異世界へ行って帰って来た

バルサック

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危ない討伐

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「はあ、はあ、はー」もう我慢できなぞ。
隠れてもなぜ分かってしまうんだ。
これならギルドマスターが言ってた。無魔法の隠蔽いんぺいをマスターすれば良かった。
無魔法は、魔法士なら誰でも使えるお手軽魔法だ。

ギルドマスターは、きっと隠蔽で隠れてるはずだ。
森の中で、俺は身を潜めて数十分だ。




今回の依頼もドラゴン討伐だ。国王からの依頼だ。
もうギルドマスターが受けてしまった。

俺がここに来た時には、討伐は決まった話で俺は強制参加だ。
聞く所によると、遠い場所らしい。

移動に時間を掛けられない。
なので俺が収納していた4輪バギー6台で、辺ぴな森の深くまでやって来た。

4人の男も前回も参加した男だ。



それが急に空が暗くなった。
それと同時に画面にドラゴン2体が表示された。

1体のドラゴンのはずなのに、2体もドラゴンが居やがった。
俺の鑑定では、2体は双子だ。

火魔法を使う奴は、赤いうろこのドラゴンだ。火のブレスで一瞬で火の海にされた。
もうパニックだ。俺の水魔法で防御したのに、4人が逃げやがった。
2人は4輪バギーに乗って逃げる最中に、頭上から火のブレスを吐かれて燃えカスとなった。

白銀のドラゴンは、2人を氷漬けにしてから喰らいやがった。
その時の凍る瞬間の叫びが、今も耳に残ってはなれない。


なんて日だ。こんな日になるなんて思いもしなかった。
ギルドマスターとは、離ればなれだ。


あ!画面では2体のドラゴンに挟まれた。
これでは逃げ出せないぞ。もう終わりだ。

もう俺の場所は知られたようだ。真直ぐに向かって来ていた。
もうレーザー光線を使うしかない。

ここは森の中だ。火で囲まれた終わりだ。
それに対して氷は、攻撃範囲が狭い。

飛び出した俺は、レーザー光線をレッドドラゴンに放った。
首を切断してすぐに止めた。

ホワイトドラゴンが雄叫おたけびを放った。それは悲しい旋律だ。
そんなホワイトドラゴンにレーザー光線を放った。
奴は上手く避けやがった。肩翼から胴体に切裂いた。

あ!くらっとめまいがした。急いでレーザー光線を止めた。


おお!やばかった。気絶寸前だ。
もう魔法は使えそうに無い。頼れるのは暗黒吸刀だけだ。

俺はその場から逃げ出した。
いつ倒れてもおかしくない状態だ。

なんでだ・・・執拗しつように傷ついた体で追い駆けてくるぞ。
少しはめまいもおさまった。俺は決心した。

俺は、ホワイトドラゴンに向かって駆け出した。
ホワイトドラゴンがブレスを吐く前に横に飛んだ。
「パリッ、パリッ」と地面が氷漬けだ。

最後の力を振り絞って、又も走り続けた。

後方に回り込んだ。そして背中を駆け上がった。
奴にとって背中は死角だ。首が回らないからブレスも吐けないぞ。

そして傷ついた肩に暗黒吸刀を刺してやった。
もう暴れて回るホワイトドラゴンだが、こっちも必死に傷を広げた。

ホワイトドラゴンは、空に向かって雄叫びを放った。
なぜだと疑問が浮かんだ。

空を見た。
なんだ、氷のツララが無数に出来ていた。

俺は、風魔法を背中に放って後方へ飛んだ。

地面にワンバンドしながら、ツララを回避。
「ガキーン」と頭に激痛が襲った。

こんな所で気絶なんか無理だ。

くらくらしながらホワイトドラゴンを見上げた。
背中はツララだらけだ。それでも生きていた。
なんてしぶとい奴だ。

傷ついた体を酷使こくしして、背中をよじ登った。
奴の鼓動こどうが聞こえてきた。もう鼓動はゆっくりだ。

見えるぞ。ここが心臓部だ。
暗黒吸刀で何度の刺した。もう何度も何度もだ。

あ!ホワイトドラゴンが崩れるように倒れた。
その勢いで俺は、放り投げられた。

もう地面は目の前だ。柔道の受身を試みた。
それでも左肩に激痛が走った。もう血だらけだ。

ふらつきながら立ち上がった。

【氷魔法習得】と表示された。

しかし、俺は魔力を欲した状態だ。

画面に矢印が現れた。
わらにすがる思いで進んだ。
え!ホワイトドラゴンの体へ矢印が指し示していた。

もう我武者羅がむしゃらにドラゴンの体内に入った。
あ!温かいぞ。体が癒されてゆく。

【魔力吸収習得】

ハッキリと意識した。
急激に魔力が回復してゆく。光魔法で傷ついた体を治した。
痛かった体が、回復してゆくぞ。
俺は助かった。



目の前のホワイトドラゴンを黒い渦に回収だ。
一瞬で回収は終わった。

地面に落ちた暗黒吸刀を拾って歩き出した。

レッドドラゴンはこっちか・・・え!ギルドマスターがレッドドラゴンの周りで何かしてるぞ。

「ギルドマスター、何をしてるのですか」

「これは国王から預かった結界石だよ。このように5点で囲めば結界が発生して、誰も手出しできない優れものだ」

あ!本当に結界が発生している。
触ってみたが硬そうだ。鑑定を発動した。


【結界】

魔物を寄せ付けない結界

ほう・・・便利な物だな。



無事だった4輪バギー3台の1台を回収。

「ギルドマスター、2台の4輪バギーが無事でしたよ。もうここから去りましょう」

「あの白いドラゴンはどうした」

「レッドドラゴンが倒されたのを見て、逃げて行きましたよ」

「そうか・・・もうここには戻って来ないだろう」

「絶対に戻ってきませんよ」

4輪バギーにまたがって出発だ。

「それにしても便利な乗り物だな」

「これは売り物でないので売りませんよ」

「言われ無くとも分かってるよ」

そんな2人は、森の中を4輪バギーで駆け抜けた。


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