41 / 169
3章 大学入学編
鷲尾の家族に乾杯 1
しおりを挟む
桃ちゃんとの撮影が終わり、TwitterとInstagramのフォロワーが500万人を超えた頃。
俺は『鷲尾の家族に乾杯』の撮影を行うため、京都に来ていた。
「凛さん。今日の撮影は知っての通り、ぶっつけ本番の旅番組です」
矢上さんが簡単に今回の収録の説明をする。
『鷲尾の家族に乾杯』とは、司会の鷲尾達夫さんとゲストの人が地元の人々と触れ合いながら旅をしていく台本なしの旅番組だ。
「詳しくは凛さんを出演を依頼した国枝和樹さんに聞いてください」
「えっ!国枝さんが俺に依頼したんですか!?」
国枝和樹さんはディレクターとして昔から活躍している方で、俺が子役として活動している時から面識があり、様々なテレビ番組で一緒に仕事をしていた。
(『読モ』の表紙を飾っただけの男に台本なしの旅番組を依頼する人って誰だろうと思ってたが、国枝さんだったのか)
そんなことを思っていると、50代くらいの小太りな男性から話しかけられる。
「久しぶりだな!凛くん!」
「あ、はいっ!お久しぶりです!国枝さん!」
そう言って俺は国枝さんと握手をする。
「まずは復帰おめでとう!凛くんが復帰するのを心待ちにしてたぞ!」
「ありがとうございます!」
国枝さんも俺の復帰を待ってくれたんだと思い、嬉しい気持ちとなる。
「いやー、巷で噂の『読モ』の表紙が凛くんだった時は目を見開いて驚いたよ。『夏目レンが載ってる!』ってね」
「さすが国枝さんです。表紙を見ただけで俺が夏目レンだと気づいたんですね」
「当たり前だろ。何年間、凛くんと仕事してきたと思ってるんだ」
そう言って笑った国枝さんが、突然顎に手を当てて真面目な顔となる。
「それにしても将来はイケメン俳優になると思ってが、まさかここまでイケメンになるとは……」
ジーッと俺の事を国枝さんが見つめる。
そんな視線に耐えれなくなった俺は話題を変えるため、国枝さんに感謝を伝える。
「きょ、今日は俺に依頼していただき、ありがとうございます」
「ははっ、気にするな。凛くんなら高視聴率を取れると思ったからオファーしただけだ。それに、台本なしの旅番組でも持ち前のイケメン力でなんとかしてくれるだろ?」
「も、持ち前のイケメン力というのは分かりませんが、旅番組なら何度も経験がありますから」
子役時代に旅番組は何度も出演したことがある。
その辺りも俺に依頼した理由の一つだと思っている。
そんな会話をしていると、前方からテレビで何度も見かける鷲尾さんが近づいてくる。
「やぁ、君が夏目レンとして活躍してた夏目くんだね?」
「あ、はいっ!今日はよろしくお願いします!」
突然、鷲尾さんから声をかけられた俺はビクッとなりつつも挨拶をする。
鷲尾さんは現在70歳を超えており、若い頃から俳優や歌手として活躍された有名人。
そんな人と共演できることに緊張してしまう。
「そんなに緊張しなくていいよ。今日は一緒に番組を盛り上げようね」
「はいっ!」
鷲尾さんは俺と握手をしてから他のスタッフのもとへと移動する。
「さすがの凛くんも鷲尾さんの前ではガチガチだな」
「当たり前ですよ!誰もが知る有名人ですから!」
「ははっ!それもそうだな!」
そう言って笑いながら俺に一枚の紙を渡す。
「これが今日の撮影スケジュールだ。基本的に好きなように動いてもらうから指示はないが、注意点はいくつか存在する。その紙に書いてあることは注意してくれ」
「分かりました!」
俺の返事を聞いた国枝さんが別の場所へ移動する。
その後ろ姿を眺めた後、俺はもらった紙に目を通して収録開始を待った。
収録が始まり、カメラが回り出す。
「始まりました。鷲尾の家族に乾杯。今日は京都の街を旅しようと思います」
鷲尾さんがカメラに向けて話し出す。
「そして今日、一緒に旅をされるゲストは6年前まで天才子役として活躍された夏目凛さんです」
「よろしくお願いしまーす!」
鷲尾さんに紹介された俺はカメラに向けて挨拶をする。
「今日は京都の街での収録となりますが、夏目くんは京都に来たことありますか?」
「そうですね。ドラマの撮影で何度も来たことはあります。ですが観光はしたことないんですよ」
「なるほど。なら、今日は京都の街を楽しみながら色んな方たちと触れ合ってくださいね」
「はいっ!」
俺は元気に返事をする。
その後も鷲尾さんと軽快なトークを繰り広げ…
「じゃあ、良い旅を」
「はいっ!楽しんできます!」
俺は鷲尾さんと別れ、数人のスタッフと街へ歩き出した。
俺は『鷲尾の家族に乾杯』の撮影を行うため、京都に来ていた。
「凛さん。今日の撮影は知っての通り、ぶっつけ本番の旅番組です」
矢上さんが簡単に今回の収録の説明をする。
『鷲尾の家族に乾杯』とは、司会の鷲尾達夫さんとゲストの人が地元の人々と触れ合いながら旅をしていく台本なしの旅番組だ。
「詳しくは凛さんを出演を依頼した国枝和樹さんに聞いてください」
「えっ!国枝さんが俺に依頼したんですか!?」
国枝和樹さんはディレクターとして昔から活躍している方で、俺が子役として活動している時から面識があり、様々なテレビ番組で一緒に仕事をしていた。
(『読モ』の表紙を飾っただけの男に台本なしの旅番組を依頼する人って誰だろうと思ってたが、国枝さんだったのか)
そんなことを思っていると、50代くらいの小太りな男性から話しかけられる。
「久しぶりだな!凛くん!」
「あ、はいっ!お久しぶりです!国枝さん!」
そう言って俺は国枝さんと握手をする。
「まずは復帰おめでとう!凛くんが復帰するのを心待ちにしてたぞ!」
「ありがとうございます!」
国枝さんも俺の復帰を待ってくれたんだと思い、嬉しい気持ちとなる。
「いやー、巷で噂の『読モ』の表紙が凛くんだった時は目を見開いて驚いたよ。『夏目レンが載ってる!』ってね」
「さすが国枝さんです。表紙を見ただけで俺が夏目レンだと気づいたんですね」
「当たり前だろ。何年間、凛くんと仕事してきたと思ってるんだ」
そう言って笑った国枝さんが、突然顎に手を当てて真面目な顔となる。
「それにしても将来はイケメン俳優になると思ってが、まさかここまでイケメンになるとは……」
ジーッと俺の事を国枝さんが見つめる。
そんな視線に耐えれなくなった俺は話題を変えるため、国枝さんに感謝を伝える。
「きょ、今日は俺に依頼していただき、ありがとうございます」
「ははっ、気にするな。凛くんなら高視聴率を取れると思ったからオファーしただけだ。それに、台本なしの旅番組でも持ち前のイケメン力でなんとかしてくれるだろ?」
「も、持ち前のイケメン力というのは分かりませんが、旅番組なら何度も経験がありますから」
子役時代に旅番組は何度も出演したことがある。
その辺りも俺に依頼した理由の一つだと思っている。
そんな会話をしていると、前方からテレビで何度も見かける鷲尾さんが近づいてくる。
「やぁ、君が夏目レンとして活躍してた夏目くんだね?」
「あ、はいっ!今日はよろしくお願いします!」
突然、鷲尾さんから声をかけられた俺はビクッとなりつつも挨拶をする。
鷲尾さんは現在70歳を超えており、若い頃から俳優や歌手として活躍された有名人。
そんな人と共演できることに緊張してしまう。
「そんなに緊張しなくていいよ。今日は一緒に番組を盛り上げようね」
「はいっ!」
鷲尾さんは俺と握手をしてから他のスタッフのもとへと移動する。
「さすがの凛くんも鷲尾さんの前ではガチガチだな」
「当たり前ですよ!誰もが知る有名人ですから!」
「ははっ!それもそうだな!」
そう言って笑いながら俺に一枚の紙を渡す。
「これが今日の撮影スケジュールだ。基本的に好きなように動いてもらうから指示はないが、注意点はいくつか存在する。その紙に書いてあることは注意してくれ」
「分かりました!」
俺の返事を聞いた国枝さんが別の場所へ移動する。
その後ろ姿を眺めた後、俺はもらった紙に目を通して収録開始を待った。
収録が始まり、カメラが回り出す。
「始まりました。鷲尾の家族に乾杯。今日は京都の街を旅しようと思います」
鷲尾さんがカメラに向けて話し出す。
「そして今日、一緒に旅をされるゲストは6年前まで天才子役として活躍された夏目凛さんです」
「よろしくお願いしまーす!」
鷲尾さんに紹介された俺はカメラに向けて挨拶をする。
「今日は京都の街での収録となりますが、夏目くんは京都に来たことありますか?」
「そうですね。ドラマの撮影で何度も来たことはあります。ですが観光はしたことないんですよ」
「なるほど。なら、今日は京都の街を楽しみながら色んな方たちと触れ合ってくださいね」
「はいっ!」
俺は元気に返事をする。
その後も鷲尾さんと軽快なトークを繰り広げ…
「じゃあ、良い旅を」
「はいっ!楽しんできます!」
俺は鷲尾さんと別れ、数人のスタッフと街へ歩き出した。
53
あなたにおすすめの小説
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる