42 / 44
41 つい言ってしまった 穂高side
しおりを挟む
不意打ちで腹を拳で殴られて、僕は思い切り咳き込んで前に倒れる。腹を抱えてうずくまった。
「あんた、本当に邪魔よね」
地面に倒れ込む僕に言い放ったのは、元園芸部の須藤美里香先輩だった。
「あんたがベタベタするから私と遊ぶ時間取れないんだって、藤代くんに言われたの。私が藤代くんの彼女なのに」
「はぁ? 付き合ってないぞ」
説明の最中に、藤代が口を挟んだ。
僕は現実に立ち返り、彼を見やる。
「それは知っているよ。けど、そのとき須藤先輩はそう言っていたのっ。で…」
僕はもう一度その場面に頭を切り替える。
男子生徒が背後から僕を蹴りながら言った。
「そうだ、穂高がいなきゃ、俺が副会長だった。俺のほうが藤代の役に立てるのにっ。おまえ、マジ邪魔」
僕を先ほど羽交い絞めにしたのは、高瀬だった。
つか、副会長は二名選出で、僕はトップ合格だったんだけどな。僅差で競っていたならともかく、僕と高瀬の間に堀田先輩が挟まっているんだから、それって僕がいなかったらとかいう話じゃなくね?
僕がそう思う間にも、息荒く興奮している須藤先輩が言った。
「ねぇ、だからさ、あんた高瀬に副会長譲ってよ。そうしたら高瀬が合コンに藤代くん呼んでくれるんだって。藤代くんだって女の子と遊びたいのに決まってる。なのに、あんたが親友面していっつもそばにいるからぁぁ、藤代くん困ってるのよ。きっかけさえあれば、私たちすぐ元さやできるしぃぃ」
「彼女なのに合コンなんかして、藤代に女の子あてがっちゃっていいんですか?」
なんか須藤先輩が興奮しているから、僕は逆に冷静になって正論を述べてしまった。
すかさず、須藤先輩の蹴りが肩に入る。
痛いってぇ。けど、もう一言言わせてっ。
「それに、譲れと言われても、そう簡単に譲れるものじゃありませんよ。選挙結果は生徒の意思の表れですから、無視できません。たぶん、再選挙になるんじゃ…」
僕は、僕に言われても困るという意味で言ったのだが。
「だったら、消えちゃえばいいよ」
キャハハッと笑いながら、須藤先輩がさらに荒っぽく蹴りはじめた。
話、通じないってぇぇ??
蹴りのひとつひとつの衝撃は弱いものの、数を受ければそれなりにダメージを受ける。
僕は体を丸めて、ひたすら痛みに耐えた。
そうして体を丸めて耐える間、目の端で高瀬がロッカーの備品を外に出しているのが見えた。
さっき蹴られた衝撃でカギを落としていたんだ。
あぁぁあ、誰がそれ片付けると思ってんだよぉ。嫌がらせか? 地味に嫌ぁな嫌がらせだなっ。
胸の内で文句を述べていると、突然攻撃がやんで、須藤先輩が言った。
「ねぇ、見てよ」
僕はゆるりと顔を上げる。すると目の前にスマホの画面があって。
須藤先輩と藤代のツーショットが映っていた。
彼は、それはそれは美しくて完璧な…作り笑いだった。
「他にも、藤代くんの写真、いっぱいあるわよ」
そう言って須藤先輩はスクロールしていくが、それはどれもこちらを見ていない藤代で、いわゆる隠し撮りのようなのだ。
「新聞部が提供するデータ画像、全部買ってるんだから。でもさ、そこに必ずあんたが映りこんでんのよね」
前半部は明るい声だったけど、でもさのあとは抑揚のない、感情の見えない声になる。
「せっかく自然な感じで藤代くんが笑ってんのに、あんたが邪魔で、いつもムカついてたのよっ」
……と、ここまで大まかに事の全容を告げ、僕は警官に目を向けた。
「僕は須藤先輩にそう言われたので、つい言ってしまったんです。藤代が自然な顔で笑うのは僕の前だけだから、僕が写真に映ってしまうのは仕方がないです…って」
すると、学園長も警官も、少し呆気にとられたような顔になった。
「そのあとは、思いっきり顔を蹴られて、あんまり覚えていないんです。でもやっぱり、あれは失言だったんでしょうね。僕は事実を言っただけなんですが、よくよく考えたら須藤先輩にとって僕の言葉は優越感に満ちた上から目線だったのかもしれない。たぶん、僕が彼女を挑発してしまったんです」
「そんなことない。あれは計画的だった。千雪が花壇に水まきに行くことをやつらは認識していたんだ。ガムテも紐も用意してあったし。千雪、覚えていないみたいだけど、備品入れのロッカーの中に入っていたんだぞ」
ずっと黙っていた藤代だったが、怒りを溜めこんでいたらしく、とうとう激しい口調で言い捨てた。
つか、なんだって?
「え? あんな小さなロッカーに? いくらなんでも僕がそんな中に入るわけないだろ」
気づいたときには、藤代の顔が目の前にあった。だから、覚えていないけど。
いやいや、まさかまさか。と、首を振る。
「マジで、先生も萩原も見ていたんだからな。あんな小さな中に押しこめられて、千雪が窒息でもしたらと思うと、今も恐ろしくて震えが走るよ。ロッカーのカギは職員室に戻されていた。それって、千雪がずっとロッカーの中でいいと思ったってことだろ。気づかなかったら千雪、マジで死んでたかもしれないんだぞ!」
僕以上に藤代が怒っちゃうから、僕は逆に頭が冷えちゃうというか。
そうなのか? って感じで。
「本当に身勝手な犯行理由で、迷惑極まりない悪行だ。あとな、俺は一回も須藤を恋人にしたことなんかない。なのに、どうしてそんな勘違いをするんだっ! クソな思いこみで千雪がこんな怪我をさせられるなんて…許せない…俺は許さないっ!」
あぁあ、ネガティブオーラ&怒りの波動が学園長室に伝播していく。
このまま藤代が憤激し続けると、学園長や警官も影響を受けるかもしれない。
僕はなだめるように彼の背中を手で撫でて、気を落ち着かせる。
怒りをおさめろ、という僕の気持ちが伝わったようで、藤代は震える手で己の顔を覆って項垂れた。
許さないと藤代は言うけれど。
僕の気持ちはそうではないので、警官に目を合わせた。
「須藤先輩のこと、僕は中等部の頃から尊敬していました。快活で、人見知りの僕に園芸のこといろいろ教えてくれて。だから、こんなことされたけど…彼女は来年受験だし、須藤先輩の将来を考えると今回の件のことを言い出せなくて。黙っていて、すみませんでした」
まぁ、高瀬も僕によく話しかけてくれていたけど。今回のは逆恨みがはなはだしかったので、特にかばう気持ちにはならなかったな。
僕がこの話をしたくなかったのは、おおよそ須藤先輩のことだったんだ。
話を聞き終えた警官は、うなずいた。
「大体、彼らの供述と合っているようだ。穂高くん、被害届を出しますか?」
「いいえ、もういいです」
「千雪っ、それはちゃんとご両親とも話し合って決めるべきだ。俺の意見も聞け!」
震えていた藤代が牙をむいて顔を上げた…元気だな。
「あぁ、そうだね。藤代が立て替えてくれた病院代は取り立てないとな。じゃあ、君に任せる」
「千雪、面倒くさいだけだろ」
呆れたような声を出す藤代を、僕は見やる。
わかっているじゃないか。
そうだ、面倒くさいのだ。
どちらかというと彼らにもう会いたくはないけど、僕のせいで誰かの人生が狂うの、ちょっと重いし。
警察沙汰とか、よくわからない。
「わかりました。個人的には君のお友達が言うように悪は許しちゃならないって思いますよ、穂高くん! しかし強制はできないのでね。警察はいつでも訴えを受理するので、被害届などのことを親御さんにも話して、その気になったら警察までお出でください」
藤代の波動に若干影響されているみたいな警官は、あとは学園側のほうで解決してくださいと言って、退室していった。
数日後。学園側は高瀬と須藤先輩に一ヶ月の停学処分を下し、この件は終了した。
しかし…これで終わりではなかったのだ。
「あんた、本当に邪魔よね」
地面に倒れ込む僕に言い放ったのは、元園芸部の須藤美里香先輩だった。
「あんたがベタベタするから私と遊ぶ時間取れないんだって、藤代くんに言われたの。私が藤代くんの彼女なのに」
「はぁ? 付き合ってないぞ」
説明の最中に、藤代が口を挟んだ。
僕は現実に立ち返り、彼を見やる。
「それは知っているよ。けど、そのとき須藤先輩はそう言っていたのっ。で…」
僕はもう一度その場面に頭を切り替える。
男子生徒が背後から僕を蹴りながら言った。
「そうだ、穂高がいなきゃ、俺が副会長だった。俺のほうが藤代の役に立てるのにっ。おまえ、マジ邪魔」
僕を先ほど羽交い絞めにしたのは、高瀬だった。
つか、副会長は二名選出で、僕はトップ合格だったんだけどな。僅差で競っていたならともかく、僕と高瀬の間に堀田先輩が挟まっているんだから、それって僕がいなかったらとかいう話じゃなくね?
僕がそう思う間にも、息荒く興奮している須藤先輩が言った。
「ねぇ、だからさ、あんた高瀬に副会長譲ってよ。そうしたら高瀬が合コンに藤代くん呼んでくれるんだって。藤代くんだって女の子と遊びたいのに決まってる。なのに、あんたが親友面していっつもそばにいるからぁぁ、藤代くん困ってるのよ。きっかけさえあれば、私たちすぐ元さやできるしぃぃ」
「彼女なのに合コンなんかして、藤代に女の子あてがっちゃっていいんですか?」
なんか須藤先輩が興奮しているから、僕は逆に冷静になって正論を述べてしまった。
すかさず、須藤先輩の蹴りが肩に入る。
痛いってぇ。けど、もう一言言わせてっ。
「それに、譲れと言われても、そう簡単に譲れるものじゃありませんよ。選挙結果は生徒の意思の表れですから、無視できません。たぶん、再選挙になるんじゃ…」
僕は、僕に言われても困るという意味で言ったのだが。
「だったら、消えちゃえばいいよ」
キャハハッと笑いながら、須藤先輩がさらに荒っぽく蹴りはじめた。
話、通じないってぇぇ??
蹴りのひとつひとつの衝撃は弱いものの、数を受ければそれなりにダメージを受ける。
僕は体を丸めて、ひたすら痛みに耐えた。
そうして体を丸めて耐える間、目の端で高瀬がロッカーの備品を外に出しているのが見えた。
さっき蹴られた衝撃でカギを落としていたんだ。
あぁぁあ、誰がそれ片付けると思ってんだよぉ。嫌がらせか? 地味に嫌ぁな嫌がらせだなっ。
胸の内で文句を述べていると、突然攻撃がやんで、須藤先輩が言った。
「ねぇ、見てよ」
僕はゆるりと顔を上げる。すると目の前にスマホの画面があって。
須藤先輩と藤代のツーショットが映っていた。
彼は、それはそれは美しくて完璧な…作り笑いだった。
「他にも、藤代くんの写真、いっぱいあるわよ」
そう言って須藤先輩はスクロールしていくが、それはどれもこちらを見ていない藤代で、いわゆる隠し撮りのようなのだ。
「新聞部が提供するデータ画像、全部買ってるんだから。でもさ、そこに必ずあんたが映りこんでんのよね」
前半部は明るい声だったけど、でもさのあとは抑揚のない、感情の見えない声になる。
「せっかく自然な感じで藤代くんが笑ってんのに、あんたが邪魔で、いつもムカついてたのよっ」
……と、ここまで大まかに事の全容を告げ、僕は警官に目を向けた。
「僕は須藤先輩にそう言われたので、つい言ってしまったんです。藤代が自然な顔で笑うのは僕の前だけだから、僕が写真に映ってしまうのは仕方がないです…って」
すると、学園長も警官も、少し呆気にとられたような顔になった。
「そのあとは、思いっきり顔を蹴られて、あんまり覚えていないんです。でもやっぱり、あれは失言だったんでしょうね。僕は事実を言っただけなんですが、よくよく考えたら須藤先輩にとって僕の言葉は優越感に満ちた上から目線だったのかもしれない。たぶん、僕が彼女を挑発してしまったんです」
「そんなことない。あれは計画的だった。千雪が花壇に水まきに行くことをやつらは認識していたんだ。ガムテも紐も用意してあったし。千雪、覚えていないみたいだけど、備品入れのロッカーの中に入っていたんだぞ」
ずっと黙っていた藤代だったが、怒りを溜めこんでいたらしく、とうとう激しい口調で言い捨てた。
つか、なんだって?
「え? あんな小さなロッカーに? いくらなんでも僕がそんな中に入るわけないだろ」
気づいたときには、藤代の顔が目の前にあった。だから、覚えていないけど。
いやいや、まさかまさか。と、首を振る。
「マジで、先生も萩原も見ていたんだからな。あんな小さな中に押しこめられて、千雪が窒息でもしたらと思うと、今も恐ろしくて震えが走るよ。ロッカーのカギは職員室に戻されていた。それって、千雪がずっとロッカーの中でいいと思ったってことだろ。気づかなかったら千雪、マジで死んでたかもしれないんだぞ!」
僕以上に藤代が怒っちゃうから、僕は逆に頭が冷えちゃうというか。
そうなのか? って感じで。
「本当に身勝手な犯行理由で、迷惑極まりない悪行だ。あとな、俺は一回も須藤を恋人にしたことなんかない。なのに、どうしてそんな勘違いをするんだっ! クソな思いこみで千雪がこんな怪我をさせられるなんて…許せない…俺は許さないっ!」
あぁあ、ネガティブオーラ&怒りの波動が学園長室に伝播していく。
このまま藤代が憤激し続けると、学園長や警官も影響を受けるかもしれない。
僕はなだめるように彼の背中を手で撫でて、気を落ち着かせる。
怒りをおさめろ、という僕の気持ちが伝わったようで、藤代は震える手で己の顔を覆って項垂れた。
許さないと藤代は言うけれど。
僕の気持ちはそうではないので、警官に目を合わせた。
「須藤先輩のこと、僕は中等部の頃から尊敬していました。快活で、人見知りの僕に園芸のこといろいろ教えてくれて。だから、こんなことされたけど…彼女は来年受験だし、須藤先輩の将来を考えると今回の件のことを言い出せなくて。黙っていて、すみませんでした」
まぁ、高瀬も僕によく話しかけてくれていたけど。今回のは逆恨みがはなはだしかったので、特にかばう気持ちにはならなかったな。
僕がこの話をしたくなかったのは、おおよそ須藤先輩のことだったんだ。
話を聞き終えた警官は、うなずいた。
「大体、彼らの供述と合っているようだ。穂高くん、被害届を出しますか?」
「いいえ、もういいです」
「千雪っ、それはちゃんとご両親とも話し合って決めるべきだ。俺の意見も聞け!」
震えていた藤代が牙をむいて顔を上げた…元気だな。
「あぁ、そうだね。藤代が立て替えてくれた病院代は取り立てないとな。じゃあ、君に任せる」
「千雪、面倒くさいだけだろ」
呆れたような声を出す藤代を、僕は見やる。
わかっているじゃないか。
そうだ、面倒くさいのだ。
どちらかというと彼らにもう会いたくはないけど、僕のせいで誰かの人生が狂うの、ちょっと重いし。
警察沙汰とか、よくわからない。
「わかりました。個人的には君のお友達が言うように悪は許しちゃならないって思いますよ、穂高くん! しかし強制はできないのでね。警察はいつでも訴えを受理するので、被害届などのことを親御さんにも話して、その気になったら警察までお出でください」
藤代の波動に若干影響されているみたいな警官は、あとは学園側のほうで解決してくださいと言って、退室していった。
数日後。学園側は高瀬と須藤先輩に一ヶ月の停学処分を下し、この件は終了した。
しかし…これで終わりではなかったのだ。
123
あなたにおすすめの小説
【完結】恋した君は別の誰かが好きだから
花村 ネズリ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。
青春BLカップ31位。
BETありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
二つの視点から見た、片思い恋愛模様。
じれきゅん
ギャップ攻め
六日の菖蒲
あこ
BL
突然一方的に別れを告げられた紫はその後、理由を目の当たりにする。
落ち込んで行く紫を見ていた萌葱は、図らずも自分と向き合う事になった。
▷ 王道?全寮制学園ものっぽい学園が舞台です。
▷ 同室の紫と萌葱を中心にその脇でアンチ王道な展開ですが、アンチの影は薄め(のはず)
▷ 身代わりにされてた受けが幸せになるまで、が目標。
▷ 見た目不良な萌葱は不良ではありません。見た目だけ。そして世話焼き(紫限定)です。
▷ 紫はのほほん健気な普通顔です。でも雰囲気補正でちょっと可愛く見えます。
▷ 章や作品タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではいただいたリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
【完結】言えない言葉
未希かずは(Miki)
BL
双子の弟・水瀬碧依は、明るい兄・翼と比べられ、自信がない引っ込み思案な大学生。
同じゼミの気さくで眩しい如月大和に密かに恋するが、話しかける勇気はない。
ある日、碧依は兄になりすまし、本屋のバイトで大和に近づく大胆な計画を立てる。
兄の笑顔で大和と心を通わせる碧依だが、嘘の自分に葛藤し……。
すれ違いを経て本当の想いを伝える、切なく甘い青春BLストーリー。
第1回青春BLカップ参加作品です。
1章 「出会い」が長くなってしまったので、前後編に分けました。
2章、3章も長くなってしまって、分けました。碧依の恋心を丁寧に書き直しました。(2025/9/2 18:40)
笑って下さい、シンデレラ
椿
BL
付き合った人と決まって12日で別れるという噂がある高嶺の花系ツンデレ攻め×昔から攻めの事が大好きでやっと付き合えたものの、それ故に空回って攻めの地雷を踏みぬきまくり結果的にクズな行動をする受け。
面倒くさい攻めと面倒くさい受けが噛み合わずに面倒くさいことになってる話。
ツンデレは振り回されるべき。
十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います
塔原 槇
BL
会社員、兎山俊太郎(とやま しゅんたろう)はある日、「やっぱり女の子が好きだわ」と言われ別れを切り出される。彼氏の売れないバンドマン、熊井雄介(くまい ゆうすけ)は人気上昇中の清純派アイドル、桃澤久留美(ももざわ くるみ)と付き合うのだと言う。ショックの中で俊太郎が出社すると、幼馴染の有栖川麗音(ありすがわ れおん)が中途採用で入社してきて……?
目線の先には。僕の好きな人は誰を見ている?
綾波絢斗
BL
東雲桜花大学附属第一高等学園の三年生の高瀬陸(たかせりく)と一ノ瀬湊(いちのせみなと)は幼稚舎の頃からの幼馴染。
湊は陸にひそかに想いを寄せているけれど、陸はいつも違う人を見ている。
そして、陸は相手が自分に好意を寄せると途端に興味を失う。
その性格を知っている僕は自分の想いを秘めたまま陸の傍にいようとするが、陸が恋している姿を見ていることに耐えられなく陸から離れる決意をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる