81 / 94
78 ロヴェリア公爵夫人
しおりを挟む
祝賀会は適当なところで帰る予定であったが、ジャンルイジ大公に声をかけたがる貴族が次から次へと現れてきた。
中には大事な内容も含まれており、ルドヴィカはしばらく席を外すこととした。
「薔薇の庭園で休んでいます」
そこなら静かに過ごせるだろう。会場は段々熱気に包まれておりむしろ暑いと感じていた。
「外にガヴァス卿が待機してある。一緒に行動をするように」
仮にもアンジェロ大公家を陥れようとした者らの本拠地である。ルドヴィカは仕方ないと頷き、外で待機しているガヴァス卿に声をかけた。
宮殿はところどころ雰囲気が変わった。
だが、この薔薇の庭園は変わらなかった。
ルドヴィカは宮殿の図書館から借りた本をここで読んで過ごすことが多かった。
本当に懐かしい。
「ルドヴィカ」
後ろから声をかけられてルドヴィカはふり向いた。
ロヴェリア公爵夫人であった。ルドヴィカは母である彼女を夫人と呼び微笑んだ。
「あなた、その衣装は何なのよ」
突然のいちゃもんにルドヴィカは眉をひそめた。
「このお祝いの場でワインレッドなんて悪目立ちする色を身に着けるなんて。ここは皇帝家が主催したパーティーよ」
「失礼ながら、夫人。この色はアンジェロ大公家のシンボルカラーであり、公的な参加の時に身に着けるものです」
戦争がはじまってから十年以上、アンジェロ大公家が帝都の公的なパーティーに参加していなかったとしても母の世代であればわかることだ。
「それでもあなたには相応しい色ではないわ」
「どうしてです?」
ルドヴィカは首を傾げた。何故と聞いても特に理由は出てこない。自分で考えろという雰囲気にルドヴィカはため息をついた。
こんな女性の顔色を伺っていたと思うと悲しくなる。
「夫人も少し考えたらよろしいでしょう」
「なっ……」
「私の今の名と立場を言ってみてください」
「そんなの。ルドヴィカ・ロヴェリアでしょう」
まだこの女性の中では5年前のルドヴィカのままなのか。確かにあれから特別手紙のやり取りをしていたわけではない。イメージが止まってしまったのも仕方ないだろう。
「私は、5年前からルドヴィカ・アンジェロ大公妃となりました。上位貴族の夫人ともあろう方がそのような考えでは困ります」
「なっ……ルドヴィカ!」
「夫人がおっしゃっていた私には相応しくない色と仰いましたが、それではこれはアンジェロ大公殿下に言っても良いでしょうか。このドレスの色、デザインを選び用意したのは殿下ですから、あなたの仰られたことが本当であれば今後恥にならないように言わなければいけません」
夫の身分を笠に着る行為は良いことではないが、これ以上ロヴェリア夫人のいちゃもんに付き合う気力はない。
「何て、傲慢な」
ロヴェリア夫人はルドヴィカに対して手を振り上げた。
冷たい空気の中、張り詰めた音が響いた。
彼女がルドヴィカの頬に平手打ちしたのである。
何と無礼なとガヴァス卿は前へ出ようとしたが、ルドヴィカが制する。
「大公妃になったからといって偉そうにして……アリアンヌのおかげでその地位につけたというのに」
恨みがましい言葉を言うが、アリアンヌがいなければルドヴィカは皇后になっていた。
仮初の皇后のような扱いであったので、それを思えば今の方がずっと良くアリアンヌには感謝すべきなのかもしれない。
「もし、私のドレスの選択、私のありようにご不満であればそれはご自身に問い詰めたら如何でしょう。あなたは私の教育に一切関与しませんでした。デビュタントのドレス選びも、レッスンも全て使用人と家庭教師任せです。あなたはいつでも妹の方しか見ていませんでした」
「うるさいわ!」
「今更私に不満など……前の通り見なければ良いだけでしょう」
「何よ。あなたのせいで私は苦しんだのよ。あなたのせいで!」
ロヴェリア公爵夫人は金切り声で叫んだ。
「あなたが生まれた時私は夫から、義母から何といわれか。鼠色の髪の子を産んだ中途半端な嫁と蔑まれて……どれだけ私が苦しんだというの! あれから私がどれだけ努力して夫の気を向けさせ、アリアンヌを産んだかわかっているの!」
ようやく母の本心が出て来た。場所がこの宮殿内であるのはどうかと思うが。
「この醜い鼠色の髪のせいで私がどれだけ、どれだけ!」
「私が好きでこの髪で生まれた訳ではありません」
ルドヴィカはぎろっと公爵夫人を睨んだ。
「この帝都で、この髪で私は受けなくても良い侮辱を受け続けていました。父、母も私を庇うことなく、私を放置して……婚約者にも侮辱され、この髪は好きではありませんでした」
ルドヴィカはひとつ息を吸い込み吐き出した。
「この髪を気にすることのない大公領へ行けて、私は幸せです」
にこりと微笑んだルドヴィカの笑顔は月日に照らされてかげりのあるものとなった。
それが儚く美しいものに映り、今まで蔑んでいたロヴェリア公爵夫人ですら思わず目を奪われてしまう。
「私はようやく決心しました。今の私に何が大事か……私を蔑み続ける公爵夫人の娘ではなくこれからは私を認めてくださり方の妻としてありたい。今後、ロヴェリア公爵家とは縁を切ります。勿論大公殿下からも了承を頂いております。あなたもその方がよろしいでしょう」
絶縁宣言である。
これから自分はロヴェリア公爵家とは関係ない。目の前の女性は母親ではないのだと宣言した。
「あなた、何を言っているの。そんなこと認められるわけが」
「なら、裁判を起こしますか。それこそ公爵家の恥になりそうですが」
なおも色々言い張る公爵夫人にルドヴィカはどうやって追い出そうと考えた。
ジャンルイジ大公が来るのを待った方がいいのだろうか。
がさ。
垣根の方で何かが動く気配がして、ロヴェリア公爵夫人は捨て台詞を吐いてそそくさと立ち去ってくれた。
誰かに見られてしまったのだろう。
別にルドヴィカにはどうでもいいことであるが。
「あの」
垣根の方から聞こえる声は予想より幼い声であった。
てっきり祝賀会に参加している令嬢か、紳士だろうと思っていた。
垣根から現れた存在にルドヴィカは目を丸くした。
月の光に照らされた薔薇の庭園で、自分と同じ鼠色の髪の幼女がそこにいたのである。
寝間着ドレスに、ガウンを羽織った幼い少女。
自分と同じ赤い瞳が、ルビーのように輝いていた。
中には大事な内容も含まれており、ルドヴィカはしばらく席を外すこととした。
「薔薇の庭園で休んでいます」
そこなら静かに過ごせるだろう。会場は段々熱気に包まれておりむしろ暑いと感じていた。
「外にガヴァス卿が待機してある。一緒に行動をするように」
仮にもアンジェロ大公家を陥れようとした者らの本拠地である。ルドヴィカは仕方ないと頷き、外で待機しているガヴァス卿に声をかけた。
宮殿はところどころ雰囲気が変わった。
だが、この薔薇の庭園は変わらなかった。
ルドヴィカは宮殿の図書館から借りた本をここで読んで過ごすことが多かった。
本当に懐かしい。
「ルドヴィカ」
後ろから声をかけられてルドヴィカはふり向いた。
ロヴェリア公爵夫人であった。ルドヴィカは母である彼女を夫人と呼び微笑んだ。
「あなた、その衣装は何なのよ」
突然のいちゃもんにルドヴィカは眉をひそめた。
「このお祝いの場でワインレッドなんて悪目立ちする色を身に着けるなんて。ここは皇帝家が主催したパーティーよ」
「失礼ながら、夫人。この色はアンジェロ大公家のシンボルカラーであり、公的な参加の時に身に着けるものです」
戦争がはじまってから十年以上、アンジェロ大公家が帝都の公的なパーティーに参加していなかったとしても母の世代であればわかることだ。
「それでもあなたには相応しい色ではないわ」
「どうしてです?」
ルドヴィカは首を傾げた。何故と聞いても特に理由は出てこない。自分で考えろという雰囲気にルドヴィカはため息をついた。
こんな女性の顔色を伺っていたと思うと悲しくなる。
「夫人も少し考えたらよろしいでしょう」
「なっ……」
「私の今の名と立場を言ってみてください」
「そんなの。ルドヴィカ・ロヴェリアでしょう」
まだこの女性の中では5年前のルドヴィカのままなのか。確かにあれから特別手紙のやり取りをしていたわけではない。イメージが止まってしまったのも仕方ないだろう。
「私は、5年前からルドヴィカ・アンジェロ大公妃となりました。上位貴族の夫人ともあろう方がそのような考えでは困ります」
「なっ……ルドヴィカ!」
「夫人がおっしゃっていた私には相応しくない色と仰いましたが、それではこれはアンジェロ大公殿下に言っても良いでしょうか。このドレスの色、デザインを選び用意したのは殿下ですから、あなたの仰られたことが本当であれば今後恥にならないように言わなければいけません」
夫の身分を笠に着る行為は良いことではないが、これ以上ロヴェリア夫人のいちゃもんに付き合う気力はない。
「何て、傲慢な」
ロヴェリア夫人はルドヴィカに対して手を振り上げた。
冷たい空気の中、張り詰めた音が響いた。
彼女がルドヴィカの頬に平手打ちしたのである。
何と無礼なとガヴァス卿は前へ出ようとしたが、ルドヴィカが制する。
「大公妃になったからといって偉そうにして……アリアンヌのおかげでその地位につけたというのに」
恨みがましい言葉を言うが、アリアンヌがいなければルドヴィカは皇后になっていた。
仮初の皇后のような扱いであったので、それを思えば今の方がずっと良くアリアンヌには感謝すべきなのかもしれない。
「もし、私のドレスの選択、私のありようにご不満であればそれはご自身に問い詰めたら如何でしょう。あなたは私の教育に一切関与しませんでした。デビュタントのドレス選びも、レッスンも全て使用人と家庭教師任せです。あなたはいつでも妹の方しか見ていませんでした」
「うるさいわ!」
「今更私に不満など……前の通り見なければ良いだけでしょう」
「何よ。あなたのせいで私は苦しんだのよ。あなたのせいで!」
ロヴェリア公爵夫人は金切り声で叫んだ。
「あなたが生まれた時私は夫から、義母から何といわれか。鼠色の髪の子を産んだ中途半端な嫁と蔑まれて……どれだけ私が苦しんだというの! あれから私がどれだけ努力して夫の気を向けさせ、アリアンヌを産んだかわかっているの!」
ようやく母の本心が出て来た。場所がこの宮殿内であるのはどうかと思うが。
「この醜い鼠色の髪のせいで私がどれだけ、どれだけ!」
「私が好きでこの髪で生まれた訳ではありません」
ルドヴィカはぎろっと公爵夫人を睨んだ。
「この帝都で、この髪で私は受けなくても良い侮辱を受け続けていました。父、母も私を庇うことなく、私を放置して……婚約者にも侮辱され、この髪は好きではありませんでした」
ルドヴィカはひとつ息を吸い込み吐き出した。
「この髪を気にすることのない大公領へ行けて、私は幸せです」
にこりと微笑んだルドヴィカの笑顔は月日に照らされてかげりのあるものとなった。
それが儚く美しいものに映り、今まで蔑んでいたロヴェリア公爵夫人ですら思わず目を奪われてしまう。
「私はようやく決心しました。今の私に何が大事か……私を蔑み続ける公爵夫人の娘ではなくこれからは私を認めてくださり方の妻としてありたい。今後、ロヴェリア公爵家とは縁を切ります。勿論大公殿下からも了承を頂いております。あなたもその方がよろしいでしょう」
絶縁宣言である。
これから自分はロヴェリア公爵家とは関係ない。目の前の女性は母親ではないのだと宣言した。
「あなた、何を言っているの。そんなこと認められるわけが」
「なら、裁判を起こしますか。それこそ公爵家の恥になりそうですが」
なおも色々言い張る公爵夫人にルドヴィカはどうやって追い出そうと考えた。
ジャンルイジ大公が来るのを待った方がいいのだろうか。
がさ。
垣根の方で何かが動く気配がして、ロヴェリア公爵夫人は捨て台詞を吐いてそそくさと立ち去ってくれた。
誰かに見られてしまったのだろう。
別にルドヴィカにはどうでもいいことであるが。
「あの」
垣根の方から聞こえる声は予想より幼い声であった。
てっきり祝賀会に参加している令嬢か、紳士だろうと思っていた。
垣根から現れた存在にルドヴィカは目を丸くした。
月の光に照らされた薔薇の庭園で、自分と同じ鼠色の髪の幼女がそこにいたのである。
寝間着ドレスに、ガウンを羽織った幼い少女。
自分と同じ赤い瞳が、ルビーのように輝いていた。
0
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
【完結】悪役令嬢の妹に転生しちゃったけど推しはお姉様だから全力で断罪破滅から守らせていただきます!
くま
恋愛
え?死ぬ間際に前世の記憶が戻った、マリア。
ここは前世でハマった乙女ゲームの世界だった。
マリアが一番好きなキャラクターは悪役令嬢のマリエ!
悪役令嬢マリエの妹として転生したマリアは、姉マリエを守ろうと空回り。王子や執事、騎士などはマリアにアプローチするものの、まったく鈍感でアホな主人公に周りは振り回されるばかり。
少しずつ成長をしていくなか、残念ヒロインちゃんが現る!!
ほんの少しシリアスもある!かもです。
気ままに書いてますので誤字脱字ありましたら、すいませんっ。
月に一回、二回ほどゆっくりペースで更新です(*≧∀≦*)
悪役令嬢発溺愛幼女着
みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」
わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。
響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。
わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。
冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。
どうして。
誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる