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15、相談
しおりを挟む「…申し訳ございません、もう一度宜しいですか。」
「だから、僕が触れるとラルの耳が真っ赤に染まるんだよ。人間の身体の事は良く分からないけど、病気じゃないかと思って。」
真夜中に魔の国に戻った僕は、イザードを呼び出しかねてから気になっていたラルの耳について相談した。
しかし何故かイザードは何度も僕に同じ事を確認し、そのまま手の平を目元に当て深く息を吐く。
「何?そんなにマズイ病気なの?」
「まぁ、マズイと言えばマズイのですが…。」
どこか不機嫌そうな顔で考え込むイザードに、僕は苛々した。
「何?ハッキリ言ってよ。」
「その…こんな事を口にするのは大変遺憾なのですが、その神官はレヴィウス殿下をお慕いしているのではないでしょうか。」
「は?」
思わぬ言葉に僕は眉を寄せる。
だってラルにそんな素振りは微塵も無い。
それに、赤くなるのは耳だけなのだ。
「僕の事が好きって事?…無い無い。だって、ラルはいつも僕には塩対応だし。それに好きなら顔も赤くなるんじゃないの?」
僕が好きだと近寄ろうとする他の奴らを例に上げれば、イザードは目を釣り上げ「その無礼者たちは血祭りに上げましょう。」と血気づく。
「あいつらの事はどうでもいいんだよ。今はラルの事が知りたいんだ。」
「…好きだからと言って必ずしも顔が赤くなる訳ではないと思います。本人では無いので断言は出来ませんが。」
「ふーん…。」
病気じゃなくて、僕が好きだからかもしれないのか…。
そこで僕は考える。
もしラルに好きだと言われたら、僕はどんな気持ちになるだろう。
今はどちらかと言えば育ての親としての親愛が強いが、僕だってラルが好きだから側に居る訳で、そんな人間に面と向かって好きだと言って貰えるならきっと物凄く嬉しい筈だ。
それがいつも冷たい態度を取られている相手なら尚更。
「…それが本当なら、本人の口から直接聞きたい。」
「え。」
僕はサッと立ち上がると、すぐにラルの元へと帰ろうとする。
しかしイザードが僕を慌てて引き留めた。
「そ、それは時期尚早では!?あの神官はかなり捻くれておりますし、もし殿下の事を慕っていたとしても素直に申し上げるとは思えません!それで殿下が傷付かれでもしたら…」
「えぇ?大丈夫だよ。好きなら好きって言うでしょ。否定するなら嫌われてるって事だと思うけど。」
「殿下の思われている以上に、感情とは複雑なものなのです!」
イザードはそう言うが、どちらかと言えば直情径行型の僕はなかなかその言葉が理解出来ない。
暫くうんうん悩んだ後、とりあえず「やっぱり本人に聞くのは止める。」と口にすれば、イザードはホッとしたように肩をおろした。
「それが良いと思います。いくら親しくともむやみに触れない方が良い事も御座いますからね。」
「難しいな。」
その時は大人しく引き下がったが、次の日の夜、仕事が片付いてソファーで一息付いているラルを前に、僕はイザードの助言を無視し早速行動を起こした。
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