21 / 24
2章 芸能界デビュー編
『モリトーク』の撮影という名の修羅場 3
しおりを挟む
休憩室に到着する。
「収録開始まで30分くらいあります。あのソファーで私と2人きりでお話ししませんか?」
そう言って南條さんが俺の右手を取り、2人用のソファーへ誘導する。
「な、南條さん!?」
俺は引っ張る南條さんに逆らえず、引っ張られるままにソファーへ足を運ぼうとする。
しかし空いていた方の左手を萌絵が“パシッ!”と掴み、歩きが止まる。
「ねぇ、クロくん!私、クロくんに話したい事たくさんあるんだ!あっち椅子で私と2人きりでお話ししよ!?」
南條さんとは反対の手を取った萌絵が俺を引っ張ったため、俺はその場で動けなくなる。
「むっ。萌絵さん?何をしているのですか?」
「それは私のセリフだよ、愛華ちゃん」
俺を挟んだ状態で何故か睨み合う2人。
「これから私はクロさんと会えなかった8年間を埋めるため、たくさんお話しをする予定です。邪魔をしないでください」
「私もクロくんと会いえなかった時間を埋めるためにたくさんお話しをするんだ!」
“バチバチっ!”と俺の間で火花が散る。
なぜ俺を取り合うような形になったかは不明だが、俺も2人と会えなかった時間を埋めたいので、1つ提案をしてみる。
「な、なぁ。3人で仲良く話すって選択肢は……」
「ありませんね」
「それは無理だね」
「えぇ……」
さっきまで仲良く俺の隣を歩いてたのに、休憩室に入った途端なぜか仲が悪くなる。
「まさか愛華ちゃんが休憩室に入ってすぐに仕掛けるとは思わなかったよ」
「つまり私の方が萌絵さん以上にクロさんとお話しをしたかったということですね。というわけでクロさん。私とあのソファーでお話ししましょう」
そう言って南條さんが俺を引っ張る。
「待って!」
「ぐえっ!」
反対の手を握っていた萌絵が南條さんに負けないようにと俺の手を引っ張ったため、変な声をあげる。
「そう簡単にクロくんを渡すわけにはいかないよ。だって私はクロくんと再会する日を楽しみにしてたんだから」
「それは私も同じです。なのでクロさんから離れてください」
「愛華ちゃんが手を放したら私もクロくんの手を放すよ」
「その言葉、そっくりそのまま萌絵さんにお返しします」
そう言って一向に手を放さない2人。
そのおかげで俺の両腕は悲鳴を上げ始める。
「ふ、ふたりとも!そろそろ俺の手が限界なんだけど!」
「クロくんが困ってるよ、愛華ちゃん。手を放したら?」
「萌絵さんこそ手を放したらどうですか?」
どっちが手を放すかで再び“バチバチっ!”と火花を散らす。
「むーっ!なら……えいっ!」
“ふにゅっ!”と柔らかい感触を左腕に感じる。
「っ!」
どうやら萌絵が俺の左腕に抱きついたようで、俺の腕が萌絵の巨乳に挟まれる。
「これならクロくんは痛くないよね!」
「あ、あぁ。痛くはないが……」
「ふふっ。なら大丈夫だね!」
「いや問題しかないと思う」
ボソッとツッコむが俺の言葉は届いてないようで、自信満々な顔で萌絵が南條さんを見る。
まるで『愛華ちゃんにはできないよね?』と言っているようだ。
「うぅー!わ、私だって!」
“ふにゅっ!”
「~~~っ!」
今度は反対の右腕に柔らかい感触を感じ、俺の脳はショート一歩手前となる。
(やわらかっ!萌絵以上に柔らかいんだが!?)
萌絵も巨乳の部類だがそれ以上に大きい南條さんの感触を無意識のうちに味わってしまう。
「さすが愛華ちゃん。全然引いてくれないね」
「と、当然です。恥ずかしいですが萌絵さんにクロさんを取られるわけにはいきませんので」
「無理してるんじゃないの?顔、真っ赤だよ?」
「ふふっ。そう言う萌絵さんも顔が赤いです。今すぐクロさんから離れた方がいいと思いますよ?」
「そっ、そんなことないもんっ!」
とか言いながら俺に抱きついた状態で口論する2人。
(ふ、ふたりから良い匂いが……しかも柔らかくて……っ!だ、ダメだ!今は2人から放れる方法を……って全然頭が働かねぇ!)
どんどん思考能力が低下する俺は2人を止める事ができず、抱きつかれた状態でフリーズする。
そんな俺を他所に両サイドでは止むことのない口論が続く。
「萌絵さんのアレは私よりも小さいのでクロさんは喜んでいないみたいですよ?」
「そっ、そんなことないもんっ!大きさだけが全てじゃないもんっ!」
とか言いながらさらに胸を押し付ける2人。
「~~~っ!」
(だ、ダメだっ!頭が働かねぇ!)
どうすればこの状況を打開できるかが全く分からず固まる俺。
すると、そのタイミングで…
「こほんっ!」
「「「っ!」」」
第三者の咳払いが聞こえ、2人の口論が止まる。
そして咳払いをした人物の方を見てみると、紫乃と神里さんが“じとーっ”とした目で俺たちのことを見ていた。
「……お兄ちゃん、何やってるの?」
「ここは休憩室です。イチャイチャする場所ではありませんよ?」
「「「………はい」」」
イチャイチャしてたわけではないが、側から見ればそのように見えるため、俺たちは素直に頷いた。
「収録開始まで30分くらいあります。あのソファーで私と2人きりでお話ししませんか?」
そう言って南條さんが俺の右手を取り、2人用のソファーへ誘導する。
「な、南條さん!?」
俺は引っ張る南條さんに逆らえず、引っ張られるままにソファーへ足を運ぼうとする。
しかし空いていた方の左手を萌絵が“パシッ!”と掴み、歩きが止まる。
「ねぇ、クロくん!私、クロくんに話したい事たくさんあるんだ!あっち椅子で私と2人きりでお話ししよ!?」
南條さんとは反対の手を取った萌絵が俺を引っ張ったため、俺はその場で動けなくなる。
「むっ。萌絵さん?何をしているのですか?」
「それは私のセリフだよ、愛華ちゃん」
俺を挟んだ状態で何故か睨み合う2人。
「これから私はクロさんと会えなかった8年間を埋めるため、たくさんお話しをする予定です。邪魔をしないでください」
「私もクロくんと会いえなかった時間を埋めるためにたくさんお話しをするんだ!」
“バチバチっ!”と俺の間で火花が散る。
なぜ俺を取り合うような形になったかは不明だが、俺も2人と会えなかった時間を埋めたいので、1つ提案をしてみる。
「な、なぁ。3人で仲良く話すって選択肢は……」
「ありませんね」
「それは無理だね」
「えぇ……」
さっきまで仲良く俺の隣を歩いてたのに、休憩室に入った途端なぜか仲が悪くなる。
「まさか愛華ちゃんが休憩室に入ってすぐに仕掛けるとは思わなかったよ」
「つまり私の方が萌絵さん以上にクロさんとお話しをしたかったということですね。というわけでクロさん。私とあのソファーでお話ししましょう」
そう言って南條さんが俺を引っ張る。
「待って!」
「ぐえっ!」
反対の手を握っていた萌絵が南條さんに負けないようにと俺の手を引っ張ったため、変な声をあげる。
「そう簡単にクロくんを渡すわけにはいかないよ。だって私はクロくんと再会する日を楽しみにしてたんだから」
「それは私も同じです。なのでクロさんから離れてください」
「愛華ちゃんが手を放したら私もクロくんの手を放すよ」
「その言葉、そっくりそのまま萌絵さんにお返しします」
そう言って一向に手を放さない2人。
そのおかげで俺の両腕は悲鳴を上げ始める。
「ふ、ふたりとも!そろそろ俺の手が限界なんだけど!」
「クロくんが困ってるよ、愛華ちゃん。手を放したら?」
「萌絵さんこそ手を放したらどうですか?」
どっちが手を放すかで再び“バチバチっ!”と火花を散らす。
「むーっ!なら……えいっ!」
“ふにゅっ!”と柔らかい感触を左腕に感じる。
「っ!」
どうやら萌絵が俺の左腕に抱きついたようで、俺の腕が萌絵の巨乳に挟まれる。
「これならクロくんは痛くないよね!」
「あ、あぁ。痛くはないが……」
「ふふっ。なら大丈夫だね!」
「いや問題しかないと思う」
ボソッとツッコむが俺の言葉は届いてないようで、自信満々な顔で萌絵が南條さんを見る。
まるで『愛華ちゃんにはできないよね?』と言っているようだ。
「うぅー!わ、私だって!」
“ふにゅっ!”
「~~~っ!」
今度は反対の右腕に柔らかい感触を感じ、俺の脳はショート一歩手前となる。
(やわらかっ!萌絵以上に柔らかいんだが!?)
萌絵も巨乳の部類だがそれ以上に大きい南條さんの感触を無意識のうちに味わってしまう。
「さすが愛華ちゃん。全然引いてくれないね」
「と、当然です。恥ずかしいですが萌絵さんにクロさんを取られるわけにはいきませんので」
「無理してるんじゃないの?顔、真っ赤だよ?」
「ふふっ。そう言う萌絵さんも顔が赤いです。今すぐクロさんから離れた方がいいと思いますよ?」
「そっ、そんなことないもんっ!」
とか言いながら俺に抱きついた状態で口論する2人。
(ふ、ふたりから良い匂いが……しかも柔らかくて……っ!だ、ダメだ!今は2人から放れる方法を……って全然頭が働かねぇ!)
どんどん思考能力が低下する俺は2人を止める事ができず、抱きつかれた状態でフリーズする。
そんな俺を他所に両サイドでは止むことのない口論が続く。
「萌絵さんのアレは私よりも小さいのでクロさんは喜んでいないみたいですよ?」
「そっ、そんなことないもんっ!大きさだけが全てじゃないもんっ!」
とか言いながらさらに胸を押し付ける2人。
「~~~っ!」
(だ、ダメだっ!頭が働かねぇ!)
どうすればこの状況を打開できるかが全く分からず固まる俺。
すると、そのタイミングで…
「こほんっ!」
「「「っ!」」」
第三者の咳払いが聞こえ、2人の口論が止まる。
そして咳払いをした人物の方を見てみると、紫乃と神里さんが“じとーっ”とした目で俺たちのことを見ていた。
「……お兄ちゃん、何やってるの?」
「ここは休憩室です。イチャイチャする場所ではありませんよ?」
「「「………はい」」」
イチャイチャしてたわけではないが、側から見ればそのように見えるため、俺たちは素直に頷いた。
45
あなたにおすすめの小説
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる