36 / 47
第35話 仲直り
しおりを挟む
見覚えのある茶封筒に、反射的に窓際を見る。
机に座って肘をつき、手の甲の上に顎を乗せたハシユカとバチッと目が合うと、楽しそうに奴は嗤った。
今度は、何の写真だ。また綾人と華那の写真なら、持ち物検査をされた時、ストーカーだと決め付けられてしまう。
だけどハシユカの笑みは、新しい玩具(おもちゃ)を見付けた赤ん坊みたいに、何処かキラキラとさえしてた。
これは、綾人と華那の写真じゃない。
直感的にそう思った。
二時限目の始まりのチャイムが鳴ったけど、まだ先生は来ない。
地理のお爺ちゃん先生は、いつもちょっと遅れてやってくる。
俺は思い切って、封を開けた。中には、たった一枚の写真が入ってた。
粒子の粗い、夜に高感度カメラで撮ったような写真。
綾人が俺の座席に手をかけて、車をバックさせてる写真だった。その瞬間、俺は発情期に浮かされて、間近の綾人の気配に惑ってた。
一枚の写真は、その俺の綾人を見詰める、確かに色を含んだ瞬間を捉(とら)えてる。
見ようによっては、キスする瞬間の写真のようにも見えた。
こんな写真が出回ったら、綾人が危ない。俺は写真を茶封筒に戻して、咄嗟にブレザーの中のワイシャツの胸ポケットに突っ込んだ。
二時限目の間中、左胸に収まった写真の下の心臓をドキドキさせて、俺はその危険性を綾人に知らせるべく、頭をフル稼働させていた。
* * *
二時限目を終えて、俺は目立たないように保健室に向かった。
例によって、一番奥のベッドには、シィが横になってた。
だけど眠ってはなかったようで、ドアの開く音に起き上がる。
保健の先生……ポニーとは、すっかり顔馴染みになっていた。身長が百四十センチでポニーテールだから、ポニー。
俺とシィが仲良いのも、知ってる。
「おはよう、四季くん。シィと喧嘩でもした?」
「え」
シィに襲われかけたのを、今更になって思い出す。綾人でいっぱいいっぱいだった。
「四季くん、謝りたいんだ」
「や……良いよ。お前のせいじゃないし」
「殴り合いでもしたの? 唇が切れてるわよ、四季くん」
「ああ、ちょっと」
「薬をつけてあげるわ。座って」
「はい」
曖昧な物言いをするけど、カウンセラーも兼ねているポニーは、詮索したりしない。
唇に、何か薬を塗り込まれた。苦い。綾人とのキスの味を思い出してしまう、ほろ苦さだった。
シィが恐る恐る訊いてくる。
「四季くん、怒ってる?」
「怒ってねぇよ。お前のせいじゃないから」
「じゃ、一緒に教室戻ろう?」
シィの瞳を窺うと、必死にドアを見て目配せしてた。ポニーが居る所じゃ、ちゃんと話せないもんな。
俺はその案に乗った。
「ああ。仲直りしようぜ」
そして俺とシィは、屋上へとやってきた。
不良なんて居ない小鳥遊学園だったから、屋上は俺たちだけの秘密の場所になっていた。
「四季くん、本当にごめんなさい。ぼく、四季くんが初めて出来た友達なんだ。親友だって、勝手に思ってる。それなのに、あんなことしちゃって、ごめんなさい」
繰り返し謝るシィの大きな瞳には、うるうると涙が溜まってた。
俺は思わず、シィの頭に掌をポンポンと乗せる。
「良いんだ。結果オーライだし、もしあのまま襲われてても、俺がΩだって隠してたのが悪いんだから」
「ぼく、絶対誰にも言わないよ!」
「サンキュ」
シィの必死さが伝わってきて、こないだまでの純粋だった自分を思い出し、懐かしく微笑んだ。
「それで、早速だけどシィ。また相談があるんだ」
「えっ。何? アーヤ?」
「元は、それなんだけどよ。ハシユカってクラスメイトが居て、付き合うのを断ったら、追い回されてるみたいなんだ。今日、俺がアーヤのストーカーだって、三年の間で噂になりまくってるらしい」
ブレザーの中に手を入れて、茶封筒を取り出す。
「これなんだけどよ」
封筒ごと渡すと、シィは中身を出して、アッと息を飲んだ。
「撮られちゃったの?」
「ああ。こんな写真が出回ったら、綾人がクビになる。綾人は婚約者とよろしくやってるみてぇだけど、一度惚れた相手だ、俺のせいでエリートから落ちて欲しくねぇ」
「四季くん……アーヤのこと、本当に好きなんだね」
他の奴に言われたら、馬鹿言うなって反発するところだけど、相手がシィだから、俺は素直に頷いた。
「自分でも、不思議なんだ。酷いこといっぱいされたけど、嫌いになんてなれねぇ……」
「じゃあ取り敢えず、この写真をどうにかしなくちゃね。何処に捨てても、この写真がある限り、アーヤと四季くんの身が危ないよ」
「細かく破って埋めるとか?」
「ぼく、少年探偵の役もやったことあるけど、目聡い人は掘り起こされた跡を見付けると、何かあると思って掘り返すって」
「じゃあ……燃やす?」
「それが良いかも。しかもこれ、高級な合成紙だよ」
シィが力を込めるけど、ちっとも写真は破れない。
「理科室」
ユニゾンして、俺たちはニッと笑い合った。
三時限目の始まってる廊下を、廊下側の窓から見られないように、腰を屈めてソロソロと進む。
理科室に着いて窓から窺うと、ブルーにホワイトの斜めストライプネクタイの、一年生が使ってた。
「駄目だ……放課後までに何とかしねぇと」
「あっ! 確かアーヤ、煙草吸うよね?」
「あ、そうだな」
いつか、肺ガンで死なないでくれと禁煙を勧めたのを、ぼんやりと思い出す。ホントはハッキリ覚えてたけど、敢えてフィルターをかけた。
思い出すと、涙が出そうになるから。
「アーヤに知らせて用心して貰うことも出来るし、事情を知ってて自由に使える火を持ってるのなんて、アーヤだけだよ」
「そうだな……」
会いたいような、会いたくないような、複雑な感情だった。
「確かに俺も、この写真のことを、綾人に知らせなきゃって思ってたんだ」
「じゃあ、話がややこしくなるから、ぼくは行かない方が良いね。応援してるから頑張って、四季くん!」
「ああ……」
俺はまた茶封筒をワイシャツの胸ポケットにしまって、副理事長室への渡り廊下を目指して屈んだ。
机に座って肘をつき、手の甲の上に顎を乗せたハシユカとバチッと目が合うと、楽しそうに奴は嗤った。
今度は、何の写真だ。また綾人と華那の写真なら、持ち物検査をされた時、ストーカーだと決め付けられてしまう。
だけどハシユカの笑みは、新しい玩具(おもちゃ)を見付けた赤ん坊みたいに、何処かキラキラとさえしてた。
これは、綾人と華那の写真じゃない。
直感的にそう思った。
二時限目の始まりのチャイムが鳴ったけど、まだ先生は来ない。
地理のお爺ちゃん先生は、いつもちょっと遅れてやってくる。
俺は思い切って、封を開けた。中には、たった一枚の写真が入ってた。
粒子の粗い、夜に高感度カメラで撮ったような写真。
綾人が俺の座席に手をかけて、車をバックさせてる写真だった。その瞬間、俺は発情期に浮かされて、間近の綾人の気配に惑ってた。
一枚の写真は、その俺の綾人を見詰める、確かに色を含んだ瞬間を捉(とら)えてる。
見ようによっては、キスする瞬間の写真のようにも見えた。
こんな写真が出回ったら、綾人が危ない。俺は写真を茶封筒に戻して、咄嗟にブレザーの中のワイシャツの胸ポケットに突っ込んだ。
二時限目の間中、左胸に収まった写真の下の心臓をドキドキさせて、俺はその危険性を綾人に知らせるべく、頭をフル稼働させていた。
* * *
二時限目を終えて、俺は目立たないように保健室に向かった。
例によって、一番奥のベッドには、シィが横になってた。
だけど眠ってはなかったようで、ドアの開く音に起き上がる。
保健の先生……ポニーとは、すっかり顔馴染みになっていた。身長が百四十センチでポニーテールだから、ポニー。
俺とシィが仲良いのも、知ってる。
「おはよう、四季くん。シィと喧嘩でもした?」
「え」
シィに襲われかけたのを、今更になって思い出す。綾人でいっぱいいっぱいだった。
「四季くん、謝りたいんだ」
「や……良いよ。お前のせいじゃないし」
「殴り合いでもしたの? 唇が切れてるわよ、四季くん」
「ああ、ちょっと」
「薬をつけてあげるわ。座って」
「はい」
曖昧な物言いをするけど、カウンセラーも兼ねているポニーは、詮索したりしない。
唇に、何か薬を塗り込まれた。苦い。綾人とのキスの味を思い出してしまう、ほろ苦さだった。
シィが恐る恐る訊いてくる。
「四季くん、怒ってる?」
「怒ってねぇよ。お前のせいじゃないから」
「じゃ、一緒に教室戻ろう?」
シィの瞳を窺うと、必死にドアを見て目配せしてた。ポニーが居る所じゃ、ちゃんと話せないもんな。
俺はその案に乗った。
「ああ。仲直りしようぜ」
そして俺とシィは、屋上へとやってきた。
不良なんて居ない小鳥遊学園だったから、屋上は俺たちだけの秘密の場所になっていた。
「四季くん、本当にごめんなさい。ぼく、四季くんが初めて出来た友達なんだ。親友だって、勝手に思ってる。それなのに、あんなことしちゃって、ごめんなさい」
繰り返し謝るシィの大きな瞳には、うるうると涙が溜まってた。
俺は思わず、シィの頭に掌をポンポンと乗せる。
「良いんだ。結果オーライだし、もしあのまま襲われてても、俺がΩだって隠してたのが悪いんだから」
「ぼく、絶対誰にも言わないよ!」
「サンキュ」
シィの必死さが伝わってきて、こないだまでの純粋だった自分を思い出し、懐かしく微笑んだ。
「それで、早速だけどシィ。また相談があるんだ」
「えっ。何? アーヤ?」
「元は、それなんだけどよ。ハシユカってクラスメイトが居て、付き合うのを断ったら、追い回されてるみたいなんだ。今日、俺がアーヤのストーカーだって、三年の間で噂になりまくってるらしい」
ブレザーの中に手を入れて、茶封筒を取り出す。
「これなんだけどよ」
封筒ごと渡すと、シィは中身を出して、アッと息を飲んだ。
「撮られちゃったの?」
「ああ。こんな写真が出回ったら、綾人がクビになる。綾人は婚約者とよろしくやってるみてぇだけど、一度惚れた相手だ、俺のせいでエリートから落ちて欲しくねぇ」
「四季くん……アーヤのこと、本当に好きなんだね」
他の奴に言われたら、馬鹿言うなって反発するところだけど、相手がシィだから、俺は素直に頷いた。
「自分でも、不思議なんだ。酷いこといっぱいされたけど、嫌いになんてなれねぇ……」
「じゃあ取り敢えず、この写真をどうにかしなくちゃね。何処に捨てても、この写真がある限り、アーヤと四季くんの身が危ないよ」
「細かく破って埋めるとか?」
「ぼく、少年探偵の役もやったことあるけど、目聡い人は掘り起こされた跡を見付けると、何かあると思って掘り返すって」
「じゃあ……燃やす?」
「それが良いかも。しかもこれ、高級な合成紙だよ」
シィが力を込めるけど、ちっとも写真は破れない。
「理科室」
ユニゾンして、俺たちはニッと笑い合った。
三時限目の始まってる廊下を、廊下側の窓から見られないように、腰を屈めてソロソロと進む。
理科室に着いて窓から窺うと、ブルーにホワイトの斜めストライプネクタイの、一年生が使ってた。
「駄目だ……放課後までに何とかしねぇと」
「あっ! 確かアーヤ、煙草吸うよね?」
「あ、そうだな」
いつか、肺ガンで死なないでくれと禁煙を勧めたのを、ぼんやりと思い出す。ホントはハッキリ覚えてたけど、敢えてフィルターをかけた。
思い出すと、涙が出そうになるから。
「アーヤに知らせて用心して貰うことも出来るし、事情を知ってて自由に使える火を持ってるのなんて、アーヤだけだよ」
「そうだな……」
会いたいような、会いたくないような、複雑な感情だった。
「確かに俺も、この写真のことを、綾人に知らせなきゃって思ってたんだ」
「じゃあ、話がややこしくなるから、ぼくは行かない方が良いね。応援してるから頑張って、四季くん!」
「ああ……」
俺はまた茶封筒をワイシャツの胸ポケットにしまって、副理事長室への渡り廊下を目指して屈んだ。
0
あなたにおすすめの小説
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。
【本編完結】オメガの貴公子は黄金の夜明けに微笑む
中屋沙鳥
BL
フロレル・ド・ショコラ公爵令息は希少なオメガとしてシュクレ王国第一王子でアルファのシャルルの婚約者として望まれる。しかしシャルルは、王立学園の第三学年に転入してきた子爵令息ルネに夢中になってしまう。婚約者が恋に落ちる瞬間を見てしまったフロレル。そしていころには仲の良かった義弟アントワーヌにも素っ気ない態度をされるようになる。沈んでいくフロレルはどうなっていくのか……/誰が一番腹黒い?/テンプレですのでご了承ください/タグは増えるかもしれません/ムーンライト様にも投稿しております/2025.12.7完結しました。番外編をゆるりと投稿する予定です
庶子のオメガ令息、嫁ぎ先で溺愛されています。悪い噂はあてになりません。
こたま
BL
男爵家の庶子として産まれたサシャ。母と二人粗末な離れで暮らしていた。男爵が賭けと散財で作った借金がかさみ、帳消しにするために娘かオメガのサシャを嫁に出すことになった。相手は北の辺境伯子息。顔に痣があり鉄仮面の戦争狂と噂の人物であったが。嫁いだ先には噂と全く異なる美丈夫で優しく勇敢なアルファ令息がいた。溺愛され、周囲にも大事にされて幸せを掴むハッピーエンドオメガバースBLです。間違いのご指摘を頂き修正しました。ありがとうございました。
【完結】この契約に愛なんてないはずだった
なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。
そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。
数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。
身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。
生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。
これはただの契約のはずだった。
愛なんて、最初からあるわけがなかった。
けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。
ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。
これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる