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13話 まさかの相思相愛でしたわ!!!!①
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ライオネル様が、わたくしに縋るようにして泣いている。
アクアマリンのような瞳に涙を浮かべて、必死にわたくしを求めてくれている。
これは現実なのかしら? 都合のいい夢ではないのかしら?
わたくしがこんなにも愛してやまないお方から、ここまで激しく求められるなんて想像もしていなかった。だってむしろ嫌われていると思っていたから。
ずっとずっと願っていた。
わたくしに優しく微笑んでほしいと。
そのアイスブルーの瞳でわたくしだけを見てほしいと。
ライオネル様の心をわたくしにだけ向けてほしいと。
そっと慰めるようにサラサラの青みがかった銀髪を撫でる。大丈夫だと、安心してと気持ちを込めて。
「ハーミリア……?」
わたくしの行動の意図が読めないライオネル様が顔を上げた。
いつもはキリッとしている怜悧な瞳は真っ赤になっていて不安げに揺れて、鼻まで赤く染めて頼りなく見える。
でもそんなライオネル様を知るのはわたくしだけだと思うと、どうしようもなかった独占欲が満たされていった。
歯が痛いのなんて忘れて、ライオネル様に微笑む。
あふれるほどの愛を隠さずに、わたくしにもあなたが必要なのだと今すぐ伝えたい。
わたくしは精一杯の愛を言葉にした。
「ライ……ネル、さ……す……き」
「っ! ハーミリア、それは……本当に?」
もうそれ以上は話せなくて、こくりと頷くと感極まったライオネル様がきつく抱きしめてくれる。
「ハーミリア! ハーミリア! ああ、僕の女神!」
今度は嬉し涙を流して、震えている。
そんなライオネル様が愛しくてたまらなくて、わたくしもそっと背中に手を回した。
わたくしにだけ見せてくれるライオネル様の泣き顔も、笑顔も、真剣な横顔も、情けない顔も、すべて包み込んで愛したい。
ずっと嫌われていると思っていたけど、それは間違いだったのだ。
今のライオネル様の様子が演技なら、もういっそ一生騙されてもかまわないと思う。
もしかしてライオネル様は、気持ちをうまく表現できなかっただけなのかもしれない。
本当はライオネル様がとても不器用な方だと知っているから。
どんなことでも、できるようになるまであきらめずに挑戦し続けてた。
何度も何度も失敗してやっと自分のものにして、そうやって血のにじむような努力を続けてきたのだ。だからこそ学業は常にトップだし、魔法にしても世界最高峰の認定魔道士の資格を取るのも夢じゃない。
悔しいことも悲しいこともたくさんあったのに、その瞳はいつも前を見ていた。
そんなライオネル様をずっとそばで見てきて、努力を惜しまないその姿にわたくしは愛を深めていったのだ。
「ハーミリア、こんな情けない男で本当にすまない。でも、君のためにもっとちゃんとするよ。僕は君なしでは生きていけないんだ」
歯が痛くて本当につらかったけれど、この日を迎えるためだったと思えばなんてことない。
ふわりと微笑めば、ライオネル様の涙がようやく止まった。
まだ赤みが残るアイスブルーの瞳で真っ直ぐにわたくしを見つめて、拾い上げた指先に艶やかな唇をそっと落とす。
「ハーミリア、これからは君に捨てられないように、惜しみなく愛を伝えるよ」
シャラリと手首につけていたブレスレットが滑り落ちた。これはライオネル様に初めてもらった誕生日プレゼントだ。
三連のアクアマリンがついたもので、チェーンだけ変えて十年間ずっと身につけている。わたくしの宝物のひとつだ。ライオネル様の瞳と同じ色のブレスレットが嬉しくて、寝る時ですらつけていた。
つい先日宝石が壊れていることに気が付いたけれど、ライオネル様からもらったプレゼントを外したくなくかったのだ。
あ、いけない。壊れてもつけているなんて、わたくしの愛が重すぎると引かれてしまうわ。
「え、これ……! ハーミリア、この石が壊れたのはいつだ!?」
いつになく真剣な様子のライオネル様に、驚きつつも記憶を漁っていく。
ブレスレットが壊れていると思ったのは、確か歯の痛みに倒れた後のことだ。お医者様の診断を受けた時に、ブレスレットの宝石がふたつも壊れているのに気が付いたのだ。一瞬気が遠くなって、お医者様の存在すら忘れてしまった程だ。
でも確かにその前の日の夜は、キラキラと透き通る宝石がブレスレットの台座に輝いていた。思い出したところでサラサラとペンを走らせる。
【ハッキリとわかりませんけど、わたくしが静養する前までは無事でしたわ】
「……そうか! やっとハーミリアの治療方法がわかった。すぐに手配する」
ライオネル様の笑顔が麗しいのはかわらないけれど、その瞳の奥に見たことのない闇を感じた。
アクアマリンのような瞳に涙を浮かべて、必死にわたくしを求めてくれている。
これは現実なのかしら? 都合のいい夢ではないのかしら?
わたくしがこんなにも愛してやまないお方から、ここまで激しく求められるなんて想像もしていなかった。だってむしろ嫌われていると思っていたから。
ずっとずっと願っていた。
わたくしに優しく微笑んでほしいと。
そのアイスブルーの瞳でわたくしだけを見てほしいと。
ライオネル様の心をわたくしにだけ向けてほしいと。
そっと慰めるようにサラサラの青みがかった銀髪を撫でる。大丈夫だと、安心してと気持ちを込めて。
「ハーミリア……?」
わたくしの行動の意図が読めないライオネル様が顔を上げた。
いつもはキリッとしている怜悧な瞳は真っ赤になっていて不安げに揺れて、鼻まで赤く染めて頼りなく見える。
でもそんなライオネル様を知るのはわたくしだけだと思うと、どうしようもなかった独占欲が満たされていった。
歯が痛いのなんて忘れて、ライオネル様に微笑む。
あふれるほどの愛を隠さずに、わたくしにもあなたが必要なのだと今すぐ伝えたい。
わたくしは精一杯の愛を言葉にした。
「ライ……ネル、さ……す……き」
「っ! ハーミリア、それは……本当に?」
もうそれ以上は話せなくて、こくりと頷くと感極まったライオネル様がきつく抱きしめてくれる。
「ハーミリア! ハーミリア! ああ、僕の女神!」
今度は嬉し涙を流して、震えている。
そんなライオネル様が愛しくてたまらなくて、わたくしもそっと背中に手を回した。
わたくしにだけ見せてくれるライオネル様の泣き顔も、笑顔も、真剣な横顔も、情けない顔も、すべて包み込んで愛したい。
ずっと嫌われていると思っていたけど、それは間違いだったのだ。
今のライオネル様の様子が演技なら、もういっそ一生騙されてもかまわないと思う。
もしかしてライオネル様は、気持ちをうまく表現できなかっただけなのかもしれない。
本当はライオネル様がとても不器用な方だと知っているから。
どんなことでも、できるようになるまであきらめずに挑戦し続けてた。
何度も何度も失敗してやっと自分のものにして、そうやって血のにじむような努力を続けてきたのだ。だからこそ学業は常にトップだし、魔法にしても世界最高峰の認定魔道士の資格を取るのも夢じゃない。
悔しいことも悲しいこともたくさんあったのに、その瞳はいつも前を見ていた。
そんなライオネル様をずっとそばで見てきて、努力を惜しまないその姿にわたくしは愛を深めていったのだ。
「ハーミリア、こんな情けない男で本当にすまない。でも、君のためにもっとちゃんとするよ。僕は君なしでは生きていけないんだ」
歯が痛くて本当につらかったけれど、この日を迎えるためだったと思えばなんてことない。
ふわりと微笑めば、ライオネル様の涙がようやく止まった。
まだ赤みが残るアイスブルーの瞳で真っ直ぐにわたくしを見つめて、拾い上げた指先に艶やかな唇をそっと落とす。
「ハーミリア、これからは君に捨てられないように、惜しみなく愛を伝えるよ」
シャラリと手首につけていたブレスレットが滑り落ちた。これはライオネル様に初めてもらった誕生日プレゼントだ。
三連のアクアマリンがついたもので、チェーンだけ変えて十年間ずっと身につけている。わたくしの宝物のひとつだ。ライオネル様の瞳と同じ色のブレスレットが嬉しくて、寝る時ですらつけていた。
つい先日宝石が壊れていることに気が付いたけれど、ライオネル様からもらったプレゼントを外したくなくかったのだ。
あ、いけない。壊れてもつけているなんて、わたくしの愛が重すぎると引かれてしまうわ。
「え、これ……! ハーミリア、この石が壊れたのはいつだ!?」
いつになく真剣な様子のライオネル様に、驚きつつも記憶を漁っていく。
ブレスレットが壊れていると思ったのは、確か歯の痛みに倒れた後のことだ。お医者様の診断を受けた時に、ブレスレットの宝石がふたつも壊れているのに気が付いたのだ。一瞬気が遠くなって、お医者様の存在すら忘れてしまった程だ。
でも確かにその前の日の夜は、キラキラと透き通る宝石がブレスレットの台座に輝いていた。思い出したところでサラサラとペンを走らせる。
【ハッキリとわかりませんけど、わたくしが静養する前までは無事でしたわ】
「……そうか! やっとハーミリアの治療方法がわかった。すぐに手配する」
ライオネル様の笑顔が麗しいのはかわらないけれど、その瞳の奥に見たことのない闇を感じた。
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