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75話 飛べない不死鳥が仲間になりました
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「オレのところに来たいのか?」
「はい、カイトさんのところがいいんです。お願いできませんか?」
まさか、そんなこと言われるとは思わなかった。聖獣ってどういう扱いになるんだろう? 寮につれて行けるのか?
「戻りたいとか、ないのか?」
「さっきお話しした状況なので、特に戻りたいとも思いません」
「そうか……」
たしかに、さっき聞いた話は本当ならウラノスはどれほど辛い思いをしてきたんだろう。そんなヤツをオレは放っておけない。……痛いほど気持ちがわかるから。
リナにも視線をむけると、問題ないとうなずいてくれた。
「わかった。ウラノス、お前の都合のいい間だけオレのパーティーに入れよ。そうしたら少なくとも衣食住は心配しなくていいから」
「本当ですか!? ありがとうございます!! ありがとうございます!! 役立たずですが、精一杯がんばります!!」
「…………聖獣も仲間にするなんて、さすがカイトだよ」
あれ、なんかレモニーさんの顔が引きつってる。いや、でもこんな不憫な不死鳥おいて行けないだろ? というか、不死鳥の姿だと目立つな……。
「あのさ、ウラノスは人の姿になれないのか?」
「ごめんなさい、私は魔力の扱いが下手くそで空も飛べないんです。得意のはずの聖魔法と炎魔法も使えなくて……」
『カイト、こいつはまだ未成熟なのに魔力が多すぎて、上手く操れんのだ。そうだな、リナが魔力を吸ったらちょうどよいのではないか?』
「そうなのか? リナ頼める?」
リュカオンの声はレモニーさんには届いていないので、不思議そうな顔をしている。ウラノスには声が聞こえているのか、キョロキョロ辺りを見まわしていた。
『リナの訓練にもなって、一石二鳥だな。ククク……』
「リュカオンが鬼すぎる……」
リナはゲンナリしながらも、マジックイーターの魔力吸引量を調整し始めた。ウラノスはリナが手をかざすと、どんどんスッキリした顔になっていく。
「え? え? 何をしたんですか?? なんだか今までにないくらい、調子がいいんですけど!」
「こんなもんかな? ウラノス、いま私が魔力を吸ったから、ちょっと魔法使ってみて」
「えええ!? 本当ですか!? そんなことできるなんて……じゃぁ、試してみます」
ウラノスはリナの膝から降りて、何もない空中にむけて魔法を放った。
「聖なる雨」
その下には観葉植物があって、淡い金色の光が降り注いでいる。光を浴びた枯れかの葉は緑色に復活して、垂れ下がりそうだった枝はシャッキリと上をむいていく。
正しく回復魔法がかけられていた。しかも、聖魔法が得意な不死鳥だけに効果は抜群だ。
「ウソ!? ちゃんとできた!?」
『そうだ、お前はまだ年若い聖獣であろう。未熟ゆえ魔力が扱いきれておらんのだ』
「そうだったんだ……というか、この声の主はどなたですか?」
『リュカオンだ。千年前は魔獣王と呼ばれていた』
「リュカオン!? 聞いたことあります!! 近寄ってはいけないと……あ、もう遅いですね」
たまりかねたレモニーさんが、訳がわからないと声をかけて来た。
「ねえ、さっきから話が飛び飛びでよくわからないんだけど……」
「リュカオン、あとでレモニーさんと一戦交えるから頼む」
そうだよな、申し訳ないことをした。こう言えばリュカオンが喜ぶから、声が聞こえるようになるはずだ。実際に特務隊のメンバーもあの洗礼のおかげで話せるようになったからな。まぁ、みんなそこそこ驚いてたけど。
『そうか! そういうことなら早く言うのだ!』
「うわ! なんだ!? 誰だ!?」
『レモニーといったか、我はリュカオンだ。あとでカイトと戦うと聞いておる。よろしく頼むぞ』
「あー、そうか! そういうことだったんだ! わかった、いいよ。カイトと手合わせもしよう」
パーティーメンバーの他は、戦ったヤツとしか話さないとか……ズルいぞ、リュカオン。
「じゃぁ、ウラノスは人の姿になれるか試してみてよ。念のため聞くけど、女の子でいいんだよな?」
「はい! 間違いありません!」
「それなら、私が準備を整えてあげる。一旦宿屋に戻るね。ウラノス、おいで」
そういってリナとウラノスは医務室を後にした。
「はい、カイトさんのところがいいんです。お願いできませんか?」
まさか、そんなこと言われるとは思わなかった。聖獣ってどういう扱いになるんだろう? 寮につれて行けるのか?
「戻りたいとか、ないのか?」
「さっきお話しした状況なので、特に戻りたいとも思いません」
「そうか……」
たしかに、さっき聞いた話は本当ならウラノスはどれほど辛い思いをしてきたんだろう。そんなヤツをオレは放っておけない。……痛いほど気持ちがわかるから。
リナにも視線をむけると、問題ないとうなずいてくれた。
「わかった。ウラノス、お前の都合のいい間だけオレのパーティーに入れよ。そうしたら少なくとも衣食住は心配しなくていいから」
「本当ですか!? ありがとうございます!! ありがとうございます!! 役立たずですが、精一杯がんばります!!」
「…………聖獣も仲間にするなんて、さすがカイトだよ」
あれ、なんかレモニーさんの顔が引きつってる。いや、でもこんな不憫な不死鳥おいて行けないだろ? というか、不死鳥の姿だと目立つな……。
「あのさ、ウラノスは人の姿になれないのか?」
「ごめんなさい、私は魔力の扱いが下手くそで空も飛べないんです。得意のはずの聖魔法と炎魔法も使えなくて……」
『カイト、こいつはまだ未成熟なのに魔力が多すぎて、上手く操れんのだ。そうだな、リナが魔力を吸ったらちょうどよいのではないか?』
「そうなのか? リナ頼める?」
リュカオンの声はレモニーさんには届いていないので、不思議そうな顔をしている。ウラノスには声が聞こえているのか、キョロキョロ辺りを見まわしていた。
『リナの訓練にもなって、一石二鳥だな。ククク……』
「リュカオンが鬼すぎる……」
リナはゲンナリしながらも、マジックイーターの魔力吸引量を調整し始めた。ウラノスはリナが手をかざすと、どんどんスッキリした顔になっていく。
「え? え? 何をしたんですか?? なんだか今までにないくらい、調子がいいんですけど!」
「こんなもんかな? ウラノス、いま私が魔力を吸ったから、ちょっと魔法使ってみて」
「えええ!? 本当ですか!? そんなことできるなんて……じゃぁ、試してみます」
ウラノスはリナの膝から降りて、何もない空中にむけて魔法を放った。
「聖なる雨」
その下には観葉植物があって、淡い金色の光が降り注いでいる。光を浴びた枯れかの葉は緑色に復活して、垂れ下がりそうだった枝はシャッキリと上をむいていく。
正しく回復魔法がかけられていた。しかも、聖魔法が得意な不死鳥だけに効果は抜群だ。
「ウソ!? ちゃんとできた!?」
『そうだ、お前はまだ年若い聖獣であろう。未熟ゆえ魔力が扱いきれておらんのだ』
「そうだったんだ……というか、この声の主はどなたですか?」
『リュカオンだ。千年前は魔獣王と呼ばれていた』
「リュカオン!? 聞いたことあります!! 近寄ってはいけないと……あ、もう遅いですね」
たまりかねたレモニーさんが、訳がわからないと声をかけて来た。
「ねえ、さっきから話が飛び飛びでよくわからないんだけど……」
「リュカオン、あとでレモニーさんと一戦交えるから頼む」
そうだよな、申し訳ないことをした。こう言えばリュカオンが喜ぶから、声が聞こえるようになるはずだ。実際に特務隊のメンバーもあの洗礼のおかげで話せるようになったからな。まぁ、みんなそこそこ驚いてたけど。
『そうか! そういうことなら早く言うのだ!』
「うわ! なんだ!? 誰だ!?」
『レモニーといったか、我はリュカオンだ。あとでカイトと戦うと聞いておる。よろしく頼むぞ』
「あー、そうか! そういうことだったんだ! わかった、いいよ。カイトと手合わせもしよう」
パーティーメンバーの他は、戦ったヤツとしか話さないとか……ズルいぞ、リュカオン。
「じゃぁ、ウラノスは人の姿になれるか試してみてよ。念のため聞くけど、女の子でいいんだよな?」
「はい! 間違いありません!」
「それなら、私が準備を整えてあげる。一旦宿屋に戻るね。ウラノス、おいで」
そういってリナとウラノスは医務室を後にした。
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