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3 上位貴族令嬢の秘密のお茶会
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学園の一角。
美味しくお茶を入れるのは貴族令嬢としての嗜み。
侍女さえ席を外させて、上位貴族の令嬢達はお茶会を楽しむ。
「ねえ、聞きました?」
「なにをですの?」
「この前中庭で婚約破棄がありましたのよ」
「まぁ、見たかったですわ」
「相変わらず、『婚約』の意味が分かっていない下位の令嬢を引き連れた、愚かな男性が自信たっぷりで」
「それでどうしましたの?」
「意味のわからない『浮気』の事実を高らかに述べていましたわ」
「それで、迎え撃った令嬢はどうしましたの?」
「あれでは『合格点』にはならないでしょうね」
「まぁ」
「淑女失格でしたの?」
「一通りお話を聞いた後、おもむろに手を振り上げ、男性の頬に振り下ろし手形がくっきりと」
「まぁ凄い」
「気の強い方ですのね」
「お近くに素敵な男性はいなかったのですか?」
「それが……お近くではなかったのですが、場所が中庭でしょう?」
「もしかして学舎から見ている人が多かったのかしら」
「ええ、それも騎士科の方が多かった様に見えましたわ」
「あらまぁ」
「では、もしかして誰かを狙って?」
「その可能性もあるかも、と思っておりますのよ」
くすくす楽しい笑い声で始終するお茶会では、色々予想を立て令嬢達を楽しませた。
後日、堅物の伯爵子息と婚約破棄された令嬢の噂が流れて来た。
予想の当たった令嬢は、次のお茶会をより良く楽しめるだろう。
美味しくお茶を入れるのは貴族令嬢としての嗜み。
侍女さえ席を外させて、上位貴族の令嬢達はお茶会を楽しむ。
「ねえ、聞きました?」
「なにをですの?」
「この前中庭で婚約破棄がありましたのよ」
「まぁ、見たかったですわ」
「相変わらず、『婚約』の意味が分かっていない下位の令嬢を引き連れた、愚かな男性が自信たっぷりで」
「それでどうしましたの?」
「意味のわからない『浮気』の事実を高らかに述べていましたわ」
「それで、迎え撃った令嬢はどうしましたの?」
「あれでは『合格点』にはならないでしょうね」
「まぁ」
「淑女失格でしたの?」
「一通りお話を聞いた後、おもむろに手を振り上げ、男性の頬に振り下ろし手形がくっきりと」
「まぁ凄い」
「気の強い方ですのね」
「お近くに素敵な男性はいなかったのですか?」
「それが……お近くではなかったのですが、場所が中庭でしょう?」
「もしかして学舎から見ている人が多かったのかしら」
「ええ、それも騎士科の方が多かった様に見えましたわ」
「あらまぁ」
「では、もしかして誰かを狙って?」
「その可能性もあるかも、と思っておりますのよ」
くすくす楽しい笑い声で始終するお茶会では、色々予想を立て令嬢達を楽しませた。
後日、堅物の伯爵子息と婚約破棄された令嬢の噂が流れて来た。
予想の当たった令嬢は、次のお茶会をより良く楽しめるだろう。
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