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3章 大学入学編
鷲尾の家族に乾杯 2
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鷲尾さんと別れ、数人のスタッフとカメラマンを引き連れて歩き出す。
その中には国枝さんと矢上さんも含まれており、俺と行動を共にするとのこと。
「好きなところに行って良いとのことなので、今日は一度も行ったことのない清水寺に行きたいと思います」
カメラに向けてそう言った俺は、ロケバスで清水寺に向かう。
その道中も1人でカメラに向けて語り、場を繋ぐ。
そして清水寺に到着する。
「へー!いっぱい店がありますね!それにたくさんの観光客がいますよ!」
到着早々、店がズラーっと並んでいることと観光客と思われる人たちがたくさん歩いていることにテンションを上げる。
遠くの方には清水寺の本堂と思われる建物がチラッと見えている。
「では早速、清水寺の本堂を目指して移動したいと思います」
カメラに向けて一言伝えた俺は本堂を目指して歩き出す。
すると…
「えっ!リン様がいるっ!」
「リン様が目と鼻の先にいるんだけど!」
「きゃぁぁぁっ!カッコいいっ!」
そんな声がたくさん聞こえてくる。
「あはは……目立っちゃいますね」
カメラがあるため話しかける人はいないが、俺の事を遠くから眺める人たちが大勢現れる。
(『鷲尾の家族に乾杯』は出会った人たちとの関わりを大切にしている。少し声をかけてみるか)
そう思い、俺は近くにいた女子高生2人に声をかける。
「すみません」
「「は、はいっ!」」
声をかけられるとは思ってなかったのか、ビクッとしながら返事をする女子高生2人。
「ご、ごめんね。驚かせたかな?」
俺は突然声をかけてしまった事を謝る。
「はぅぅ~」
「か、かっこいい……」
しかし2人は頬を染めながらウットリとした目で俺の事を見つめるだけで、俺の問いかけに答えてくれない。
「ま、間近でリン様は刺激が強すぎです……」
「も、もう限界……」
そして2人が目を回してふらふらし始める。
「だ、大丈夫か?」
そんな2人が心配になり、俺は2人の顔を覗き込む。
「「~~~っ!」」
すると2人が声にならない声をあげ、そのまま後ろへ倒れそうになる。
「危ないっ!」
俺は咄嗟に倒れそうになった2人の背中に手を回して倒れないよう支える。
「2人とも大丈夫……じゃなさそうだな」
俺の腕の中で目をまわして気絶している2人を見て、大丈夫じゃないことを把握する。
「えーっと……どうしましょうか?」
そして近くにいたスタッフへ困った顔で助けを求めた。
2人の介抱をスタッフに任せ、収録を再開する。
先程の出来事でさらに人が集まり、今では俺の周りに100人以上の人がいる。
(集まった人たちの9割くらいが女性なんだけど……清水寺って女性の方が観光に来るのか?)
そんなことを思いつつ俺は歩き出すと、ひっつき虫のように周囲の人たちも付いてくる。
振り切ることはできないため、気にしないように歩いていると、とある店に目が止まる。
「おっ!抹茶のドーナツが売ってあるぞ!」
建てられている看板を見てドーナツが食べたくなった俺は、その店に吸い寄せられるように足を運ぶ。
そこには優しそうなお爺ちゃんがドーナツを売っていた。
「すみません、ドーナツを1つください」
「はいよっ!……って凛さんじゃないか!収録の途中かい?」
「はい。『鷲尾の家族に乾杯』という番組で……」
「おぉー!あの番組は婆さんといつも見てるよ!」
「ありがとうございます!」
そんな会話をしながら、お爺ちゃんが紙に包んだ状態でドーナツを手渡してくる。
「300円だ」
「ありがとうございます」
俺は100円玉を3枚渡してドーナツを受け取り、その場でパクっと食べる。
「んーっ!美味しいっ!」
「そうだろ?俺の婆さんが丹精込めて作ったドーナツだからな」
そう言ったお爺ちゃんが、裏で作業をしているお婆ちゃんを指差す。
どうやらお婆ちゃんは俺の存在に気づいてたようで、手を振ってくれた。
そんなお婆ちゃんに笑みを浮かべつつ、お爺ちゃんに話しかける。
「これ、とても美味しいです!お持ち帰りとかできますか?」
「あぁ。何個持って帰る?」
「そうですね……5個お願いします」
「ちょっと待ってろ」
そう言ってお爺ちゃんが箱を用意してドーナツを詰める。
その間、俺は1500円をトレイに乗せる。
「はい、ドーナツ5個」
「ありがとうございます!」
「いやいや、コチラこそだよ。また来てくれよ、凛さん。次も美味しいドーナツを提供するからさ」
「はいっ!」
俺はそう答え、お爺ちゃんとお婆ちゃんに手を振ってから別れる。
すると…
「私にもドーナツをくださいっ!」
「私は10個お持ち帰りで!」
「リン様大絶賛のドーナツ!これは食べなければっ!おじちゃん!私は2つお願い!」
ドーナツ屋に大行列が発生した。
「おおっ!こんな行列は生まれて初めてじゃっ!婆さん!これから忙しくなるぞぉ!」
「分かってるよ!どんどん作るから!」
そして、お爺ちゃんとお婆ちゃんが嬉しそうな声を上げて忙しなく動き始める。
(倒れない程度に頑張ってください。また、必ず買いに来ますから)
俺は心の中で呟いた後、ドーナツを食べながら歩き出した。
その中には国枝さんと矢上さんも含まれており、俺と行動を共にするとのこと。
「好きなところに行って良いとのことなので、今日は一度も行ったことのない清水寺に行きたいと思います」
カメラに向けてそう言った俺は、ロケバスで清水寺に向かう。
その道中も1人でカメラに向けて語り、場を繋ぐ。
そして清水寺に到着する。
「へー!いっぱい店がありますね!それにたくさんの観光客がいますよ!」
到着早々、店がズラーっと並んでいることと観光客と思われる人たちがたくさん歩いていることにテンションを上げる。
遠くの方には清水寺の本堂と思われる建物がチラッと見えている。
「では早速、清水寺の本堂を目指して移動したいと思います」
カメラに向けて一言伝えた俺は本堂を目指して歩き出す。
すると…
「えっ!リン様がいるっ!」
「リン様が目と鼻の先にいるんだけど!」
「きゃぁぁぁっ!カッコいいっ!」
そんな声がたくさん聞こえてくる。
「あはは……目立っちゃいますね」
カメラがあるため話しかける人はいないが、俺の事を遠くから眺める人たちが大勢現れる。
(『鷲尾の家族に乾杯』は出会った人たちとの関わりを大切にしている。少し声をかけてみるか)
そう思い、俺は近くにいた女子高生2人に声をかける。
「すみません」
「「は、はいっ!」」
声をかけられるとは思ってなかったのか、ビクッとしながら返事をする女子高生2人。
「ご、ごめんね。驚かせたかな?」
俺は突然声をかけてしまった事を謝る。
「はぅぅ~」
「か、かっこいい……」
しかし2人は頬を染めながらウットリとした目で俺の事を見つめるだけで、俺の問いかけに答えてくれない。
「ま、間近でリン様は刺激が強すぎです……」
「も、もう限界……」
そして2人が目を回してふらふらし始める。
「だ、大丈夫か?」
そんな2人が心配になり、俺は2人の顔を覗き込む。
「「~~~っ!」」
すると2人が声にならない声をあげ、そのまま後ろへ倒れそうになる。
「危ないっ!」
俺は咄嗟に倒れそうになった2人の背中に手を回して倒れないよう支える。
「2人とも大丈夫……じゃなさそうだな」
俺の腕の中で目をまわして気絶している2人を見て、大丈夫じゃないことを把握する。
「えーっと……どうしましょうか?」
そして近くにいたスタッフへ困った顔で助けを求めた。
2人の介抱をスタッフに任せ、収録を再開する。
先程の出来事でさらに人が集まり、今では俺の周りに100人以上の人がいる。
(集まった人たちの9割くらいが女性なんだけど……清水寺って女性の方が観光に来るのか?)
そんなことを思いつつ俺は歩き出すと、ひっつき虫のように周囲の人たちも付いてくる。
振り切ることはできないため、気にしないように歩いていると、とある店に目が止まる。
「おっ!抹茶のドーナツが売ってあるぞ!」
建てられている看板を見てドーナツが食べたくなった俺は、その店に吸い寄せられるように足を運ぶ。
そこには優しそうなお爺ちゃんがドーナツを売っていた。
「すみません、ドーナツを1つください」
「はいよっ!……って凛さんじゃないか!収録の途中かい?」
「はい。『鷲尾の家族に乾杯』という番組で……」
「おぉー!あの番組は婆さんといつも見てるよ!」
「ありがとうございます!」
そんな会話をしながら、お爺ちゃんが紙に包んだ状態でドーナツを手渡してくる。
「300円だ」
「ありがとうございます」
俺は100円玉を3枚渡してドーナツを受け取り、その場でパクっと食べる。
「んーっ!美味しいっ!」
「そうだろ?俺の婆さんが丹精込めて作ったドーナツだからな」
そう言ったお爺ちゃんが、裏で作業をしているお婆ちゃんを指差す。
どうやらお婆ちゃんは俺の存在に気づいてたようで、手を振ってくれた。
そんなお婆ちゃんに笑みを浮かべつつ、お爺ちゃんに話しかける。
「これ、とても美味しいです!お持ち帰りとかできますか?」
「あぁ。何個持って帰る?」
「そうですね……5個お願いします」
「ちょっと待ってろ」
そう言ってお爺ちゃんが箱を用意してドーナツを詰める。
その間、俺は1500円をトレイに乗せる。
「はい、ドーナツ5個」
「ありがとうございます!」
「いやいや、コチラこそだよ。また来てくれよ、凛さん。次も美味しいドーナツを提供するからさ」
「はいっ!」
俺はそう答え、お爺ちゃんとお婆ちゃんに手を振ってから別れる。
すると…
「私にもドーナツをくださいっ!」
「私は10個お持ち帰りで!」
「リン様大絶賛のドーナツ!これは食べなければっ!おじちゃん!私は2つお願い!」
ドーナツ屋に大行列が発生した。
「おおっ!こんな行列は生まれて初めてじゃっ!婆さん!これから忙しくなるぞぉ!」
「分かってるよ!どんどん作るから!」
そして、お爺ちゃんとお婆ちゃんが嬉しそうな声を上げて忙しなく動き始める。
(倒れない程度に頑張ってください。また、必ず買いに来ますから)
俺は心の中で呟いた後、ドーナツを食べながら歩き出した。
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