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6章 ドラマ撮影編
サイン会 5
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桃ちゃんと美柑さんの2人を見送り、俺は並んでいる人たちの対応へと移る。
矢上さんと話し合い、桃ちゃんたちとのやり取りを見ていた並んでる人たちは『握手まで』といった制限はなく、対応することにした。
そのため…
「ツーショット写真をお願いします!できれば私の腰に手を回して抱き寄せるように!」
「私の髪をぐしゃぐしゃになるくらい強く撫でてください!」
等々、なかなか理性のいるお願いばかりされた。
それなら俺が耐えれば何とかなるが…
「今日は来てくださりありがとうございます。これからも応援よろしくお願いしますね」
とファンの方へ笑顔で伝える。
すると…
「はうっ!」
“パタんっ”
「救護班!もう1人追加です!医務室まで運んでください!」
「………」
目の前で気絶され、スタッフたちへ盛大に迷惑をかけていく。
「すごいペースですよ。このままだと医務室にあるベッドが足りなくなりますね」
「……ほんとすみません」
気絶させようとしてるわけではないのだが、目の前でどんどん倒れていく。
「それにしても雨宮財閥ってすごいですね」
「そうですね。桃ちゃんが『最初の方は雨宮財閥の関係者ばかり』と言ってましたが、見事に全員関係者でしたね」
そのおかげで10時から11時の人だけ俺との身体接触アリといった条件も、桃ちゃんが皆んなに釘を刺してくれたので拡散されることはない。
(恐るべし雨宮財閥)
そんなことを思いながらサイン会を行った。
11時となる。
ここからは俺との身体接触は握手までとなり、理性をフル動員させる必要なくサイン会を行えるようになった。
「今日はお母さんと来たの?」
「うんっ!当たったからママと来たのー!乃々、リン様の大ファンで!」
そう言って可愛らしい笑顔を見せる小学生くらいの女の子から写真集を受け取る。
隣には綺麗な女性がおり、優しい眼差しで女の子のことを見ていた。
「サインの横に名前を書くこともできるけどどうする?」
「書いてー!」
「分かった。名前はなんて言うの?」
「乃々!小学1年生!」
そう言って可愛らしく人差し指を立てる。
「乃々ちゃんっと……よし!どうかな?」
「うんっ!ありがと!」
俺は笑顔で乃々ちゃんに写真集を渡す。
そして握手をするために座っていた椅子から立ち上がって乃々ちゃんの前で屈み、目線を合わせる。
「勉強、大変だと思うけど頑張ってね」
「うんっ!乃々、大きくなってリン様と結婚できるよう勉強頑張る!だから大きくなったら結婚してね!」
「っ!ごほっ!ごほっ!」
まさかの結婚発言に俺はむせる。
「リン様大丈夫ー?」
「あ、あぁ。大丈夫だよ。え、えーっと……乃々ちゃんが大きくなった時、俺が結婚してなかったらもらってくれるかな?」
「うんっ!任せて!」
そう言って可愛らしい笑顔を浮かべる。
そんな乃々ちゃんの頭を最後に少しだけ撫でて、乃々ちゃんと別れる。
その様子を見た矢上さんがニヤニヤしながら話しかけてきた。
「乃々ちゃん、可愛かったですね。隣にいらっしゃったお母さんが美人さんでしたので、きっと将来は美少女になりますよ。これで凛さんも将来は安泰ですね!」
「揶揄わないでください!」
そんな感じで俺はファンと触れ合っていた。
「疲れた~」
「お疲れ、お兄ちゃん」
11時から12時までの部が終わり休憩に入った俺に、寧々が水を持ってきてくれる。
「結局、知り合いは桃華さんと美柑さんだけだったね」
「あぁ。まぁそう簡単に知り合いには合わないだろ」
俺自身、今日は知り合いに会うと思ってなかったくらいだ。
なので、もう知り合いには会わないだろう。
「それにしてもお兄ちゃん、小さい女の子から求婚されたね」
「まぁ小学1年生の求婚なんていずれ忘れるさ」
「だといいけどねー」
そう言って寧々がニヤニヤ笑う。
「な、なんだよ?」
「いや、あの女の子がお兄ちゃんへの求婚をずっと忘れなかったらどーなるのかなーって」
「………そ、そん時は責任を取る必要があるかもな」
「あははっ。そうだね」
(頼むぞ、乃々ちゃん。大人になる頃には忘れててくれ)
そう切に願った。
矢上さんと話し合い、桃ちゃんたちとのやり取りを見ていた並んでる人たちは『握手まで』といった制限はなく、対応することにした。
そのため…
「ツーショット写真をお願いします!できれば私の腰に手を回して抱き寄せるように!」
「私の髪をぐしゃぐしゃになるくらい強く撫でてください!」
等々、なかなか理性のいるお願いばかりされた。
それなら俺が耐えれば何とかなるが…
「今日は来てくださりありがとうございます。これからも応援よろしくお願いしますね」
とファンの方へ笑顔で伝える。
すると…
「はうっ!」
“パタんっ”
「救護班!もう1人追加です!医務室まで運んでください!」
「………」
目の前で気絶され、スタッフたちへ盛大に迷惑をかけていく。
「すごいペースですよ。このままだと医務室にあるベッドが足りなくなりますね」
「……ほんとすみません」
気絶させようとしてるわけではないのだが、目の前でどんどん倒れていく。
「それにしても雨宮財閥ってすごいですね」
「そうですね。桃ちゃんが『最初の方は雨宮財閥の関係者ばかり』と言ってましたが、見事に全員関係者でしたね」
そのおかげで10時から11時の人だけ俺との身体接触アリといった条件も、桃ちゃんが皆んなに釘を刺してくれたので拡散されることはない。
(恐るべし雨宮財閥)
そんなことを思いながらサイン会を行った。
11時となる。
ここからは俺との身体接触は握手までとなり、理性をフル動員させる必要なくサイン会を行えるようになった。
「今日はお母さんと来たの?」
「うんっ!当たったからママと来たのー!乃々、リン様の大ファンで!」
そう言って可愛らしい笑顔を見せる小学生くらいの女の子から写真集を受け取る。
隣には綺麗な女性がおり、優しい眼差しで女の子のことを見ていた。
「サインの横に名前を書くこともできるけどどうする?」
「書いてー!」
「分かった。名前はなんて言うの?」
「乃々!小学1年生!」
そう言って可愛らしく人差し指を立てる。
「乃々ちゃんっと……よし!どうかな?」
「うんっ!ありがと!」
俺は笑顔で乃々ちゃんに写真集を渡す。
そして握手をするために座っていた椅子から立ち上がって乃々ちゃんの前で屈み、目線を合わせる。
「勉強、大変だと思うけど頑張ってね」
「うんっ!乃々、大きくなってリン様と結婚できるよう勉強頑張る!だから大きくなったら結婚してね!」
「っ!ごほっ!ごほっ!」
まさかの結婚発言に俺はむせる。
「リン様大丈夫ー?」
「あ、あぁ。大丈夫だよ。え、えーっと……乃々ちゃんが大きくなった時、俺が結婚してなかったらもらってくれるかな?」
「うんっ!任せて!」
そう言って可愛らしい笑顔を浮かべる。
そんな乃々ちゃんの頭を最後に少しだけ撫でて、乃々ちゃんと別れる。
その様子を見た矢上さんがニヤニヤしながら話しかけてきた。
「乃々ちゃん、可愛かったですね。隣にいらっしゃったお母さんが美人さんでしたので、きっと将来は美少女になりますよ。これで凛さんも将来は安泰ですね!」
「揶揄わないでください!」
そんな感じで俺はファンと触れ合っていた。
「疲れた~」
「お疲れ、お兄ちゃん」
11時から12時までの部が終わり休憩に入った俺に、寧々が水を持ってきてくれる。
「結局、知り合いは桃華さんと美柑さんだけだったね」
「あぁ。まぁそう簡単に知り合いには合わないだろ」
俺自身、今日は知り合いに会うと思ってなかったくらいだ。
なので、もう知り合いには会わないだろう。
「それにしてもお兄ちゃん、小さい女の子から求婚されたね」
「まぁ小学1年生の求婚なんていずれ忘れるさ」
「だといいけどねー」
そう言って寧々がニヤニヤ笑う。
「な、なんだよ?」
「いや、あの女の子がお兄ちゃんへの求婚をずっと忘れなかったらどーなるのかなーって」
「………そ、そん時は責任を取る必要があるかもな」
「あははっ。そうだね」
(頼むぞ、乃々ちゃん。大人になる頃には忘れててくれ)
そう切に願った。
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