魔王から学ぶ魔王の倒し方

唯野bitter

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第八十話 働きたくないでござる!!!

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───病院───
この世界の病院は主にスキルで治らない病気や、重症で気を失っている患者の為の施設である。スキルによる治療は主に教会で、風邪などの病気は病院で治療される。─────Maoupediaより抜粋



☆   ☆   ☆   ☆



 目を覚ますと知らない天井が目に入った。どうやら、俺はベッドで寝ているようだ


「……ここは?」
「気が付いたか?」
「ここは病院じゃ。わしらが運んだんじゃぞ?」


 声がした方に目を向けるとベッドの脇に鉄仮面を付けたパイナと赤髪の女の子がいた。
 確か俺はフレズを助けに廃墟に行って、パイナと共に敵を倒して、それで気を失って……


「……フレズ!」
「フレズは無事だ。縛られっぱなしだったから少し衰弱しているが、外傷とかはなかったから安心しろ」
「……そうか」

 
 パイナの言葉に胸を撫でおろす。


「……フレズは今どこに?」
「病院で休んでおる。今日か明日には目を覚ますじゃろう」
「……あれからどの位経った?」
「3時間くらいだ。そろそろ夜明けといたところだな」


 思っていたよりも時間は経っていなかったか。それにしてはダメージが全く残っていない。それどころか薬の効果もすっかりと消えている。


「……そういえば君は?廃墟にもいたな?」
「こいつはフラン。俺のパーティーメンバーだ」
「わしが敵を一掃してやったのじゃぞ」
「……君がか?」


 こんな華奢な女の子があの人数を一掃したのか?とても信じられない。


「なんじゃその顔は?信じられんか?」
「フランは見た目だけなら普通だからな。だが、スキルなしでもロットの10倍は強いからな」
「ちなみに、お主の治療をしたのもわしじゃ。薬の効果もわしが消しておいたんじゃぞ」
「……すまない、感謝する」
「うむ、素直なのは良い事じゃ」
「じゃあ本題に入るか」
「……本題?」


 俺が言葉の意味を聞こうとしたところ、パイナが鉄仮面に手をかけて素顔を現した。
 驚いた俺が言葉を失っていると、パイナは髪の毛を白から黒にして口を開いた。


「改めて自己紹介をするか。俺の名前はキムラ・ホウリ。冒険者をやってる」
「わしはフラン・アロス。ホウリと同じ冒険者じゃ」
「……俺はロット・シャルン。普段は木こりをやっている」
「じゃあ、本題だ。明日……日付変わっているから今日だな。闘技大会の決勝があるわけだがロットはどうするんだ?」
「……棄権するつもりだ」


 俺にとっては大会に参加する意味はもう無い。ならば、パイナ──ホウリへの恩返しという意味でも俺は棄権するべきだろう。
 俺の答えにホウリは困ったように頭を掻く。


「俺に遠慮しているだけだったら出てもらいたいんだがな」
「……なぜだ?優勝が目的だったら俺が棄権した方がいいのではないか?」
「俺の目的は優勝じゃなくて裁判を開く事だからな。最悪、俺が優勝できなくてもいい」
「……どういう事だ?」
「外部の者に話すなど正気か!?」
「今の状況だとロットの協力が必須なんだよ。話す以外の選択肢はない」
「じゃが!今までひた隠しにしてた事実をあったばかりの奴に話すのか!」
「……何のことだ?」


 2人が言い合っているのを見て俺は首をかしげる。何かわからないがそんなに重要な事を俺に話しても良いんだろうか?
 2人は数分間、言い合いをしていたがフランが諦めたように両手を上げた。


「はぁ、分かった。そこまで言うならば好きにすればよい」
「助かる。それじゃ、俺たちの計画を説明する」


 そこから、ホウリは今までの計画を話し始めた。ノエルという少女の事、サンドの街の企み、優勝した後の事。どれも俺を驚かすのには十分だった。


「……なるほど、それでホウリは闘技大会に出た訳か。こういうのも何だが、頭がおかしいんじゃないか?」
「もっと言ってやってくれ」
「常識的な方法で解決できるんだったらそうしてる。回りくどいかもしれないが、これが確実で早いんだよ」
「……だが、優勝が必要だったら俺が棄権した方がいいんじゃないか?」
「闘技大会では棄権者が出ると自分の意志で棄権したか調査される。その調査で3日は時間が取られる。明日にも訴えられかねない現状、日数がかかる手段は取りたくない」
「だからロットには闘技大会に出てほしいという訳か」
「そういう事だ。やってくれるか?」


 ホウリの言葉に俺は考える。
 大会に出るだけであれば問題はない。だが、それだけでいいのか?
 少し考えた後、俺はホウリの問いかけに答える。


「……条件が一つある」
「なんだ?」
「……大会では俺と本気で戦ってほしい」
「なんじゃ?急に欲でも出たか?」
「……違う。純粋に本気のホウリと戦ってみたいと思っただけだ」
「お主は戦いを好まぬのでは無いのか?」
「……俺もそう思っていた。だが、ホウリの隣で戦っているうちに不思議と闘争心が湧いてきた。無理を言っているのは承知しているが頼む……」
「むう、じゃがな」
「別に良いぜ」


 俺の我儘にホウリがあっさりと許可を出す。思った以上に軽い言葉に俺は目を丸くしてしまった。


「……頼んでいる俺が言うのも何だが良いのか?」
「優勝した時に裁判起こしてくれれば問題ない」
「じゃが、ロットが裏切ってしまえば計画が破綻するぞ?それでも良いのか?」
「ロットを大会に出場させる以上、裏切られるリスクはあるから今更だろ。それに、八百長を疑われるのも面倒だし、最初から本気でやるつもりだったからな」
「なら良いがのう」
「……ありがとう」
「ただし、ロットが勝っても裁判しろよ?」
「……分かってる」
「ならいい」


 説明が終わると、ホウリは椅子から立ち上がって大きく伸びをする。


「じゃ、俺たちはそろそろ帰る。隣の部屋にフレズが寝ているから心配なら見に行ってもいいぜ」
「……すまない、恩に着る」


 ホウリは手を軽く振ると、フランを連れて出ていった。
 2人がいなくなり、部屋が静かになる。窓からは地平線から徐々に表れている太陽の光が差し込み始め、夜が終わったことを告げている。


「……楽しみだ」


 思わず零れた独り言に自分自身で驚く。今まで戦いを楽しみと感じた事はなかったが今はこんなにもワクワクしている。
 新しい自分を見つけた事に驚きながらも、ホウリとの戦いに備えるべく俺は目を閉じたのであった。
 


☆   ☆   ☆   ☆



「へぇー、昨日の夜にそんな事してたんですか」


 夕飯のエビチリをパクつきながらロワが相槌を打つ。


「だから、フランさんは眠そうにしてたんですね」
「そういう事じゃ。全く、ホウリは人使いが荒いんじゃよ」
「あんな無茶苦茶できるのはフランだけだから仕方ねえだろ」
「確かにな。人質を救出した上で敵を一瞬で葬れるのはフランを置いて他にいないだろう」
「ええい!とにかく、今日は働かんぞ。明日の昼まで寝続けてやるわい」


 フランが決意を固めたように拳を固める。その衝撃で持っていた箸が折れてしまい、慌ててスキルで直す。


「フランの出番まで結構あるからゆっくり休んでくれ」
「次の出番はいつじゃ?」
「予定では1週間後だな」
「それまでは絶対に働かんぞ!ニートと化してくれるわ!」
「1日中寝ようが、ノエルと出かけようが好きにすればいい」


 俺の言葉にフランは花が咲いたような表情へと変わる。どんだけ休みたかったんだ。


「そういえば、前に僕がプラムさんに勝ったら優勝確定だって言ってましたよね?あれってどういう事だったんですか?」
「簡単だ。準決勝で俺が負けてロワとロットが戦えば99.9%ロワが勝つって事だ」
「ロワがロットに勝つ?想像できんぞ?」
「あははは……、僕も同意見ですがハッキリ言わると傷つきますね」


 ロワが涙を浮かべながら笑う。


「わ、私だってロワはロットに勝てると思うぞ!」
「……慰めはいらないんですよ?」
「ちゃんと根拠もあるぞ!」


 ミエルがロワを元気付けるようにまくしたてる。だが、ロワはそれでも落ち込んだままだ。


「根拠ってなんですか?」
「ロットの攻撃は近距離では大斧で遠距離は手斧だ。つまり、手斧を無効化して遠距離から矢を射続ければ完封出来るんだ」
「そう上手くいくんですか?」
「距離を詰められたらワープアローで距離を取ればいいし、ヘビーウェイトで行動を制限することも出来る。トリシューラもあるから威力の高い攻撃も繰り出せる。な、勝てそうだろう?」
「そう言われればそうですね?」
「俺もほぼ同じ意見だ。ロットは足が速い訳じゃないから、手斧を無効化して距離取れれば後は一方的に攻撃できる。だが……」
「だが?」
「ロワは有利すぎると調子に乗るからな。そこだけが懸念点だな」
「ぐふっ!」


 心に不意の一撃を受けたロワはテーブルに倒れ伏す。


「おーい、生きておるかー?」
「なんとか……」


 フランに揺さぶられ、ロワがなんとか起き上がる。精神的に打たれ強くなったな。


「さてと、ロワの事は置いておいて、これからの事を話しておく」
「いよいよここまで来ましたね」
「これでノエルを救うことが出来るな」
「うむ、しくじるなよホウリ」
「勿論だ。完膚なきまでにボッコボコにしてやる」


 この裁判に勝てばひとまず、ノエルの事は決着がつく。あと少しだ、頑張ろう。


「裁判は3日後に開かれる。それまでは最後の準備をすることになるな」
「私たちに出来ることはあるか?」
「裁判では無い……と言いたいところだが、もしもの時はその限りじゃない」
「もしもってなんですか?」
「色々だ。もしもの時の紙をフランに渡しておくから、それに従ってくれ」
「了解じゃ」
「分かりました」


 俺の言葉にフランとロワは頷いたがミエルは疑問があるのか首をかしげる。


「今、『裁判では』と言ったな?裁判以外で何かやることがあるのか?」
「流石ミエル、その通りだ。お前らにはノエルの護衛をしてもらう」
「へ?それって今まと同じでは?」
「今まで以上に護衛は強化してもらう」
「勝利目前なんじゃろ?なんでそんな事をする?」


 確かに裁判が終わればほぼ確実に勝てる。だが、裏を返せば裁判が終わるまでは勝ちが決まらないってことだ。


「裁判が終わるまでにノエルが攫われてサンドに逃げ込まれたら負けだ。絶対に守り切れ」
「言われるまでもない」
「何を今更」
「あたりまえですよね?」


 何言ってんだこいつみたいな顔で3人は俺を見てくる。久々に心にくる視線だな。


「お前らな、それがリーダーを見る目か?」
「わしにとってノエルは妹同然じゃ。周りの人間の命に代えても守ると決めとるんじゃよ」
「フランさん、そんなにノエルちゃんの事を想って……自分の命じゃないんですか!?」
「大丈夫じゃ、3分の5殺しで済ませる」
「オーバーキルじゃないですか!」
「私も手伝うか?」
「俺もサポートしよう」
「皆さん血気盛んすぎません!?もっと穏便に行きましょうよ!」
「まあ、それぐらいの気持ちでいるってことだ。なあ、ノエル?」
「え?」


 箸が進まずうつむいているノエルに声をかける。するとノエルはびっくりしたように俺の方を向く。


「な、なあにホウリお兄ちゃん?」
「どうせ、皆に迷惑かけて申し訳ないって思ってるんだろ?」
「……うん」


 ノエルが元気なく頷く。前にも慰めたことがあったが、終わりが近くなって余計に気持ちが落ち込んだんだろう。ましてや、ロワやミエルが傷を負っている姿も見ている。優しいノエルの事だ。本当にこれでいいのか迷いがあるんだろう。
 そんなノエルに3人が優しく話しかける。


「ノエルちゃん、僕らは迷惑だって思ってないよ。だってノエルちゃんの事大好きなんだからさ」
「そうだ、私らはノエルの事を家族と思っている。家族ならば迷惑を掛け合っていく物だろう?」
「わしに至っては、ノエルが助けんでよいといっても助けるがな」
「そういう事だ。申し訳ないって思うのは仕方ないとしても、遠慮する必要はない。恩は全部終わった後に返せばいい」
「……ぐすっ」


 俺たちの言葉にノエルが目に涙を浮かべ始めた。そんなノエルを見たフランはおろおろした様子になる。


「どうしたノエル!?ご飯が辛かったか!?」
「違うの……嬉しくて……ぐすっ」
「そ、そうか……」
「……ねえ、一ついい?」
「なんじゃ?」
「今日、皆と眠りたいんだけどいい?」


 ノエルの言葉に3人は顔を見合わせたが、すぐに笑顔で頷く。


「ああ、いいぞ」
「勿論だ」
「わしも良いぞ」
「ホウリお兄ちゃんは?」


 4人が俺を見つめてくる。正直、裁判の資料をまとめたり情報の収集をしたりやることは多い。今日寝てしまうのは無茶と言えるだろう。だが、


「……ダメ?」


 この目で見られると無茶したくなるよな。俺はノエルに笑顔で頷く。


「今日はやることないしな。いいぜ」
「やったー!」


 ノエルが両手を上げて喜ぶ。


「そうと決まればご飯を早く食べないとな」
「きちんと噛むんじゃぞ?」
「はーい」
「あれ?僕の餃子1個少なくないですか?」
「私じゃないぞ?」
「わしでもない」
「勿論、俺じゃない」
「ノエルちゃん?」
「……ホフェルファファイフォ?」
「口に物詰込み過ぎて何言ってるか分からないよ」
「(ごくん)ノエルじゃないよ?」
「今飲み込んだよね!?」
「気のせいじゃない?」
「気のせいな訳ないよね!?」
「まったく、誰に似たんだろうな?」
「どう考えてもお主じゃろ」


 こうして一つの戦いが終わり、もう一つの戦いが始まったのだった。
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