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第1章・異世界転移と異世界転生
おうちに帰ろう①
しおりを挟む「もう嫌だよ、ユーリ! おうちに帰りたい! みんなで過ごした家に帰りたいよ!」
蘇生したアルバトスさんを抱えたまま、私は叫んだ。
アルバトスさんから毒は消え、蘇生直後よりはだいぶ回復しているものの、もっとゆっくりできる場所で治療をしたいし、休ませてあげたい。
だから、家に帰りたい――そう叫んだ私に、
「そうだよ、おうちに帰ろう!」
と言ったのは、サーチートだった。
サーチートはスマホをお腹にしまい、体を左右に揺すって勢いをつけて、起き上がると、言った。
「オリエちゃん、おうちに帰ろう! ホームの呪文だよ! みんなで帰りたい場所を強く想って、くっついて唱えるんだよ! それで、みんなのおうちに帰ろう!」
「ホームの呪文……」
そんな呪文があったのか。思い描いた場所に行ける、瞬間移動呪文って事なのかな?
その呪文で本当にあの宝物みたいな場所に帰れるのなら、今すぐ唱えて帰りたい。
けど、それは全員での事だ。
今のユーリは、アルバトスさんを失った悲しみと怒りで、我を忘れてしまっている。
そして、アルバトスさんを失う原因となったジュニアスを、本気で殺そうとしている。
「ユーリ、もう止めて! もう嫌だよ! みんなで家に帰ろうよ!」
アルバトスさんにヒールをかけ続けながら、私は必死に叫ぶ。
「ユーリ、聞いて! アルバトスさんは生き返ったから! でも、このままだと、また死んじゃうかもしれない! だから、もう止めようよ! こんな戦いを止めて、みんなであのおうちに帰ろうよぉっ!」
私の声が届いたのか、ユーリは動きを止めた。
だけど、視線はジュニアスに向けたまま、こちらを振り向かず、言う。
「オリエ、ありがとう。でも、だからこそここで、こいつらを全滅させないと、私たちは安心して暮らしていけないんだ」
「ぜ、全滅ってっ!」
「全滅は全滅だ! この王宮に居る者たち、全員だっ!」
「ユーリ! もう止めて!」
この王宮にはナディア様やアニーさん、それからユーリのお父さんである、オブルリヒトの王様だっているのに、その人たちを含めての全滅って事?
「だめだよ、ユーリ! アルバトスさんは、そんな事を望んでいないよ! それに、ここに居る人だって、悪い人ばかりじゃないんだから!」
止めさせようと、必死に説得をするけれど、ユーリは聞くつもりはないらしい。
もう、ファイヤーボールでもぶつけて、力づくで止めさせるしかないかもしれないと考えていると、私の腕の中で、アルバトスさんが力を振り絞り、叫んだ。
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