127 / 169
6章 ドラマ撮影編
サイン会 6
しおりを挟む
1時間の休憩が終わり、サイン会を再開する。
目の前で倒れる以外は大きな問題なくサイン会を行っていると…
「夏目さーん!こんにちはー!」
「えっ!浜崎さん!?」
何故か浜崎さんがいた。
ちなみに女優という立場からかマスク姿で変装はしているようだ。
「当たったのでサインをいただきに来ました!」
そう言って可愛い笑顔で写真集を俺に差し出す。
「あ、あぁ。来てくれてありがとう」
知り合いは桃ちゃんと美柑さんで最後だと思っていたため、内心驚いている。
そんな俺を他所に浜崎さんが顎に手を当てて問いかけてくる。
「確か30秒間は夏目さんと触れ合うことができるとネットに書いてあったのですが、本当ですか?」
「あぁ。触れ合うといっても握手くらいしかできないけどね」
「やっぱり握手だけですか……」
そう呟き、顎に手を置いたまま黙る。
「はい、できた。これでいいかな?」
「あ、ありがとうございます!」
俺は浜崎さんへサインを書いた写真集を手渡そうとする。
その時、目の前のテーブルが“ゴンっ!”と鳴り、「痛っ!」と浜崎さんが声を出す。
そして浜崎さんが膝を抑えてその場で屈み込む。
「だ、大丈夫!?」
俺はすぐに浜崎さんのもとへ駆け寄って浜崎と目線を合わせるように屈む。
「いたた……すみません。ご心配をおかけしました」
「立てそう?結構痛そうな音がしたけど」
「……手をお借りしてもいいですか?」
「あぁ」
俺は浜崎さんに手を出し、立つ時に使ってもらう。
「ありがとうございます」
そう言って浜崎さんは立ちあがろうとするが…
「あ、危ないっ!」
かなり膝を強打したのか、浜崎さんがふらつき俺の胸へ倒れ込む。
「あ、ありがとうございます」
「気にするな。それよりも大丈夫か?」
「はい。ちょっと痛いですが少し休憩すれば治ると思います。なので……少しだけこのままでいさせてくれませんか?」
「っ!」
俺の身体に抱きついている浜崎さんが俺の顔を見るため視線を上げ、上目遣いで問いかける。
その破壊力は凄まじく、俺は庇護欲をそそられる。
「あ、あぁ。少しだけだぞ」
「ありがとうございます!」
パーっと笑顔となった浜崎さんが俺の胸に顔を埋める。
俺は浜崎さんに痴漢行為を行ってないことをアピールするため、その場で両手を上げる。
「矢上さん。あと何秒ですか?」
「えーっと……あと10秒くらいですね」
「あと10秒も……」
(長すぎるっ!めっちゃ良い匂いするし、なんか柔らかい感触を感じるしっ!)
甘い匂いが俺の嗅覚を刺激し、浜崎さんの程よい膨らみが俺の触覚を刺激するため、俺の理性がゴリゴリ削られていく。
「夏目さんの匂い、とても心地良いです~」
そんな俺を他所に緩み切った表情の浜崎さん。
「はーい、10秒経ちました。浜崎さん、そろそろ離れてくださいね」
「えぇ~、10秒速すぎです」
そう言いつつも浜崎さんは埋めた顔を上げる。
「夏目さんのおかげで痛みも引きました」
「あ、あぁ。これくらい大したことないから気にするな」
無事、理性で耐えることができた俺は浜崎さんに手を貸して立ち上がらせる。
そして写真集を手渡す。
「今日は来てくれてありがとう」
「いえいえ!ウチ、夏目さんのファンなので!こちらこそありがとうございました!」
そう言って元気そうに俺の下から立ち去る。
「膝は大丈夫そうで良かったですね」
「そうですね。名演技でしたよ。さすが女優ですね」
「………?」
何故か演技力を褒める矢上さんだった。
目の前で倒れる以外は大きな問題なくサイン会を行っていると…
「夏目さーん!こんにちはー!」
「えっ!浜崎さん!?」
何故か浜崎さんがいた。
ちなみに女優という立場からかマスク姿で変装はしているようだ。
「当たったのでサインをいただきに来ました!」
そう言って可愛い笑顔で写真集を俺に差し出す。
「あ、あぁ。来てくれてありがとう」
知り合いは桃ちゃんと美柑さんで最後だと思っていたため、内心驚いている。
そんな俺を他所に浜崎さんが顎に手を当てて問いかけてくる。
「確か30秒間は夏目さんと触れ合うことができるとネットに書いてあったのですが、本当ですか?」
「あぁ。触れ合うといっても握手くらいしかできないけどね」
「やっぱり握手だけですか……」
そう呟き、顎に手を置いたまま黙る。
「はい、できた。これでいいかな?」
「あ、ありがとうございます!」
俺は浜崎さんへサインを書いた写真集を手渡そうとする。
その時、目の前のテーブルが“ゴンっ!”と鳴り、「痛っ!」と浜崎さんが声を出す。
そして浜崎さんが膝を抑えてその場で屈み込む。
「だ、大丈夫!?」
俺はすぐに浜崎さんのもとへ駆け寄って浜崎と目線を合わせるように屈む。
「いたた……すみません。ご心配をおかけしました」
「立てそう?結構痛そうな音がしたけど」
「……手をお借りしてもいいですか?」
「あぁ」
俺は浜崎さんに手を出し、立つ時に使ってもらう。
「ありがとうございます」
そう言って浜崎さんは立ちあがろうとするが…
「あ、危ないっ!」
かなり膝を強打したのか、浜崎さんがふらつき俺の胸へ倒れ込む。
「あ、ありがとうございます」
「気にするな。それよりも大丈夫か?」
「はい。ちょっと痛いですが少し休憩すれば治ると思います。なので……少しだけこのままでいさせてくれませんか?」
「っ!」
俺の身体に抱きついている浜崎さんが俺の顔を見るため視線を上げ、上目遣いで問いかける。
その破壊力は凄まじく、俺は庇護欲をそそられる。
「あ、あぁ。少しだけだぞ」
「ありがとうございます!」
パーっと笑顔となった浜崎さんが俺の胸に顔を埋める。
俺は浜崎さんに痴漢行為を行ってないことをアピールするため、その場で両手を上げる。
「矢上さん。あと何秒ですか?」
「えーっと……あと10秒くらいですね」
「あと10秒も……」
(長すぎるっ!めっちゃ良い匂いするし、なんか柔らかい感触を感じるしっ!)
甘い匂いが俺の嗅覚を刺激し、浜崎さんの程よい膨らみが俺の触覚を刺激するため、俺の理性がゴリゴリ削られていく。
「夏目さんの匂い、とても心地良いです~」
そんな俺を他所に緩み切った表情の浜崎さん。
「はーい、10秒経ちました。浜崎さん、そろそろ離れてくださいね」
「えぇ~、10秒速すぎです」
そう言いつつも浜崎さんは埋めた顔を上げる。
「夏目さんのおかげで痛みも引きました」
「あ、あぁ。これくらい大したことないから気にするな」
無事、理性で耐えることができた俺は浜崎さんに手を貸して立ち上がらせる。
そして写真集を手渡す。
「今日は来てくれてありがとう」
「いえいえ!ウチ、夏目さんのファンなので!こちらこそありがとうございました!」
そう言って元気そうに俺の下から立ち去る。
「膝は大丈夫そうで良かったですね」
「そうですね。名演技でしたよ。さすが女優ですね」
「………?」
何故か演技力を褒める矢上さんだった。
166
あなたにおすすめの小説
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる