萌えるゴミの日に、関西弁黒髪八重歯のイケメンを拾いました

あきら

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胸を張って歩いて行こうと思うのです

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あ そんなこんなで、みなさんこんばんは。八尋雄太です。またまた日を改めて、本日は何と某高級ホテルのナイトプールに来ております…。

 話には聞いてたけど、実際こう言う所に来るのは初めてだ。本当に、照明キラッキラしてるんだなぁ。周りはカップルか、それを求めてやって来たと思われる連中ばかりです。また、僕の目から見てどう考えても「ホモだろう」って人も…。こう言うのを、顔に書いているって言うんですかね。
 だいぶ肌寒い季節なので、室内プールですよ。また、僕も爽子さんも泳ぐ気はないので水着は着ていません。
 円城建設のご令嬢、爽子さん…。正直、こんな用件でお会いする機会があるとは思わなかった。今更ながらに、少し緊張してきました。あまり使いたくはなかったけど、親父のコネを使い尽くして同席の場を設けて頂きましたよ。多分、僕が爽子さんを口説くためとでも思われただろうなぁ。もしそうなら、うちの会社は末永く安泰だったと思う。ごめんね親父。
 二人きりで話をしたいため、取り巻きの男性たちにはプールの入り口あたりで待機してもらっています。また、大雅くんも来てはいますがしばらく泳ぎに専念してもらう事になりました。一緒にいたら、絶対に話がややこしくなったでしょうしね…。
 爽子さん、今日は前髪をまとめているので例の貞子さんみたいな外見ではありません。むしろ、以前お見かけした時から思ってましたが結構な美人さんです。そして幼児体型かと思いきや、出るところはちゃんと出てらっしゃるんですね。僕や大雅くんがホモでなければ、放ってはおかなかったかと思います…。
 そして、ちゃんと話してみれば爽子さんは良家のお嬢様らしい理性的な方でした。むしろ、引っ込み思案とすら言ってもいい。ただ恋は盲目と言いましょうか、大雅くんの「ホモだから」と言う断りの文句をどうしても信じられなかったらしい。そこに取り巻きの男たちが絡んで、どんどん話がややこしくなって行ったのだそうで。
 「大雅くんはあんな性格ですが、嘘を言う人ではありません。爽子さんのお近くにはいなかったかも知れませんが、世の中には同性を愛する人たちがいるのですよ…。いえ、お近くにいたけどそうと明かしていなかっただけかも」
 「そう、ですか…。わたくしも子供ではないのですから、その程度の知識はございます。と言いましょうか、わたくしの通っていた女子校には割とそう言った方々がちらほらと…」
 あら^~、そうだったんですね。当の爽子さん自身が「そう言った方々」とお付き合いされていたか気になる所ですが、流石に無粋と言わざるを得ないでしょう。
 「そう言う事でしたら、わたくしは大雅さんへの気持ちをすっぱりと諦めます。胸を刺す棘は消えないけど、きっと時間が解決してくれるでしょう。あの、まことに失礼なご質問ですが。八尋さん、あなたもそう言った…?」
 「…えぇ。『普通』と違う事で、僕も大雅くんも色々と生きにくい部分があります。だけど、誰に対して迷惑をかけている訳じゃない…。大雅くんほど、図太く生きる事は僕には出来ない。だけど彼を見習って、僕も少し胸を張って歩いて行こうと思うのです」
 「そう、ですか…。重ねて、失礼なご質問をしますね。八尋さん、あなたは大雅さんの事を愛しているのです…?」
 「!どう…でしょう…。そう言えば、タイプだとか何とか言われましたけど。バタバタしてて、その返事をまだしていないなぁ。好き?なのかなぁ?顔とか外見は、確実に好きです。それに、性格だとか人間性だとかも…。ちょっと、尊敬出来るかなぁって」
 「愛しているのですね」
 「…はい…」
 「まぁ…まぁ…。何という事でしょう!殿方同士の恋愛が、こんなにも美しいだなんて。わたくし、陰ながら応援させて頂きますわね。そうだわ。早速大学の友人たちと、あなた方の恋愛をモチーフにした同人誌を…」
 …あぁ、爽子さん。駄目です。それは、いけませんよ!その道は、茨の道。修羅の道…。だけれど無力な僕はこうして、一人の人間が腐って行く瞬間を見守る事しか出来ませんでした。まぁ元から鉄○くんや影○が好きだったようだし、素養はあったと言えましょうか。
 ちなみに彼女の言う同人誌とは、特定のイベントや通販のみでなく全国の書店にて販売するものを言います。誰も求めていないのに何故か本屋に置いてある、家系図みたいなものですね。何せ、そこらへんの腐女子とは財力が違いますから…。

 あ、腐女子って言い切っちゃった。
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