異世界へ行って帰って来た

バルサック

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無魔法

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ギルドの2階の部屋で、ギルドマスターから報酬金をもらっていた。
テーブルに又も金貨100枚の袋が「ドサリッ」と置かれた。

「魔物の石の買取金って、まだありますか?」

「十分あるよ。無駄使いしないで、将来の事を考えろよ」

なにを急にそんな事を言うのだろう。ちょっと変だぞ。

「ギルドマスターに頼みがあるんだ」

「なんだ」

隠蔽いんぺい魔法を教えて欲しい」

「あれは簡単だからいいぞ。この後に用事があるから簡単に教えるがいいか?」

「はい、簡単でいいので教えて下さい」

「分かった。ついて来い」




ギルド裏の訓練場で、ギルドマスターが一瞬で姿を消した。
え!どこへ逃げた。キョロキョロと辺りを見ても居ないぞ。

「どこへ隠れた」

「隠れてないぞ」と後ろから声が聞こえた。

振返ると「お前は、すでに死んだぞ」と指先で自身の首を切るマネをして笑ってる。

これが隠蔽魔法か・・・信じられない。

「簡単な事だ。しかし、初めはエナジーショットからやって慣れてからだな」

そう言って的の木人に「ショット」と唱えた。
木人は衝撃を受けて揺らいだ。

何を発射したのかも見えなかった。しょぼい魔法だが使えるぞ。

「こんな使い方も出来るぞ」

そう言って手を前に出して「アトラクト」と唱えた。

的の木人が地面から抜けて、一瞬でギルドマスターの手に掴まれていた。
そして「コンプレッション」と唱えた。

木人は粉々になって押しつぶされていた。

「え!いつの間に・・・」

「凄いだろう。これが出来るのは俺だけだぞ」


「いいか、見えなかったエナジーショットを発展させて、体を包み込むんだ。すると動く音や匂いまで遮断してくれるから、まずは見つからないな」

「後は練習ですか・・・」

「そうだな練習だ。分からない事があれば後で聞きに来い。これから遺族に会って報酬金をわたすので忙しくなるんだ。お前も行くか・・・」

「俺が行っても、なんのなぐさめにもならないでしょう」

「そうか・・・わるかったな」

なんか寂しそうに去っていった。



的に向かって「ショット、ショット、ショット」と連続で唱えた。
エナジーショットは、途中から重なって巨大なエナジーショットになった気がした。
的の木人を見事にへし折って、5メートル後方へ吹飛んだ。

なんだよ・・・初回か完璧だ。
自分自身の才能にれするぜ。

思った通りの威力いりょくなったぞ。

更にショットの数を増やした。
木人は、粉々になって吹飛んだ。
これが人間だったらゾッとするな・・・いやいや人間にしなし・・・変な妄想はやめよう。


後は隠蔽魔法だ。
え!今考えたが、ギルドマスターの話は詳しい内容でなかったぞ。
体を包み込むって・・・どうするだ。

風の防御魔法のようにやってみるか・・・

あれ!後ろが丸見えだ。もっとふわっとした感じかな・・・
イメージして「隠蔽」と唱えた。

なんとなく周りから遮断できた気がする。
あれ!誰も居ないから確かめられないぞ。


スマホを出して動画撮影にして置いた。
なんども位置確認して、スタートだ。

「隠蔽」1分間我慢だ。

「解除」してスマホを取って確認だ。

画面の中の俺が・・・お!見事に消えたぞ。
1分後に、姿も現れたぞ。成功だ。



後はギルドマスターがやった「アトラクト」と「コンプレッション」だ。

木人に対して「アトラクト」と唱えた。

ちょっと揺らいだ。失敗だ。

「アトラクト」

又も失敗だ。

頭に来た。木人に「コンプレッション」と怒りに任せて唱えた。

一瞬で木人が消えた。
え!どうして・・・駆け寄った。

木人のあった場所に、足元の木だけが地面から20センチだけ出ていた。
その切り口は、鋭利な刃物で切られたように見えた。

これを俺がやったのか・・・となりの木人に試した。

「コンプレッション」

一瞬で消えてしまった。
粉も無いぞ。

地面に手をついた。

「コンプレッション」

地面が一瞬で無くなった。

「ああ、あ!」

「ドテッ」・・・俺は転げ落ちた。
え!なんで・・・落ちた穴を見渡した。それは2メートルぐらいの球体の穴だった。

そこから判断して球体の形で、地面を消し去った感じだ。
呆気にとられながら中々な威力だ。



「アトラクト」・・・又も失敗だ。

あいからわず「アトラクト」は、小さな物なら成功するのに・・・
しかし、木人ぐらいの大きさになると失敗だ。

ああ、情けない。


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