収していく。
「こんなに回収してどうするつもりだ?」
「もちろん、働いてもらうんだよ」
ショーイは自分の役割が増えそうにないことに気が付いたようで、顔をしかめて首を横に振っていた。回収にも1時間近くが掛かった。まだ残っているだろうが、1000頭超のラプトルが俺のストレージに入ったところで、作業船の所に戻ってストレージから全部取り出した。
「あんた、働かせるって・・・、こんなにかい?」
「だって、まだまだいるだろ? もっと倒すし、せっかく倒したら回収しないともったいないからね。ということで、こいつらに回収を手伝わせてくれよ」
「?」
リンネには回収したラプトルを使って、これから倒すラプトルを咥えて運ばせるように指示してもらった。理論上は1000頭までの回収はラプトルだけでできるはずだった。リンネは喜ばなかったが、俺のお願いをちゃんと聞いてくれたので、ラプトル達は飛んでいる船の周囲を走って、エルフが倒した元仲間を見つけると引きずってきてくれた。
エルフレンジャーは休憩後も狩りを楽しみ、次の2時間では2000頭近い獲物を倒してくれた。最初に倒した数よりも多くなったところで回収用のラプトルを増やしておいた。今は2000頭のラプトルがリンネの指示で1000頭のラプトルを引きずりながらついて来ている・・・そんな感じだ。
ラプトル退治は順調だったが、ネフロスの神殿まではまだ距離がある。それに神殿の方角には順調では無い物が見えていた。
-汚いオーロラ?
虹の色だったらオーロラといえるようなものが空から地上まで掛かっているが、色は灰色のカーテンとしか見えない。
「マリアンヌさん、あれは何でしょうか?」
「結界ですかねぇ・・・、見た事が無い物です・・・わかりません」
「あの中はやっぱり魔法が使えない?」
「どうでしょうか・・・、わかりません」
ママさんからは有効な情報は得られなかったが、この世界でも見た事の無い物と言う事だ。もう少し近寄ってからドローンで確認することにしたが、オーロラの手前までたどり着いた時は夕方近くなっていたので、倒したラプトルを回収して明日出直すことにした。1日で6,500頭ぐらいのラプトルを倒したが、成果があったと喜ぶことも出来ない。全くいなかった恐竜が、数日でこれだけの数になったのだ。増えている元栓を急いで閉めないと・・・。
■エルフの里
里に戻るとエルフレンジャーたちは成果に興奮して散り散りになっていき、里のみんなに今日の報告をハイテンションで始めた。俺もノルドの小屋に行って、お礼と報告をしようとしたが、そこには予想外の人物が俺を待っていた。
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