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第8話 疼きの果てに
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昼を過ぎた頃から、レイの様子が明らかにおかしくなった。
「はぁ、っ……ん、く……っ」
額に浮かぶ汗。薄い軍服の下で、身体が内側から燃えるように熱い。
冷房を効かせた部屋でも、レイの呼吸は荒くなるばかりだった。
「また……熱が……」
発情期のピークは過ぎたはず。なのに、身体はおかしくなったままだ。
特に――嗅覚が異常をきたしていた。
(カイルの匂いしか……感じない……)
フェロモンに敏感なΩにとって、αの匂いは理性を揺るがす。
しかし今、レイにはカイル以外の匂いが完全に遮断されたかのようだった。
(これじゃ……まるで……)
扉が開く音と共に、カイルが戻ってきた。
「レイ、どうした……ッ」
彼の表情が一変する。
「すごい熱だ。……擬似番化症状、か」
「っ、なに……それ……」
「俺のフェロモンにだけ、反応する状態。強い結合欲求と、拒絶反応が重なる。……お前の身体が、俺を選び始めてる」
「ふざけ、るな……っ」
レイは壁にもたれ、震える指でシャツの胸元を握りしめる。
「勝手に……身体が、あんたを求めて……」
「もう、我慢するな」
カイルは静かに近づき、レイの額に触れた。
火傷しそうな熱さに、眉をひそめる。
「……番の印をつければ、少しは楽になる」
「っ……やめろ……」
「そう言いながら、お前の身体は……」
カイルの指が、レイの顎をそっと持ち上げた。
熱に潤んだ瞳が、抗えずに見上げてしまう。
「……痛くは、しない」
そう囁くと同時に、カイルはレイのうなじへと唇を寄せる。
「――ッ、や……やめ……!」
「楽にしてやる、レイ……」
噛みつかれる感触はなく、代わりに――優しく、吸い付くような刺激。
そこにあるのは、欲望だけじゃない。静かな、決意だった。
(こんなやさしく、されると……)
レイは、自分の中の何かが崩れていく音を聞いた。
「はぁ、っ……ん、く……っ」
額に浮かぶ汗。薄い軍服の下で、身体が内側から燃えるように熱い。
冷房を効かせた部屋でも、レイの呼吸は荒くなるばかりだった。
「また……熱が……」
発情期のピークは過ぎたはず。なのに、身体はおかしくなったままだ。
特に――嗅覚が異常をきたしていた。
(カイルの匂いしか……感じない……)
フェロモンに敏感なΩにとって、αの匂いは理性を揺るがす。
しかし今、レイにはカイル以外の匂いが完全に遮断されたかのようだった。
(これじゃ……まるで……)
扉が開く音と共に、カイルが戻ってきた。
「レイ、どうした……ッ」
彼の表情が一変する。
「すごい熱だ。……擬似番化症状、か」
「っ、なに……それ……」
「俺のフェロモンにだけ、反応する状態。強い結合欲求と、拒絶反応が重なる。……お前の身体が、俺を選び始めてる」
「ふざけ、るな……っ」
レイは壁にもたれ、震える指でシャツの胸元を握りしめる。
「勝手に……身体が、あんたを求めて……」
「もう、我慢するな」
カイルは静かに近づき、レイの額に触れた。
火傷しそうな熱さに、眉をひそめる。
「……番の印をつければ、少しは楽になる」
「っ……やめろ……」
「そう言いながら、お前の身体は……」
カイルの指が、レイの顎をそっと持ち上げた。
熱に潤んだ瞳が、抗えずに見上げてしまう。
「……痛くは、しない」
そう囁くと同時に、カイルはレイのうなじへと唇を寄せる。
「――ッ、や……やめ……!」
「楽にしてやる、レイ……」
噛みつかれる感触はなく、代わりに――優しく、吸い付くような刺激。
そこにあるのは、欲望だけじゃない。静かな、決意だった。
(こんなやさしく、されると……)
レイは、自分の中の何かが崩れていく音を聞いた。
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