【完結】うちの大公妃は肥満専攻です!

ariya

文字の大きさ
80 / 94

77 祝賀会

しおりを挟む
 皇太子誕生を祝うパーティーにて、貴族たちは列を為しお祝いの品を持参し皇帝夫妻と皇太子に祝辞を述べていた。
 ルドヴィカ、ジャンルイジ大公は比較的早い順番であり、到着したと同時に前の列へと案内された。
 ジャンルイジ大公のエスコートで登場したルドヴィカを人々はじろじろと視線を向けた。
 この貴族たちの中で鼠色の髪をした者はルドヴィカ以外にはいない。
 珍し気に眺め、嘲笑しようとする者もいた。同時にルドヴィカが身に着けるドレスと装飾品に目を奪われる夫人もいた。

 帝都にはないタイプのデザインで、素材も遠目からでもわかる程の艶やかな一級品であった。
 ワインレッドをベースにし、黒のレースと薔薇の刺繍が見事であった。
 鼠色の髪は編み込み結い上げられ、薔薇の髪飾りにより彩られた。
 忌み嫌われた鼠色の髪がドレスと髪飾りの色合いによくマッチしており、華やかに見える。
 あれは誰がデザインしたものだと羨望のまなざしが感じられた。

 ジャンルイジ大公が色々と注文し完成されたデザインであった。
 正直、自分よりもセンスがあって驚きである。そういえば、薔薇の髪飾りは彼が特注で作らせたものだったと思い出した。
 ルドヴィカはエスコートするジャンルイジ大公に改めてお礼を言った。

「ありがとうございます」
「何がだ?」
「ジジの選んだドレスと装飾品のおかげで私は見栄えがよくなったようです」
「お前は元々綺麗なんだから堂々とすればいい」

 何という褒め言葉を言うようになったのだろうか。
 あの初心なジジはどこへやら。

 視線を合わせないのはまだ恥ずかしさを感じているからだとわかり安心した。

「ジジの衣装も素敵です。似合っていますよ」

 ルドヴィカはこそっと褒め返した。
 ジャンルイジ大公の正装姿はルドヴィカと合わせたワインレッドをポイントにしている。ワインレッドはアンジェロ大公家のカラーであった。
 センスがなければ悪目立ちしやすい色であるが、ジャンルイジ大公のおかげでそんなことは微塵も感じない華やかでいて癖の強さを感じないものとなっていた。

 案内された列の中へとルドヴィカたちは通される。
 ふたつ前の方にルドヴィカの父母の姿があった。
 母親がちらりと後ろを見やるが、眉をひそめてふいっと前へ向いた。
 今まではあんなにちくりと痛んでいたが、今はそんなもの感じられない。
 ジャンルイジ大公がルドヴィカの傍にいてくれるおかげである。
 そういえば、こういった祝いの場ではルドヴィカはいつも孤立していた。エスコートすべき当時の婚約者は忙しさを理由にルドヴィカを一人で登場させるのを強いた。
 そして周りからの痛い視線と屈辱、それでもルドヴィカは未来の皇后として曇った表情を出さないように虚勢を張っていた。それがかえって可愛げがなく、怒っているように見え、評判はかえってよくなかったように思える。

 自分の順番に近づくところでルドヴィカは皇帝夫妻、皇太子をみやった。
 あれから数年経ち、随分と大人びた姿の二人がいた。
 アリアンヌは二人の子供を出産したが、それを感じさせない程の色気を放っていた。体型も維持できており、華やかで愛くるしい笑顔は人々を魅了した。
 出産て結構たいへんだと思うけど。
 ルドヴィカは内心感心した。彼女のことで色々あったが、彼女なりに努力しているのだろう。
 アリアンヌが大事に抱えているのは生まれて数か月の皇太子であった。
 今はすやすやと眠りについていて大人しい。
 ぱっと見た感じ微笑ましい皇帝一家である。
 そういえば、もう一人アリアンヌは子を出産していたはずだ。一人足りない。
 確か5年前に生まれたカプリアナ皇女がいたはずだ。
 生まれた時から虚弱体質と聞いていた為、参加できていないのかもしれない。

「ようこそ、いらっしゃいました。お姉様! ……大公殿下も」

 ルドヴィカの順番になったときに明るいアリアンヌの声が響いた。そして一瞬でルドヴィカの隣にいる男を見やった。

 ジジ、大丈夫かしら。

 ルドヴィカは隣のジャンルイジ大公のことを案じた。彼の表情を確認したいが、今皇帝夫妻から顔を逸らせば失礼にあたる。
 二人で礼をし、祝辞を述べる。そしてお祝いの品を披露した。
 アンジェロ大公領で採れる宝石、ピジョンブラッドである。
 かなりの大粒の品で、帝都でもなかなか手に入るのは苦労するであろう。
 そして、別の箱には皇帝夫妻を祝い、紳士用、婦人用の装飾品が入っていた。婦人用のは首飾りであった。ピジョンブラッドが使用されてある。

「アンジェロ大公夫妻、遠路はるばるご苦労であった」

 カリスト皇帝は定型的な礼をして、下がらせた。少しばかり苛立っている様子であった。
 忌み嫌っていたルドヴィカを目の前にしているからか。
 それとも陥れたくてたまらないアンジェロ大公が平然と出席しているからか。

 ジャンルイジ大公の望みとしては皇帝家とこのまま対立するのは避けたいところだが、今の様子では厳しいかもしれない。
 会場に響いたゆるやかな荘厳とした音楽からリズミカルなものへと変わる。
 まだ皇太子への祝辞の列は続いているが、メインになる貴族と異国の賓客の挨拶が終わりダンスが始まったのだ。
 一度、祝辞の列は中断され、皇帝夫妻が中央へと移動する。
 今更ながら二人の衣装はかなり豪華なものであった。
 内心ルドヴィカは自分の衣装が豪華すぎるのではないかと心配であった。
 主役一家より目立つのではと。
 二人の姿をみて杞憂と感じた。

 光に照らされて光その衣装には小さなダイヤモンドがふんだんちりばめられていた。その上で、金の帯など至るものが贅を凝らしていた。
 アリアンヌが頭につけているのは新調した黄金のティアラである。それにはピンクダイヤモンドが綺麗に輝きを放っていた。

「何と美しい二人だ」

 貴族たちは皇帝夫妻を誉めそやした。
 確かにその通りである。
 二人は美しい。それは間違いなかった。
 自分があのまま皇后になれたとして、人々の称賛を集められたか自信がない。
 結婚しても皇帝のルドヴィカを蔑む感情は変わることはなかっただろう。
 みじめな皇后として後世まで語り継がれたに違いない。

 しんみりとした気分になっていた間に曲目が終わっていた。
 皇帝夫妻は感謝の言葉を述べて、先ほどの祝辞の列へ戻っていた。
 新しい曲が流れていく。
 周りの貴族たちはダンスに参加するため中央へと進んでいった。

「ルカ」

 ジャンルイジ大公が声をかけて、ルドヴィカに手を差し伸べる。

「私と一緒に踊って欲しい」
「え」
「え、とはなんだ」

 折角の誘いをくじかれたとジャンルイジ大公は一瞬くちびるを尖らせた。

「いえ、私……ダンス下手ですよ」

 正直言えば、あまり踊った経験がなかった。

「それでもいい。さすがに大公夫妻が一曲も踊らないのは変に思われるだろう」
「足を踏んじゃうかもしれません」

 それこそ大公夫妻の恥になるのではないか。

「私はよけるのがうまいから問題ない」

 ルドヴィカはくすりと笑った。

「後で文句は受け付けませんよ」

 二人はダンスの輪へと入っていく。お互いを見合わせて、ルドヴィカは手をジャンルイジ大公の肩へと回し、ジャンルイジ大公はルドヴィカの背中を支えるように手を回した。
 ダンスのリズムに合わせて、足を動かす。
 あまり良い思い出がないパーティー会場で、ルドヴィカは少しだけ気分が晴れやかになった。
 ダンスがこれほど楽しいとは思わなかった。

 ジャンルイジ大公の腕前のおかげであろう。
 彼はルドヴィカをうまくリードしてくれて、踊りやすかった。
 過去に必死に学んだ足とりが自然と思い出される。

 一曲終わった後に端の方で飲み物を飲みながら休憩した。
 ルドヴィカは少し息を切らしていたが、ジャンルイジ大公は特にその様子はない。
 5年前から本当に成長したのだなと何度目かのしんみりをルドヴィカは感じた。

「随分うまいのですね」
「フランたちに鍛えられたからな」

 げっそりとした表情でジャンルイジ大公は呟いた。
 この場で別の女の名を言っているのは普通はもやつくであろうが、相手がフランチェスカなのでまぁいいやとルドヴィカは感じた。

「あいつは、途中からダンスというより格闘技になってしまって苦労した」
「見てみたいですね」
「二度とごめんだ」

 ルドヴィカはくすりと笑った。

「ジジのおかげで楽しいダンスでした」
「またしてみるか」
「いえ、もう体力が……」

 この日の為にダンスの練習をすべきだったが、執務に追われていて時間がとれなかった。

「ビアンカ公女の誕生日……パーティーを開こうと思っている」

 そういえば、そろそろビアンカ公女も13歳。デビュタントの時期であろう。
 可能であれば、帝都でデビュタントを迎えた方がいいが何が起きるかわからないので大公領で迎えさせる予定であった。

「そこでまた踊ろう」
「はい。でもビアンカ公女のエスコートをされるから彼女の次ですね」
「いや、ビアンカのエスコートは既に決まってある。だから私はお前のエスコートをする」

 ジャンルイジ大公の言葉にルドヴィカは驚いた。
 彼女のエスコートを誰がするのだろうか。公女派閥の騎士と思われるが、良い印象を持てる騎士が思い出せない。投獄された件もあったからだろうが、ジャンルイジ大公が許した相手なら良いのだろう。

「知らないのか……」

 ジャンルイジ大公はじっとルドヴィカを見つめた。

「え、何なに」
「オリンドだ」

 予想外の名にルドヴィカは驚いた。

「オリンド、でもオリンドは」

 ルドヴィカの従僕であるが、彼には継ぐ爵位もない。
 エスコートは荷が重たいのではないか。

「あいつの実家の男爵位を復活させる予定だ。詳しい話は大公領へ帰った後だ」

 帰宅まで待てない。ルドヴィカは心の底から驚いてしまった。
 いつの間に二人はそんな関係になったのだ。
 思い出せない。
 どうして言ってくれたのだ。二人とも水臭い。
 ルドヴィカは拗ねてジュースを飲みほした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

そのご寵愛、理由が分かりません

秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。 幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに—— 「君との婚約はなかったことに」 卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り! え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー! 領地に帰ってスローライフしよう! そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて—— 「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」 ……は??? お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!? 刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり—— 気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。 でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……? 夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー! 理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。 ※毎朝6時、夕方18時更新! ※他のサイトにも掲載しています。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

ツンデレ王子とヤンデレ執事 (旧 安息を求めた婚約破棄(連載版))

あみにあ
恋愛
公爵家の長女として生まれたシャーロット。 学ぶことが好きで、気が付けば皆の手本となる令嬢へ成長した。 だけど突然妹であるシンシアに嫌われ、そしてなぜか自分を嫌っている第一王子マーティンとの婚約が決まってしまった。 窮屈で居心地の悪い世界で、これが自分のあるべき姿だと言い聞かせるレールにそった人生を歩んでいく。 そんなときある夜会で騎士と出会った。 その騎士との出会いに、新たな想いが芽生え始めるが、彼女に選択できる自由はない。 そして思い悩んだ末、シャーロットが導きだした答えとは……。 表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_) ※以前、短編にて投稿しておりました「安息を求めた婚約破棄」の連載版となります。短編を読んでいない方にもわかるようになっておりますので、ご安心下さい。 結末は短編と違いがございますので、最後まで楽しんで頂ければ幸いです。 ※毎日更新、全3部構成 全81話。(2020年3月7日21時完結)  ★おまけ投稿中★ ※小説家になろう様でも掲載しております。

「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。  しかも、定番の悪役令嬢。 いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。  ですから婚約者の王子様。 私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。

処理中です...