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三週目~四週目
35話 週末のお誘い
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「観澤さん。今週末予定ある?」
「へ?」
月曜日の残業タイムのときに、うしろから北窪さんにコソっと耳打ちをされた。私は振り返り、首を傾げた。
「ないですけど…。どうかしましたか?」
「どこか行かない?」
それを聞き私はかたまった。休日に外出…絶対いやです。
「えっとぉ…」
言葉を濁していると、北窪さんがにっこり笑った。
「おいしいケーキ屋さんとか、チョコレート専門店とか、夜には白ワインがおいしいバルに行こうかなと思ってたんだけど」
「うっ!?」
甘いものと白ワインのわがままセットはずるいぞ…!一瞬にして私の心がぐらぐらに揺らいだ。
「あと、デパ地下も行こうよ。篠崎さんに聞いたよ。ファンデーションを使い切ってしまって今はコンビニで買ったものを使ってるって。早く買わなきゃいけないけど都会に出るのがいやでなかなか行けてないって」
おい篠崎ぃぃぃ…。私との会話録音して音源を北窪さんにでも売ってるのか!?なんでこんな誰得な情報まで喋ってんの!?
「観澤さん、休日は家でまったり過ごすのが好きなんだよね。この際行きたいところにまとめて行けばいいよ。車も出すし」
「え…そ、そんなのに付き合わせちゃっていいんですかね…。北窪さん、きっと楽しくないですよ…?」
「楽しいよ。観澤さんが食べてるところ見るの好きだし」
「いやあ…車まで出してもらうなんて悪いな…」
「俺が電車移動いやなだけだから。ってことで…週末、付き合ってくれる?」
正直に言うと、北窪さんが私に好意を持ってくれてるのは分かってる。これはデートのお誘いだ。出不精って噂の私をなんとかデートに誘おうと、私の好きなものを入念に調べてくれたんだろう。それが私は純粋に…嬉しかった。
「…分かりました。じゃあ、土曜日でいいですか?」
「俺は大丈夫」
「じゃあ、10時ごろに北窪さんちの最寄り駅まで行きますね」
「なに言ってるの、観澤さん」
「え?」
「当然迎えに行くよ。じゃ、そういうことで。土曜日よろしく」
「いや、悪いですってぇ…」
「そういうところだよ、観澤さん」
◇◇◇
金曜の夜、入念に肌の手入れをしている私に綾目が声をかけた。
「明日、出かけるんだね。キタクボさんと」
「…心読まないでよ」
あやかしに隠し事はできない。話してなんていないのに、二人は当然のように明日のデートのことを知っていた。今週はずっと家の中の空気がチクチクしてしんどかったな…。何も言われないけど態度で分かる。二人はデートのことを良く思ってない。気持ちは分からなくもないけど…私は別に薄雪と恋人でもなんでもないんだから悪いことはしてなくない!?
「…花雫」
「なんですか、薄雪」
「明日、私もついて行ってもよいですか?」
「いいわけないでしょ?お父さんでもついてきませんよ!」
「大丈夫です。キタクボさんに私は見えませんよ」
「そういう問題じゃないです。私がいやなんです」
「…分かりました」
薄雪はそれ以上なにも言わなかった。ただ、その代わりにカスミソウが突然しおれてしまった。うぅう…どうしてこうも罪悪感に苛まれなきゃいけないんだあ…。
綾目は寝転がってじーっと私を見ている。唇をとがらせて、苛立ちからか足を揺らしていた。気まずくて目が合わせられない…。いや、だからなんで気まずいとか思わないといけないのよ。
「…花雫のばか」
「へ?」
月曜日の残業タイムのときに、うしろから北窪さんにコソっと耳打ちをされた。私は振り返り、首を傾げた。
「ないですけど…。どうかしましたか?」
「どこか行かない?」
それを聞き私はかたまった。休日に外出…絶対いやです。
「えっとぉ…」
言葉を濁していると、北窪さんがにっこり笑った。
「おいしいケーキ屋さんとか、チョコレート専門店とか、夜には白ワインがおいしいバルに行こうかなと思ってたんだけど」
「うっ!?」
甘いものと白ワインのわがままセットはずるいぞ…!一瞬にして私の心がぐらぐらに揺らいだ。
「あと、デパ地下も行こうよ。篠崎さんに聞いたよ。ファンデーションを使い切ってしまって今はコンビニで買ったものを使ってるって。早く買わなきゃいけないけど都会に出るのがいやでなかなか行けてないって」
おい篠崎ぃぃぃ…。私との会話録音して音源を北窪さんにでも売ってるのか!?なんでこんな誰得な情報まで喋ってんの!?
「観澤さん、休日は家でまったり過ごすのが好きなんだよね。この際行きたいところにまとめて行けばいいよ。車も出すし」
「え…そ、そんなのに付き合わせちゃっていいんですかね…。北窪さん、きっと楽しくないですよ…?」
「楽しいよ。観澤さんが食べてるところ見るの好きだし」
「いやあ…車まで出してもらうなんて悪いな…」
「俺が電車移動いやなだけだから。ってことで…週末、付き合ってくれる?」
正直に言うと、北窪さんが私に好意を持ってくれてるのは分かってる。これはデートのお誘いだ。出不精って噂の私をなんとかデートに誘おうと、私の好きなものを入念に調べてくれたんだろう。それが私は純粋に…嬉しかった。
「…分かりました。じゃあ、土曜日でいいですか?」
「俺は大丈夫」
「じゃあ、10時ごろに北窪さんちの最寄り駅まで行きますね」
「なに言ってるの、観澤さん」
「え?」
「当然迎えに行くよ。じゃ、そういうことで。土曜日よろしく」
「いや、悪いですってぇ…」
「そういうところだよ、観澤さん」
◇◇◇
金曜の夜、入念に肌の手入れをしている私に綾目が声をかけた。
「明日、出かけるんだね。キタクボさんと」
「…心読まないでよ」
あやかしに隠し事はできない。話してなんていないのに、二人は当然のように明日のデートのことを知っていた。今週はずっと家の中の空気がチクチクしてしんどかったな…。何も言われないけど態度で分かる。二人はデートのことを良く思ってない。気持ちは分からなくもないけど…私は別に薄雪と恋人でもなんでもないんだから悪いことはしてなくない!?
「…花雫」
「なんですか、薄雪」
「明日、私もついて行ってもよいですか?」
「いいわけないでしょ?お父さんでもついてきませんよ!」
「大丈夫です。キタクボさんに私は見えませんよ」
「そういう問題じゃないです。私がいやなんです」
「…分かりました」
薄雪はそれ以上なにも言わなかった。ただ、その代わりにカスミソウが突然しおれてしまった。うぅう…どうしてこうも罪悪感に苛まれなきゃいけないんだあ…。
綾目は寝転がってじーっと私を見ている。唇をとがらせて、苛立ちからか足を揺らしていた。気まずくて目が合わせられない…。いや、だからなんで気まずいとか思わないといけないのよ。
「…花雫のばか」
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