髪を切った俺が芸能界デビューした結果がコチラです。

昼寝部

文字の大きさ
20 / 24
2章 芸能界デビュー編

『モリトークの撮影』という名の修羅場 2

しおりを挟む
 懐かしい記憶を思い出していると「おはようございます」という声が聞こえてきた。

「お、愛華さんも来たようだね」

 モリタさんの発言を聞き、俺も声のした方を向く。
 そこには大人気女優の南條愛華さんがいた。

 艶のある黒髪を腰まで伸ばした美少女で、落ち着いた雰囲気と萌絵以上に大きな胸が特徴的。
 南條さんも俺と同い年で、小学5年生の時に一度だけ交流がある。

(俺は南條さんのことを覚えているが、南條さんは俺のことを覚えてるかな?)

 そんなことを思いつつ、コチラに駆け寄ってきた南條さんを見る。

「江本さん、モリタさん。今日はよろしくお願いします」

 丁寧な口調と所作で挨拶をする南條さん。
 そして隣にいる萌絵の方を向く。

「萌絵さんもお久しぶりです」
「うんっ。久しぶり!」

 どこで交流があったかは知らないが、お互い芸能生活が長く同年代ということで交流があったようだ。

「コチラの女性は……?」
「あ、私はお兄ちゃんの妹の紫乃って言います」

 そう言って紫乃が簡単な自己紹介をする。

「クロさんの妹さんですね。よろしくお願いします」
「うんっ!よろしくね、愛華ちゃん!」

 紫乃に対しても丁寧な口調と所作で挨拶をする南條さん。
 お兄ちゃんの妹と言われたところで分からない可能性もあると思ったが、南條さんは俺の妹だということを理解できたようだ。
 そして最後に俺の方を向く。

「クロさん。お久しぶりです」
「あぁ。久しぶり。俺のこと覚えてたんだ」
「当然です。私はクロさんのことを片時も忘れたことありませんから」
「そ、それはさすがに言い過ぎだろ」
「いえ、本当のことです。ずっと再会できる日を楽しみにしてました」

 そう言って柔らかい笑みを見せる。

「っ!」

 萌絵とは違った魅力を持つ南條さんの笑みに俺の心臓が“ドキッ”と跳ねる。

「むぅ」

 そんな俺たちを見て萌絵が頬を膨らませながら聞いてくる。

「クロくん、愛華ちゃんと知り合いなんだ」
「あ、あぁ。小学5年生の頃、父さんと南條さんが共演した時、一度だけ会ったことがあるんだ」
「うぅ……愛華ちゃんとは出会ってないと思ったのに。しかもさっきの発言からして絶対クロくんのこと……うぅ、強敵すぎだよ……」

 何故か萌絵が目に見えて落ち込む。

「ま、まぁ、出会ったことがあると言っても一回だけだ。萌絵の方が圧倒的に多く交流してるぞ」
「そっ、そうなんだ!」

 俺の返答が良かったのか、落ち込んでた萌絵が一気に元気になる。

「萌絵さんとクロさんは昔出会ってたんですね」

 すると今度は南條さんから同じような質問をされる。
 心なしか残念そうな声色と表情で。

「そうだな。小学生の頃に通ってたボイトレ教室が同じだったんだ。あの頃は萌絵の頑張りが俺の力になってたな」
「えへへ~」

 そう言うと萌絵が嬉しそうな顔をする。

「……これは絶対、萌絵さんもクロさんのことを……うぅ、最悪な展開です……」

 今度は南條さんがブツブツと何かを呟きながら落ち込む。

「ははっ。色男は大変だな」
「さすがお兄ちゃんだね!」
「とても楽しい収録になりそうだよ」

 そんな俺たちを見て江本さんたちが笑っていた。



 その後、この番組でディレクターを務める方が席を外している為、俺たちは収録開始まで少し談笑することとなった。

「俺の休憩室でいいのか?」
「うんっ!スタッフたちの邪魔をするわけにはいかないからね!」
「そうですね。それに何処か座れる場所で話したいので」
「私は飲み物を買ってから行くよ!」

 とのことで俺に用意された休憩室へ、飲み物を買いに行った紫乃を除いた3人で向かう。
 俺を中心に萌絵が左側を、南條さんが右側を歩いているため両手に花の状態だ。
 普通なら喜ぶ状態だが、すれ違うスタッフたちからの視線が痛い。
 なぜなら2人が俺の腕に触れそうなくらい近くにいるからだ。

「……なぁ」
「なーにー?」
「どうしましたか?」
「……近くないか?」
「うーん、そんな事ないと思うよ?」
「そうですね。誰かと歩く時はいつもこれくらいの距離感だと思います」
「………さいですか」

 2人は全く気にならないようで、俺の隣をスタスタ歩く。

(胸が当たりそうなんだけど……2人とも気づいてなさそう……)

 2人の巨乳が俺の腕に当たりそうなくらい近いので、俺は腕が胸に当たらないよう慎重に歩く。
 そんな俺たちを見たスタッフ2人の会話が耳に入る。

「萌絵ちゃんと愛華ちゃん、距離が近くね?」
「やっぱりイケメンだからだよ」
「でも以前、萌絵ちゃんがイケメン歌手と歩いてた時はここまで近くなかったぞ?」
「それを言うなら萌絵ちゃんが男と歩いてるなんて滅多にないぞ?男からの誘いを全て断ってるらしいからな」

 そんな会話をすれ違いざまに聞く。

(……俺に対して心を開いてるということにしよう。正直、今すぐ離れてほしいが)

 そんなことを思いつつ2人と共に休憩室を目指した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。  その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。  すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。 「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」  これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。 ※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...