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第二章 氷狼騎士団長の秘密
<11>決意
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それからレヴィとはなぜか顔を合わせる機会が増え、気がつけば俺の小さな弟子になっていた。子どもは嫌いじゃなかったので、騎士団長としての職務の合間に、同世代の弟たちと一緒にレヴィたちにも剣術や魔法の基礎を教えてやることにした。
1対1の試合形式の訓練で、レヴィは負けるといつも顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
その度にハンカチで顔を拭って励ましていたものだ。
「ぼくつよくなってぜったいにアランさまをお守りします!」
泣きながらもレヴィはいつもそう言っていたものだった。そんなレヴィが可愛くて仕方なくて、俺はいつか彼と一緒に戦場に出ていく日を夢見ていた。
意識が浮上し、瞼を開ける。いつの間にか眠ってしまったようだ。ゆっくりと上半身を起こして、ほっと息を吐く。
「ずいぶん懐かしい夢をみたな」
カーテンから漏れる明かりはまだぼんやりとしている。おそらくそんなに時間は経っていないのだろう。まだ明け方に違いない。
喉が渇いた。サイドテーブルに置かれた水差しからゴブレットに水を注ぐ。
「……ん?」
一口飲んだだけで、テーブルにゴブレットを置いてしまう。この水、なんだかとても不味い。水差しとゴブレット軽く触れる。再びゴブレットに口を付けると、水はおいしくなっている。
(魔法が使えてよかったな。でも魔法が使えない連中はこのまずい水を日常的に飲んでるってことか……?)
魔力はバース性を持つ貴族にしか使えない。貴族の中でも、全員が俺のように魔法を扱えるわけでもない。
色々あってすっかり頭から吹き飛んでいたが、街の様子も異様だったことを思い出す。以前のような活気に満ちあふれた街とは一変していた。噴水も枯れていたような気がする。
ということは、皆がこのまずい水を常飲しているのだろうか。それに王宮でこの有様なのであれば庶民たちはもっと質の悪い水を飲んでいることになる。
(そんなの、身体に悪いにきまってるぞ……!)
23年前、俺がまだこの国の王子として生きていたころは水をまずいと感じることはなかった。おそらく俺の死後、この国には何か大きな異変が起きたに違いない。
前世の記憶を取り戻し、毒親からも解き放たれた今、自分のために悠々自適に暮らせる環境づくりに精を出すつもりだったのだが。それに少しゆっくりしたい気持ちもある。
だが、愛する祖国や国民の生活が脅かされているのであれば、それを見過ごす訳にはいかない。今の俺にできることが何かあるはずだ。
レヴィは今日中に戦場へ戻ると言っていた。その前になんとか捕まえて、この国にどんな変化が起きたのかを聞いてみよう。そして許可をもらって、調べてみよう。
そう決めて、俺はベッドから抜け出した。
1対1の試合形式の訓練で、レヴィは負けるといつも顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
その度にハンカチで顔を拭って励ましていたものだ。
「ぼくつよくなってぜったいにアランさまをお守りします!」
泣きながらもレヴィはいつもそう言っていたものだった。そんなレヴィが可愛くて仕方なくて、俺はいつか彼と一緒に戦場に出ていく日を夢見ていた。
意識が浮上し、瞼を開ける。いつの間にか眠ってしまったようだ。ゆっくりと上半身を起こして、ほっと息を吐く。
「ずいぶん懐かしい夢をみたな」
カーテンから漏れる明かりはまだぼんやりとしている。おそらくそんなに時間は経っていないのだろう。まだ明け方に違いない。
喉が渇いた。サイドテーブルに置かれた水差しからゴブレットに水を注ぐ。
「……ん?」
一口飲んだだけで、テーブルにゴブレットを置いてしまう。この水、なんだかとても不味い。水差しとゴブレット軽く触れる。再びゴブレットに口を付けると、水はおいしくなっている。
(魔法が使えてよかったな。でも魔法が使えない連中はこのまずい水を日常的に飲んでるってことか……?)
魔力はバース性を持つ貴族にしか使えない。貴族の中でも、全員が俺のように魔法を扱えるわけでもない。
色々あってすっかり頭から吹き飛んでいたが、街の様子も異様だったことを思い出す。以前のような活気に満ちあふれた街とは一変していた。噴水も枯れていたような気がする。
ということは、皆がこのまずい水を常飲しているのだろうか。それに王宮でこの有様なのであれば庶民たちはもっと質の悪い水を飲んでいることになる。
(そんなの、身体に悪いにきまってるぞ……!)
23年前、俺がまだこの国の王子として生きていたころは水をまずいと感じることはなかった。おそらく俺の死後、この国には何か大きな異変が起きたに違いない。
前世の記憶を取り戻し、毒親からも解き放たれた今、自分のために悠々自適に暮らせる環境づくりに精を出すつもりだったのだが。それに少しゆっくりしたい気持ちもある。
だが、愛する祖国や国民の生活が脅かされているのであれば、それを見過ごす訳にはいかない。今の俺にできることが何かあるはずだ。
レヴィは今日中に戦場へ戻ると言っていた。その前になんとか捕まえて、この国にどんな変化が起きたのかを聞いてみよう。そして許可をもらって、調べてみよう。
そう決めて、俺はベッドから抜け出した。
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