異世界に転生!? だけどお気楽に暮らします。

辰巳 蓮

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6歳 女神様からの呼び出し

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『至急女神像まで来い』

6歳になったある日のこと夢の中にライラフィリア様が現れた。

それが「至急女神像まで来い」だった。
まるで電報だよ。

僕は慌ててエマお母さんに聞きに行った。
「ねえ、お母さん。教会に行ってみたい」
「どうしたの?急に!なんでそんなところに行ってみたいの?」

まあ、6歳の子供が教会に行きたいって変だよな。

「女神様の像を見てみたいの」
「また変な物を見たいのね。まあいいわ、今日一緒に買い物の時にでも行きましょう」

普段休みらしい休みが無いのでちょっとしたわがままは聞いてもらえる。


ところで、ここでは7歳になると教会に行って拝礼式とゆうのが行われる。
15歳で成人となるのでその半分でお祝いをするのと
市民としての登録をするらしい。

7歳になった、報告、感謝、成長祈願と加護を祈るのが慣わしである。
幼児の死亡率が高いのも関係してるんだろうな。
で、その拝礼式では魔法適正を教えてくれる。
まあ、加護は授かると教会側は言っているらしいが
拝礼式以前に魔法を使えるようになる子供も多くいる。
毎日、父さんの手伝いをしていたエバンス兄ちゃんは火魔法を覚えていた。
デニスさんは、親の系統と言っていたけれど、5年以上毎日料理を作ってるところを見てるわけだから
当然覚えるよね。


そしてニーナお姉ちゃんは、光魔法を授かっておりました。
拝礼式では先天的で気付かなかった魔法を教えてくれる。
火魔法や身体強化もワンチャン覚えてるかもとは思ったけどね。
ニーナお姉ちゃんは、調理中に厨房には入らないからチラ見はしても
「ちゃんと見ること」には当てはまらなかったのかな。

でもうれしいことに、ニーナお姉ちゃんは今では、傷口の浄化と軽いヒールが使えてます。

毎日、家族や親しい常連さん相手に光魔法の練習をしております。

僕はそれを毎日見ております。

これで僕は、火魔法と光魔法のゲットも近い。
もしやこれは、ライラフィリア様のお気遣いだったのかも。

ありがたやありがたや。



ちなみにこのリーストンと言う街は港町のトリニスタンから王都へ繋がる東西の街道の宿場として発展した。

街が東西に長いのはそのためで、街の真ん中に大きな中央公園があった。
直径が100mほどはある大きな公園だ。その公園の周りはロータリー交差点となっており
そのおよそ80mづつ外にも大通りが円を描くように幾重にも円を描いたように通りがあり
公園の東西南北にも大通りがある。

うちは東地区5丁目なので
東通りを真っ直ぐ外環道4つ目と5つ目の間にある。

教会は公園ロータリーの南側にあった。

公園の南側は代官邸や騎士団施設や他領の貴族が宿泊できる施設等があり
ちょっと立ち入れにくい場所になっている。

教会は、白っぽい石造りの立派な建物で、幅10mくらい踏み面が1mくらいの階段が10段ほどあり
両脇にはスロープと手すりがある。
階段を上った先は広いスペースがあり
高さ3mもあるような物凄く大きな観音扉が右側だけ半開きになっていた。
これは、「ご自由にどうぞ」ということらしい。

中に入ると空気がヒンヤリとした気がする。

両脇には長椅子が並んでいて、日本の教会でも見たことがあるような感じだ。

違うのは、正面には数体の神様の像が並んでいた。

「さあ、どの神様が見たいの?待ってるから見てきなさい」
母さんは入口すぐの長椅子に腰かけた。
「お母さんありがとう」

僕は真ん中の女神像の前まで行って両手を合わせて拝んだ。

「違う違う、そこは光の女神よ。私は左側よ」
ライラフィリア様の声が聞こえた。

「えっ、こっちですか?」
「そうよ。教会は光の女神を真ん中に置いてるのよ」

僕は左側に移動して拝み直した。
ちなみに、右側は男神像だ。

その瞬間目の前にライラフィリア様が現れた。

「出てきて大丈夫なんですか?」
「時間を止めてあるから大丈夫よ」

後ろを振り返るとエマ母さんはあくびをしたまま静止している。

「なかなか来れずにごめんなさい。これをどうぞ。焼き芋ですけど」
僕は紙包みを差し出した。
「ありがとう。受け取ります」

焼き芋といっても皮は紫いろではない。
まっ黄色で、中身も黄色だ。味はサツマイモです。

「突然のお呼び出し、何かあったのでしょうか?」
「ナッキート、あなたにお小言を言いたくてね」

「僕が何かしましたか?」

「3歳になったら本が読めるようにしたのは
 自己解析を覚えるのが8歳を過ぎてからになるようにだったのですよ。
 私の予定よりもかなり早いですね。
 それとですね、あなたは火魔法ももうすぐ覚えますね。
 これも私の予定よりも早いですね。
 もう少し自重したほうがいいわよ。他はあまり急がないようにお願いしますよ。
 分かりましたね」

「はい、わかりました」

「お小言の他に、今日呼んだのは、約束してた妖精のことです」

「はい?あ、決まったのですか?」

「いえ、契約を結ぶということは、双方に負担がかかります。
 それで、あなたの現在の状態を直接診に来ました」
 
そう言うと右手の手のひらを僕の目の前にだした。

「魔力量もかなり多いですね。妖精が見えるようにマナ神経をいじりました」

「僕は、妖精が見えるようになったのですか?」
「はい、見えるようになりました」
「ありがとうございます」

「それと、妖精も決めましょう。
 アリエスあの子でも大丈夫でしょう」
「あの子って、1番の子ですよね・・・はい、分かりました」

なんだろう、嫌な予感がする。


「ナッキート、後でアリエスから連絡が行きますから、それまで待っていなさいね」

「はい、分かりました」

 
「ところでナッキート、たまには会いにきなさいね。報告はアリエスから聞いておりますけれど」
「分かりました。ありがとうございます。」

「では、また」

「ありがとうございました」

ライラフィリア様の姿が消えた。

後ろを振り返るとお母さんはさっきと同じく、あくびをしたままのポーズで座っていた。

本当に時間は止まっていたようだ。

やばい、ということは、ここに来てまだ数秒しか経ってない。
わがまま言って連れてきてもらったのに数秒じゃあまりにも変だ。
それらしく時間を稼ごう。
僕は中央の光の女神像とライラフィリア像を見比べることにした。

光の女神の名前はエイリーアティラ様と書いてある。

その向こうは男神像も見てみた。
名前はイーサンルーテル様とある。
大地の神ということだ。たぶん。

あれ?僕 文字を教わってないよな。うちのお店ではメニューが張ってあるから
普通に読んでいたけれど、教わってない文字まで読めちゃ明らかにおかしい。
お兄ちゃんたちはどうやって覚えたんだっけ?

この国では7歳になると拝礼式があると書いたけど、
拝礼式は毎月30日にやっていて誕生月にいくようだ。

拝礼式が終わると
4月から9月に拝礼式を終えた人は10月に
10月から翌3月に終えた人は4月に
公立の学校に入学できる。

ちなみに学校は中央公園の南西側にある。
そこの学校でこの街の子供たちは全員入学するのでかなりのマンモス校だそうだ。
7歳から10歳までの3年間で、いわゆる国語、算数、地理、歴史、自然科学を学ぶ。
4つ上のエバンス兄ちゃんは卒業したけれど
3つ上のニーナお姉ちゃんはまだ通っている。
ニーナお姉ちゃんと入れ替わりで、来年の4月から僕も通うことになるだろう。
でも、読み書きと簡単な計算は(小1程度)家でやってきてくださいと言われてたと記憶している。
そうだ、普段定食のメニューを読んでいたけど、読めるのはメニューだけだったエバンス兄ちゃんは、
拝礼式のあとに気が付いて大慌てだったのを思い出した。
なので、ニーナお姉ちゃんは同時期に一緒に教わっていた。
まだ、1年以上あるけれど読み書きと簡単な足し算くらいは教わっておかないといけない。
だって、僕は、知らない体でいなければならない。

僕は走ってお母さんのところに戻った。

「ねえ、お母さん、僕、字を覚えたい」
「あら、どうしたの急に」

「僕、字を習ってなかったって気が付いた」
「そうねえ、来年入学ですものねえ。早い分には良いものね。
 じゃあ、帰りに書き取りノートを買いに行きましょう」



とゆうわけで、僕は書き取りの練習を始めたわけですが、
実は読めてはいたけど、書けるのは半分くらいだった。
自分でも意外でした。
それはそれで良かったのですけれどね。

一方算数は普段使っていたアラビア数字に酷似しておりこれは全く問題にならなかった。

いや、問題はあったんだけど。
2桁の足し算を暗算で解いているところをエバンス兄ちゃんに見られた。

エバンス兄ちゃんは普通に、
「すげえーな」
と褒めただけだったが、
それを聞いた、ニーナお姉ちゃんは大きく騒いだ。

「じゅあ、これ分かる?チャッチャと答えて」

と数問、足し算と引き算の問題を出したが
全て正解を出してしまった。

向きになった姉が出した問題を解いてしまった。

18×2=36

これは、掛け算を習ってない僕が「20」と書いて
間違えるというひっかけ問題だったのだ。

「えええええー!!」

ニーナお姉ちゃんが叫んだ!

「なんで、分かったのよ!」

「え・・・この記号は2つあるって意味でしょう。前にお兄ちゃんもお姉ちゃんも言ってたよね
 だから18+18で36でしょ」

「あんた天才?じゃこれは」

ニーナお姉ちゃんが出した問題をわざと間違えることにした。

「なーんだ、やっぱりできないじゃん。さっきのはたまたまね」
と姉は満足気に出ていった。

よかった、もう、計算問題はやらなくていいや。



そんな日々を過ごしてたある日、アリエスさんから連絡があった。

寝ようと布団に入った時だった。
「裏口を出て右側へ少し行ったところの左の畑の奥にデカい樹が1本あるでしょう。
 明日の10時頃そこに来なさい。約束の者がいるわ」

と、一方的に告げて居なくなってしまった。


次の日
ーーー 今は、ニーナお姉ちゃんの代わりに僕が給仕をしている。
この時間はニーナお姉ちゃんは学校だからだ。
それが終わると夕べ言われた通りに裏口を出た。
 
裏通りを右側に行くと少し先に左側が畑になる。
その手前の小径に行くと大きな樹が見える。
横に大きく枝葉を張って絵に描いたような立派な樹だ。

しばらく歩いてその樹の下までやってきた。

「おーい、ナッキートってのはお前か?」

上の方で声がする。
上を見ると蔦に巻かれた手のひらサイズの妖精がいた。

耳が尖っていて
目はドングリ眼
鼻は大豆のような
水色の服を着た羽も無い少年のようだ。

「僕がナッキーだけど、君がアリエス様が言っていた妖精さんかい?」

「ああそうだ。君と侍従契約しないと俺は自由になれないんだ」

なんだか僕は、孫悟空を見つけた三蔵法師みたいだな。

「どうすればいいのですか?」

その時、僕のすぐ後ろからアリエスさんの声がした。

「主になるあなたから契約魔法をかけます。
 契約魔法は私が補助しますので、心配ありません。
 あの子の名前はテオと言います」
 

「アリエスさん、ちょっといいですか?」

「はい何でしょうか?」

「すみません、チョット内緒で聞きたいことがあるんですが?」

【心の中で話してみてください。なんでしょう?】

【聞こえますか?】

【はい何でしょう】

【彼は何かしたのでしょうか?】

【百年ほど前、他の国の王都でいたずらばかりをしていました。
 いたずらが原因で革命を企んでた第二王子が失脚しました。
 そのため、第二王子の派閥ごと粛清されました。
 頼まれてもいない、いたずらが原因で人間の政に影響を及ぼしたので
 罰として、森に閉じ込められておりました。
 それが今回ナッキートと契約をすることで特別に森から出ることを許されました】

【大丈夫なのでしょうか?】
閉じ込められてたってことは、幽閉されてたのかな?

【いいえ、ものすごく広い森の中では自由に暮らせてましたよ。
 ただ、人里に行けないだけです。
 妖精は元々いたずら好きですし、いたずらを利用したのは人の王です。
 ただ、粛清により少なくない人が死んだので、罰は必要だっただけです。
 契約を結べば、名前を3回呼ぶことで、なにをしててもナッキートの前に召喚されます。
 何をしててもです】

【分かりました】



「おい、何コソコソしてるんだよ。早くしてくれよ」

「ごめんね。久しぶりに会ったから色々お話がね」


「では、始めましょう。ナッキート
 ”ライラフィリア様の御名においてナッキートはテオと侍従関係を結ぶ”
 と唱えて、あなたの魔法で水をかけてください。
 すると、蔦は切れて彼は自由になるでしょう。
 それを以って契約成立です」

僕は言われた通りに実行した。

「ライラフィリア様の御名において、ナッキートはテオと侍従関係を結ぶ」

そして妖精テオの上に水を出した。
キラキラっと虹のような光が舞う。
バチャっと水がかかるとテオを巻き付けてた蔦がほどけた。

ヨーヨーのようにクルクル回りながらテオが落ちてきた。
「うわあああ・・・・!」

僕は両手の手のひらを前に出して突っ込むようにして、テオをキャッチした。
僕の手のひらの上で、クルクルと目を回していた。


「あの、妖精さんって何を食べるんですか?」
「基本食べなくても大丈夫ですよ。でも、普通に食べることもできますよ」
「俺にだって好き嫌いはあるぞ」
あっ、回復したようだ。

「テオ君よろしくね」
「ああ、まあな」
「ナッキート、この子が悪い事をしたらちゃんと叱ってくださいね。
 それと、3回名前を呼べばナッキートの前に召喚できます。
 手に負えなかったら私を呼んでください。テオも、分かりましたね。
 仲良くするんですよ。
 それでは、私は戻ります」

「アリエスさん、ありがとうございました」



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