38 / 86
芸能界編
歌の練習 1
しおりを挟む
涼宮さんと約束した土曜日となる。
今日は涼宮さんから歌のアドバイスをもらうこととなっており、駅前で涼宮さんの到着を待っている。
前髪を全て下ろした格好で。
一応、涼宮さんには俺が髪を下ろしてシロだとわからないようにしていることは伝えてある。
(伝えた時「わかったー!多分大丈夫だよー!」と言ってたから、大丈夫なんだろう)
そんなことを思いつつ涼宮さんを待っていると、一台の車が俺の前で停まる。
「……シロくんだよね?」
「あぁ。お疲れ、涼宮さん」
俺は涼宮さんだけに見えるよう、前髪を上げて素顔を見せる。
「っ!」
その瞬間、涼宮さんの顔が一瞬で真っ赤になる。
「ど、どうした?」
「なっ、なんでもないよ!」
そう言って「すーはー」と深呼吸を始める。
その様子に首を傾げていると、落ち着きを取り戻した涼宮さんが話しかける。
「違う人じゃなくて良かったよ。お疲れ、シロくん!」
サングラスにマスク姿の涼宮さんが挨拶をする。
「ごめんね。遅くなってしまって」
「全然待ってないから大丈夫だ。後ろに乗っていいか?」
「うん!」
俺は到着した車に乗り込む。
「迎えありがと、涼宮さん。それと今日はビシバシとお願いします」
「いえいえ!あ、今日は私のグループが練習で使う場所を借りることができたから、そこを使うよ!」
「えっ、そんなところ使っていいのか?」
「うん!私以外のメンバー4人にも了承を得てるから大丈夫だよ!」
「おー!ありがとう!」
涼宮さんは5人組アイドルグループ『スノーエンジェル』のメンバーなので、他4人から了承を得ているなら問題はないだろう。
「あ、運転してるのは私たちのグループでマネージャーを勤めてる白石さんだよ!」
「白石です。よろしくお願いします」
運転しながら頭を下げる白石さん。
表情を変えず淡々と告げられるが、後ろから見る姿はものすごく美人だ。
「白石さんって表情に出るタイプじゃないから感情は読み取りにくいけど、すごく優しくて頼りになる方だよ」
キリッとした眼と表情の変化が乏しいようだが、とても仕事のできる女性らしい。
(涼宮さんのように感情表現が上手ならアイドルとして活躍できるほど美人だな)
そんな感想を抱く。
その後は3人で他愛のない話をしながら練習場所へ向かい、車に乗ってから10分ほどで大きな建物に到着した。
「ここでいつも練習してるのか?」
「うん。といってもここは主に踊りを練習する場所だから、歌の練習をするための機材とかはないんだ。ホントは歌の練習をする場所がよかったんだけど、確保できなくて。だから小さなスピーカーから音楽を流して歌ってもらうことになるけどいいかな?」
「あぁ、問題ないよ」
そう答えて涼宮さんと車を降りる。
「白石さん、送ってくれてありがとうございます。また帰りもお願いします」
「分かりました」
俺も涼宮さんと一緒に礼を言ってから建物の中へ。
しばらく歩くと、とある部屋の前で涼宮さんが立ち止まる。
「この部屋で練習をするよ!」
とのことで部屋の中へ。
すると部屋の中には壁一面に鏡が設置されており、側には小さなスピーカーがあった。
「じゃあ、さっそくシロくんの歌唱力を確認します!まずは何か一曲歌ってもらうけど、どの曲がいいかな?」
そう言って俺の隣に来て、自分のスマホを見せる。
小さな画面を2人で見ることになるため、俺と涼宮さんの肩が触れ合う。
(ちょっ!近い!近い!なんかいい匂いがするし!)
女の子特有の匂いにクラクラしそうになる。
「シロくん、聞いてる?」
「あ、あぁ。どの曲にするかだろ?」
(危ねぇ。涼宮さんは善意で俺を手伝ってくれてるんだ。集中しないと)
「そうだな。それならこの曲にしよう」
俺は涼宮さんが所属する『スノーエンジェル』のデビュー曲を選択する。
「えっ!シロくん!私たちの曲、知ってるんだ!」
「かなり有名だからな。俺が好きな曲の一つだ」
「わー!すごく嬉しいよ!」
そう言って涼宮さんが可愛い笑顔を見せる。
すると後ろから“パシャっ!”というシャッター音が聞こえてきた。
「「ん?」」
俺たち2人は首を傾げながら後ろを振り向く。
すると、そこには涼宮さんと同じグループに所属する夏目梨奈が、スマホを向けた状態で笑っていた。
今日は涼宮さんから歌のアドバイスをもらうこととなっており、駅前で涼宮さんの到着を待っている。
前髪を全て下ろした格好で。
一応、涼宮さんには俺が髪を下ろしてシロだとわからないようにしていることは伝えてある。
(伝えた時「わかったー!多分大丈夫だよー!」と言ってたから、大丈夫なんだろう)
そんなことを思いつつ涼宮さんを待っていると、一台の車が俺の前で停まる。
「……シロくんだよね?」
「あぁ。お疲れ、涼宮さん」
俺は涼宮さんだけに見えるよう、前髪を上げて素顔を見せる。
「っ!」
その瞬間、涼宮さんの顔が一瞬で真っ赤になる。
「ど、どうした?」
「なっ、なんでもないよ!」
そう言って「すーはー」と深呼吸を始める。
その様子に首を傾げていると、落ち着きを取り戻した涼宮さんが話しかける。
「違う人じゃなくて良かったよ。お疲れ、シロくん!」
サングラスにマスク姿の涼宮さんが挨拶をする。
「ごめんね。遅くなってしまって」
「全然待ってないから大丈夫だ。後ろに乗っていいか?」
「うん!」
俺は到着した車に乗り込む。
「迎えありがと、涼宮さん。それと今日はビシバシとお願いします」
「いえいえ!あ、今日は私のグループが練習で使う場所を借りることができたから、そこを使うよ!」
「えっ、そんなところ使っていいのか?」
「うん!私以外のメンバー4人にも了承を得てるから大丈夫だよ!」
「おー!ありがとう!」
涼宮さんは5人組アイドルグループ『スノーエンジェル』のメンバーなので、他4人から了承を得ているなら問題はないだろう。
「あ、運転してるのは私たちのグループでマネージャーを勤めてる白石さんだよ!」
「白石です。よろしくお願いします」
運転しながら頭を下げる白石さん。
表情を変えず淡々と告げられるが、後ろから見る姿はものすごく美人だ。
「白石さんって表情に出るタイプじゃないから感情は読み取りにくいけど、すごく優しくて頼りになる方だよ」
キリッとした眼と表情の変化が乏しいようだが、とても仕事のできる女性らしい。
(涼宮さんのように感情表現が上手ならアイドルとして活躍できるほど美人だな)
そんな感想を抱く。
その後は3人で他愛のない話をしながら練習場所へ向かい、車に乗ってから10分ほどで大きな建物に到着した。
「ここでいつも練習してるのか?」
「うん。といってもここは主に踊りを練習する場所だから、歌の練習をするための機材とかはないんだ。ホントは歌の練習をする場所がよかったんだけど、確保できなくて。だから小さなスピーカーから音楽を流して歌ってもらうことになるけどいいかな?」
「あぁ、問題ないよ」
そう答えて涼宮さんと車を降りる。
「白石さん、送ってくれてありがとうございます。また帰りもお願いします」
「分かりました」
俺も涼宮さんと一緒に礼を言ってから建物の中へ。
しばらく歩くと、とある部屋の前で涼宮さんが立ち止まる。
「この部屋で練習をするよ!」
とのことで部屋の中へ。
すると部屋の中には壁一面に鏡が設置されており、側には小さなスピーカーがあった。
「じゃあ、さっそくシロくんの歌唱力を確認します!まずは何か一曲歌ってもらうけど、どの曲がいいかな?」
そう言って俺の隣に来て、自分のスマホを見せる。
小さな画面を2人で見ることになるため、俺と涼宮さんの肩が触れ合う。
(ちょっ!近い!近い!なんかいい匂いがするし!)
女の子特有の匂いにクラクラしそうになる。
「シロくん、聞いてる?」
「あ、あぁ。どの曲にするかだろ?」
(危ねぇ。涼宮さんは善意で俺を手伝ってくれてるんだ。集中しないと)
「そうだな。それならこの曲にしよう」
俺は涼宮さんが所属する『スノーエンジェル』のデビュー曲を選択する。
「えっ!シロくん!私たちの曲、知ってるんだ!」
「かなり有名だからな。俺が好きな曲の一つだ」
「わー!すごく嬉しいよ!」
そう言って涼宮さんが可愛い笑顔を見せる。
すると後ろから“パシャっ!”というシャッター音が聞こえてきた。
「「ん?」」
俺たち2人は首を傾げながら後ろを振り向く。
すると、そこには涼宮さんと同じグループに所属する夏目梨奈が、スマホを向けた状態で笑っていた。
137
あなたにおすすめの小説
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
普段高校生ゲーム実況者として活動している俺だが、最近仲良くなりつつあるVTuberが3人とも幼馴染だった件について。
水鳥川倫理
青春
主人公、目黒碧(めぐろあお)は、学校では始業時間になっても現れない遅刻常習犯でありながら、テストでは常に学年トップの高得点を叩き出す「何とも言えないクズ」として教師たちから扱いにくい存在とされている。しかし、彼には誰にも明かせない二つの大きな秘密があった。
一つ目の秘密は、碧が顔を隠し、声を変えて活動する登録者数158万人を誇るカリスマゲーム実況者「椎崎(しいざき)」であること。配信中の彼は、圧倒的なゲームスキルと軽妙なトークでファンを熱狂させ、学校での「クズ」な自分とは真逆の「カリスマ」として存在していた。
二つ目の秘密は、彼が三人の超絶可愛い幼馴染に囲まれて育ったこと。彼らは全員が同じ誕生日で、血の繋がりにも似た特別な絆で結ばれている。
習志野七瀬(ならしのななせ): 陽光のような明るい笑顔が魅力のツンデレ少女。碧には強い独占欲を見せる。
幕張椎名(まくはりしいな): 誰もが息をのむ美貌を持つ生徒会副会長で、完璧な優等生。碧への愛情は深く、重いメンヘラ気質を秘めている。
検見川浜美波(けみがわはまみなみ): クールな外見ながら、碧の前では甘えん坊になるヤンデレ気質の少女。
だが、碧が知らない三重目の秘密として、この三人の幼馴染たちもまた、それぞれが人気VTuberとして活動していたのだ。
七瀬は元気いっぱいのVTuber「神志名鈴香」。
椎名は知的な毒舌VTuber「神楽坂遥」。
美波はクールで真摯なVTuber「雲雀川美桜」。
学校では周囲の視線を気にしながらも、家では遠慮なく甘え、碧の作った料理を囲む四人。彼らは、互いがカリスマ実況者、あるいは人気VTuberという四重の秘密を知らないまま、最も親密で甘い日常を謳歌している。
幼馴染たちは碧の「椎崎」としての姿を尊敬し、美波に至っては碧の声が「椎崎」の声に似ていると感づき始める。この甘くも危険な関係は、一つの些細なきっかけで秘密が交錯した時、一体どのような結末を迎えるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる