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幼なじみ襲来!(続)
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「では、俺はそろそろ失礼する。もう少し話を詰めたいところだが」
「えっ、もう帰るのか」
「午後に親父のお供で出かけるんだ。準備があるからな」
ソファを立つ翼さんを、私も驚いて見上げた。
「せっかく来てくださったのに。せめてお茶でも」
「いやいや、大丈夫です。突然の訪問ですし、お会いできただけでもありがたく思っていますよ。また日をあらためて、皆でゆっくり食事でもしましょう。ええと……」
翼さんが花ちゃんを見て、遠慮がちに申し出た。
「もしよろしければ、花さんもご一緒に。史跡探訪の裏話など、ぜひお聞かせください」
「おお、もちろんでござる! わしもお主とはまた会いたいと思うておった。喜んでご一緒させてもらうぞ」
翼さんと花ちゃんが、がっしりと握手を交わす。そんな二人を見て、織人さんが私にそっと耳打ちした。
「翼のやつ、俺より仲良くなってる」
「そうですね。でも、私としてはとても嬉しいです。近いうちにまた集まれるといいですね」
花ちゃんも帰ると言うので、今回はこれにて解散だ。
ちなみに、翼さんが花ちゃんを車で送ってくれるという。
「じゃあな、気をつけて帰れよ」
「翼さん、花ちゃんをよろしくお願いします」
「承知しました」
「世話になったな、二人とも。いずれまた会おうぞ」
織人さんと私は玄関先で、幼なじみたちを見送った。
◇ ◇ ◇
「楽しかったですね」
「そうだな。翼の登場は予定外だったが、四人で会えて良かったぜ」
二人だけになった部屋で、織人さんと余韻に浸る。
あっという間だったが、とても充実した時間に感じられた。
ただ、綾華についての情報は、気がかりだけれど……
「高級ナイトクラブか……どこの店だろうな」
「翼さんは知らないみたいでしたね」
「九郎さんも、店の名前まで覚えてなかったんだ。しかしまあ、ちょっと調べればすぐに分かるさ。心当たりもあるし」
「え?」
織人さんがスマホを取り出し、どこかにメッセージを送った。しばらくすると返事が来て、添付された画像を私に見せる。
「えっ、これって……」
高級そうなラウンジと、煌びやかなダンスフロアの写真。スクロールすると、夜の街にそびえる高層ビルが続いた。
「高級ナイトクラブ『ダイヤモンド』。同じM区内に建つ高層ビルの、最上階に店を構えている」
「もう分かったんですか?」
「俺の友人にも事情通がいて、そいつが毎年慈善パーティーに参加してるのを思い出したんだ。手がかりは『女社長の若いツバメ』。即答だよ」
「はあ……」
織人さんはセレブであり、さまざまなコネクションを持っているのだ。
私には計り知れない、お金持ちならではの人脈である。
「それに、西野について調査した時、レポートにメモがあった気がするんだ。あとで確認しておく」
「あ、だから心当たりがあると」
以前、彼は特務室に命じて綾華の現状を調べた。きっとクラブ通いも報告に上がっている。
「『愛人』の調査は俺がやる。奈々子は心配せず、普通に暮らせば良いからな」
「は、はい」
正確には『特務室に調べてもらう』、ということ。社員の皆さんに個人的な調査を頼むのは申し訳ないけれど、それを言ってもこの人はきかない。
こうなったら、素直にお任せする。
「今後どうするかは結果次第だ。報告を聞いて、もしそいつが怪しい男と関係があるなら対処する」
凄みのある顔になり、ドキッとする。だけどそれは一瞬で、すぐに優しく私を見つめてきた。
「さてと、明日は両家の顔合わせだ。それが済んだら結婚指輪を選びに行こうぜ。あと、ゆっくりデートもしたいなあ」
「そうですね……ふふっ」
不安があっても、織人さんといると吹き飛んでしまう。
(そうだね、花ちゃん。織人さんがそばにいれば、大丈夫だよね)
楽しそうに笑う彼の隣で、思わず微笑んでいた。
「えっ、もう帰るのか」
「午後に親父のお供で出かけるんだ。準備があるからな」
ソファを立つ翼さんを、私も驚いて見上げた。
「せっかく来てくださったのに。せめてお茶でも」
「いやいや、大丈夫です。突然の訪問ですし、お会いできただけでもありがたく思っていますよ。また日をあらためて、皆でゆっくり食事でもしましょう。ええと……」
翼さんが花ちゃんを見て、遠慮がちに申し出た。
「もしよろしければ、花さんもご一緒に。史跡探訪の裏話など、ぜひお聞かせください」
「おお、もちろんでござる! わしもお主とはまた会いたいと思うておった。喜んでご一緒させてもらうぞ」
翼さんと花ちゃんが、がっしりと握手を交わす。そんな二人を見て、織人さんが私にそっと耳打ちした。
「翼のやつ、俺より仲良くなってる」
「そうですね。でも、私としてはとても嬉しいです。近いうちにまた集まれるといいですね」
花ちゃんも帰ると言うので、今回はこれにて解散だ。
ちなみに、翼さんが花ちゃんを車で送ってくれるという。
「じゃあな、気をつけて帰れよ」
「翼さん、花ちゃんをよろしくお願いします」
「承知しました」
「世話になったな、二人とも。いずれまた会おうぞ」
織人さんと私は玄関先で、幼なじみたちを見送った。
◇ ◇ ◇
「楽しかったですね」
「そうだな。翼の登場は予定外だったが、四人で会えて良かったぜ」
二人だけになった部屋で、織人さんと余韻に浸る。
あっという間だったが、とても充実した時間に感じられた。
ただ、綾華についての情報は、気がかりだけれど……
「高級ナイトクラブか……どこの店だろうな」
「翼さんは知らないみたいでしたね」
「九郎さんも、店の名前まで覚えてなかったんだ。しかしまあ、ちょっと調べればすぐに分かるさ。心当たりもあるし」
「え?」
織人さんがスマホを取り出し、どこかにメッセージを送った。しばらくすると返事が来て、添付された画像を私に見せる。
「えっ、これって……」
高級そうなラウンジと、煌びやかなダンスフロアの写真。スクロールすると、夜の街にそびえる高層ビルが続いた。
「高級ナイトクラブ『ダイヤモンド』。同じM区内に建つ高層ビルの、最上階に店を構えている」
「もう分かったんですか?」
「俺の友人にも事情通がいて、そいつが毎年慈善パーティーに参加してるのを思い出したんだ。手がかりは『女社長の若いツバメ』。即答だよ」
「はあ……」
織人さんはセレブであり、さまざまなコネクションを持っているのだ。
私には計り知れない、お金持ちならではの人脈である。
「それに、西野について調査した時、レポートにメモがあった気がするんだ。あとで確認しておく」
「あ、だから心当たりがあると」
以前、彼は特務室に命じて綾華の現状を調べた。きっとクラブ通いも報告に上がっている。
「『愛人』の調査は俺がやる。奈々子は心配せず、普通に暮らせば良いからな」
「は、はい」
正確には『特務室に調べてもらう』、ということ。社員の皆さんに個人的な調査を頼むのは申し訳ないけれど、それを言ってもこの人はきかない。
こうなったら、素直にお任せする。
「今後どうするかは結果次第だ。報告を聞いて、もしそいつが怪しい男と関係があるなら対処する」
凄みのある顔になり、ドキッとする。だけどそれは一瞬で、すぐに優しく私を見つめてきた。
「さてと、明日は両家の顔合わせだ。それが済んだら結婚指輪を選びに行こうぜ。あと、ゆっくりデートもしたいなあ」
「そうですね……ふふっ」
不安があっても、織人さんといると吹き飛んでしまう。
(そうだね、花ちゃん。織人さんがそばにいれば、大丈夫だよね)
楽しそうに笑う彼の隣で、思わず微笑んでいた。
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