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第三百七十五話 ボケー
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とある休日のリビング、ノエルとロワお兄ちゃんは机に突っ伏していた。
「ねぇ、ロワお兄ちゃん」
「なんだい?」
「暇」
「奇遇だね、僕もだよ」
ロワお兄ちゃんは突っ伏したまま答える。やる気が感じられない口調だ。
「ノエルちゃんはお友達を遊ばないの?」
「皆予定があるんだって。ロワお兄ちゃんはお仕事しないの?」
「オダリムの襲撃で頑張ったからお休み」
「特訓は?」
「今日の分は終わった」
「ノエルもー」
特訓はいっぱいやれば良い訳じゃない。やり過ぎると、疲れちゃったりして特訓の効率が落ちちゃう。以上、ホウリお兄ちゃんの受け売りでした。
「宿題とかないの?」
「全部終わったー」
「だよね。ノエルちゃんだもんね」
「ロワお兄ちゃんはお勉強とか無いの?」
「あるけど、疲れててやる気が起きなくて」
「そっかー」
ロワお兄ちゃんもノエルと同じく気力が無いみたいだ。
「こういう日って何すれば良いのか分からないよね」
「別に何かをする必要は無いよ。偶にはボーっとしようよ」
「そっか」
そういえば、今までは特訓とお勉強を毎日頑張ってきてたっけ。ボーっとする時間って取った事なかったかも。
「ボー」
「どう?」
「暇」
「そっか」
ボーっとしたけど暇という感想しか出てこない。こんなにも一日を長く感じたのは初めてだ。
「あーあ、体も頭も使わないことって無いかな」
「あったとして楽しいのかな?」
「さあ?」
そんな中身の無い会話をしながら、窓から外を眺める。机に突っ伏しているから空しか見られないけど。
「いい天気だねぇ」
青い空に真っ白い雲が流れていく。見ているだけで落ち着く光景だ。
「こういう日ってお花見とかしたくなるよね」
「いいねぇ。けどさ、そろそろお花見の季節も過ぎちゃうね」
「そういえばそうだね」
そろそろ夏に差し掛かろうとしている。お花見する前に桜は散っちゃうかな。
「あーあ、皆とお花見したかったなぁ」
「仕方ないよ。また来年チャレンジしよう」
「でもさ、半年後には王都にいないんだよね?」
「あー、そういえばそうだったね」
ノエル達は半年後には王都を出発する。だから、来年は王都でお花見はできない。
「だったらさ、旅の途中でお花見しよっか?」
「出来るかな?」
「ホウリさんに頼んでみようか」
「確かにホウリお兄ちゃんだったら出来そう」
おっきな桜の木の前で皆でお弁当を頼む。うん、楽しそうだ。
「お弁当は皆で作った方が楽しいかな?」
「え?皆で作るの?」
「ごめん、ミエルお姉ちゃん以外で」
「それなら良いかな」
ミエルお姉ちゃんも料理の練習を頑張っているみたいだけど、まだ人が食べられるレベルじゃない。ホウリお兄ちゃんがミエルお姉ちゃんの料理をどう処分するのか悩んでいたっけ。
「旅の途中で料理って出来るのかな?」
「王都に来る前に、ホウリお兄ちゃんがミエルお姉ちゃんと料理してたよ?」
「そうだっけ。ああ、ポテトサラダが入ったハンバーガーを作ってたっけ」
「あれ美味しかったなぁ」
「また作ってくれないかな?」
「僕達で作ることもできるよ?」
「ほんとに?」
視線をロワお兄ちゃんに向けると、ロワお兄ちゃんは突っ伏したまま軽く頷いた。
「ハンバーグもポテトサラダも難しい料理じゃないし、バンズは僕が作れるしね。お肉もジャガイモも調味料もあるし、作ろうと思えば作れるよ」
「じゃあさ、ノエル達でお夕飯作っちゃう?」
今日のお夕飯の当番はフランお姉ちゃんだけど、希望すれば他の人が作っても良い。後でフランお姉ちゃんに言っておこうかな。
「でもさ、1つだけ足りないものがあるんだよね?」
「なあに?おつかいしてこようか?」
「やる気」
「あー、そうだね」
やる気はお店には売ってないかな。
「夕飯前にやる気が出れば作っても良いかな」
「そうだね。ノエル、ジャガイモ潰すのやりたい」
「お肉焼くのもやる?」
「うん」
お料理なら楽しそうだ。これなら暇つぶしに丁度いいかもしれない。
それにしてもハンバーガーか。お店で食べたことはあるけど、お家で作れるとは思ってなかったや。どんな感じなんだろ?楽しみだなぁ。
「……もう作っちゃわない?」
「あとちょっと待ってね」
「そっかー」
まだロワお兄ちゃんの元気は戻っていないみたいだ。元気が出るまでもうちょっと待とう。
ノエルは窓に視線を向け直す。相変わらず青い空に白い雲が流れている。ボーっと眺めるには最適な眺めだ。
「……暇だ」
「その言葉、あと何回言うんだろうね」
「ロワお兄ちゃん、面白い話してよ」
「そのフリで面白い話できる人は稀だと思うよ?」
「じゃあさ、面白い話じゃなくて良いから、何か話してよ」
「何でも良いの?じゃあ、僕のお気に入りの弓の話をしようかな」
「そういえばさ、ロワお兄ちゃんって弓を何個持ってるの?」
ロワお兄ちゃんの話をそれとなく軌道修正する。ロワお兄ちゃんの弓の話は面白いけど、時間がいっぱい掛かる。最後まで話すとお夕飯を作る時間が無くなっちゃう。
「僕はあんまり持ってないよ。30個くらいかな」
「30個は多いんじゃない?」
ノエルが持っているナイフは4本。両手でナイフを持つから普段使いは2本、予備で1本ずつで計4本。ホウリお兄ちゃん曰く、普通はこれくらいらしい。
「多くないよ。周りの弓仲間は100本持っている人も珍しくないし。まあ、僕は量よりも質を優先しているんだけどね」
「弓仲間?初めて聞いたよ?」
「定期的に会っている人達だよ。弓の話に花を咲かせるんだ」
「そっか」
そんな人の集まりがあるんだ。知らなかった。
もしかしたら、ノエルが知らないだけで、そう言う集まりって普通なのかな?コアコちゃんもオカルトの話をする集まりがあるのかも?でも、コアコちゃんは恥ずかしがり屋さんだし無いのかも?明日、コアコちゃんに聞いてみよっと。
「30本の弓はどこに仕舞ってるの?お部屋には入りきらないよね?」
「倉庫を借りてしまっているよ。1カ月に1度くらいの頻度で倉庫に行って、手入れをしてるんだ」
「お休みの日に出かけてるなって思ってたけど、倉庫に行ってたんだ」
「そうだよ」
というか、倉庫って借りられるんだ。ノエルも借りて秘密基地でも作ろうかな?
そんなことを話していたら、ロワお兄ちゃんが体を起こした。
「うーん、弓の事を考えていたら少しだけやる気が出て来た」
「ということは!」
「夕ご飯作ろうか」
「うん!」
ロワお兄ちゃんの言葉にノエルも勢いよく体を起こす。
「それじゃ、手を洗ってエプロンを付けてね」
「分かった!」
ロワお兄ちゃんとリビングに掛かっているエプロンを持ってキッチンに入る。それから、ノエルはロワお兄ちゃんと楽しくハンバーガーを作ったのだった。ハンバーガーはとっても美味しかった。
「ねぇ、ロワお兄ちゃん」
「なんだい?」
「暇」
「奇遇だね、僕もだよ」
ロワお兄ちゃんは突っ伏したまま答える。やる気が感じられない口調だ。
「ノエルちゃんはお友達を遊ばないの?」
「皆予定があるんだって。ロワお兄ちゃんはお仕事しないの?」
「オダリムの襲撃で頑張ったからお休み」
「特訓は?」
「今日の分は終わった」
「ノエルもー」
特訓はいっぱいやれば良い訳じゃない。やり過ぎると、疲れちゃったりして特訓の効率が落ちちゃう。以上、ホウリお兄ちゃんの受け売りでした。
「宿題とかないの?」
「全部終わったー」
「だよね。ノエルちゃんだもんね」
「ロワお兄ちゃんはお勉強とか無いの?」
「あるけど、疲れててやる気が起きなくて」
「そっかー」
ロワお兄ちゃんもノエルと同じく気力が無いみたいだ。
「こういう日って何すれば良いのか分からないよね」
「別に何かをする必要は無いよ。偶にはボーっとしようよ」
「そっか」
そういえば、今までは特訓とお勉強を毎日頑張ってきてたっけ。ボーっとする時間って取った事なかったかも。
「ボー」
「どう?」
「暇」
「そっか」
ボーっとしたけど暇という感想しか出てこない。こんなにも一日を長く感じたのは初めてだ。
「あーあ、体も頭も使わないことって無いかな」
「あったとして楽しいのかな?」
「さあ?」
そんな中身の無い会話をしながら、窓から外を眺める。机に突っ伏しているから空しか見られないけど。
「いい天気だねぇ」
青い空に真っ白い雲が流れていく。見ているだけで落ち着く光景だ。
「こういう日ってお花見とかしたくなるよね」
「いいねぇ。けどさ、そろそろお花見の季節も過ぎちゃうね」
「そういえばそうだね」
そろそろ夏に差し掛かろうとしている。お花見する前に桜は散っちゃうかな。
「あーあ、皆とお花見したかったなぁ」
「仕方ないよ。また来年チャレンジしよう」
「でもさ、半年後には王都にいないんだよね?」
「あー、そういえばそうだったね」
ノエル達は半年後には王都を出発する。だから、来年は王都でお花見はできない。
「だったらさ、旅の途中でお花見しよっか?」
「出来るかな?」
「ホウリさんに頼んでみようか」
「確かにホウリお兄ちゃんだったら出来そう」
おっきな桜の木の前で皆でお弁当を頼む。うん、楽しそうだ。
「お弁当は皆で作った方が楽しいかな?」
「え?皆で作るの?」
「ごめん、ミエルお姉ちゃん以外で」
「それなら良いかな」
ミエルお姉ちゃんも料理の練習を頑張っているみたいだけど、まだ人が食べられるレベルじゃない。ホウリお兄ちゃんがミエルお姉ちゃんの料理をどう処分するのか悩んでいたっけ。
「旅の途中で料理って出来るのかな?」
「王都に来る前に、ホウリお兄ちゃんがミエルお姉ちゃんと料理してたよ?」
「そうだっけ。ああ、ポテトサラダが入ったハンバーガーを作ってたっけ」
「あれ美味しかったなぁ」
「また作ってくれないかな?」
「僕達で作ることもできるよ?」
「ほんとに?」
視線をロワお兄ちゃんに向けると、ロワお兄ちゃんは突っ伏したまま軽く頷いた。
「ハンバーグもポテトサラダも難しい料理じゃないし、バンズは僕が作れるしね。お肉もジャガイモも調味料もあるし、作ろうと思えば作れるよ」
「じゃあさ、ノエル達でお夕飯作っちゃう?」
今日のお夕飯の当番はフランお姉ちゃんだけど、希望すれば他の人が作っても良い。後でフランお姉ちゃんに言っておこうかな。
「でもさ、1つだけ足りないものがあるんだよね?」
「なあに?おつかいしてこようか?」
「やる気」
「あー、そうだね」
やる気はお店には売ってないかな。
「夕飯前にやる気が出れば作っても良いかな」
「そうだね。ノエル、ジャガイモ潰すのやりたい」
「お肉焼くのもやる?」
「うん」
お料理なら楽しそうだ。これなら暇つぶしに丁度いいかもしれない。
それにしてもハンバーガーか。お店で食べたことはあるけど、お家で作れるとは思ってなかったや。どんな感じなんだろ?楽しみだなぁ。
「……もう作っちゃわない?」
「あとちょっと待ってね」
「そっかー」
まだロワお兄ちゃんの元気は戻っていないみたいだ。元気が出るまでもうちょっと待とう。
ノエルは窓に視線を向け直す。相変わらず青い空に白い雲が流れている。ボーっと眺めるには最適な眺めだ。
「……暇だ」
「その言葉、あと何回言うんだろうね」
「ロワお兄ちゃん、面白い話してよ」
「そのフリで面白い話できる人は稀だと思うよ?」
「じゃあさ、面白い話じゃなくて良いから、何か話してよ」
「何でも良いの?じゃあ、僕のお気に入りの弓の話をしようかな」
「そういえばさ、ロワお兄ちゃんって弓を何個持ってるの?」
ロワお兄ちゃんの話をそれとなく軌道修正する。ロワお兄ちゃんの弓の話は面白いけど、時間がいっぱい掛かる。最後まで話すとお夕飯を作る時間が無くなっちゃう。
「僕はあんまり持ってないよ。30個くらいかな」
「30個は多いんじゃない?」
ノエルが持っているナイフは4本。両手でナイフを持つから普段使いは2本、予備で1本ずつで計4本。ホウリお兄ちゃん曰く、普通はこれくらいらしい。
「多くないよ。周りの弓仲間は100本持っている人も珍しくないし。まあ、僕は量よりも質を優先しているんだけどね」
「弓仲間?初めて聞いたよ?」
「定期的に会っている人達だよ。弓の話に花を咲かせるんだ」
「そっか」
そんな人の集まりがあるんだ。知らなかった。
もしかしたら、ノエルが知らないだけで、そう言う集まりって普通なのかな?コアコちゃんもオカルトの話をする集まりがあるのかも?でも、コアコちゃんは恥ずかしがり屋さんだし無いのかも?明日、コアコちゃんに聞いてみよっと。
「30本の弓はどこに仕舞ってるの?お部屋には入りきらないよね?」
「倉庫を借りてしまっているよ。1カ月に1度くらいの頻度で倉庫に行って、手入れをしてるんだ」
「お休みの日に出かけてるなって思ってたけど、倉庫に行ってたんだ」
「そうだよ」
というか、倉庫って借りられるんだ。ノエルも借りて秘密基地でも作ろうかな?
そんなことを話していたら、ロワお兄ちゃんが体を起こした。
「うーん、弓の事を考えていたら少しだけやる気が出て来た」
「ということは!」
「夕ご飯作ろうか」
「うん!」
ロワお兄ちゃんの言葉にノエルも勢いよく体を起こす。
「それじゃ、手を洗ってエプロンを付けてね」
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ロワお兄ちゃんとリビングに掛かっているエプロンを持ってキッチンに入る。それから、ノエルはロワお兄ちゃんと楽しくハンバーガーを作ったのだった。ハンバーガーはとっても美味しかった。
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