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元村長の災難と村の災難
しおりを挟む村長ら家族は、日本ギルド本部の特別室で長い間の質問を受けている。
「神田さん、本当にどこからどこまで話したか話してくれませんか?」
「何度、同じ話を聞くのですか・・・正直に話しましたよ。どうしたら信用できるのですか」
「それではポリグラフ検査に同意しますか」
「え!ポリグラフ検査ってなんですか?」
「知りませんか・・・別名嘘発見器ですよ」
「ああ・・・嘘発見器でも何でも構いませんからやって下さい」
「ありがとう御座います。それでは準備だ」
関係者がてきぱきと装置を準備して、隣の部屋でモニターを見守っていた。
担当の白髪交じり男性が静かに話しだした。
「質問に対してすべて「いいえ」と返答して下さい」
「・・・・・・」
「この人を見ましたか?」
顔写真を見せられて「はい」と村長はうっかり答えた。
「ダメですよ、すべて「いいえ」です。いいですね」
2時間近くも質問攻めだ。
更に催眠治療で記憶の掘り起しまでされる始末だ。
その結果、吸血鬼に鑑定やスキルの事がこと細かく知れた事は確実だ。
村長も護衛の人には鑑定しなかった。
そして鑑定を誤魔化す手段を手に入れたらしい。
吸血鬼が使用する精神支配(マインドコントロール)だ。
吸血鬼の眼で見詰められて、精神状態を操作して、吸血鬼の都合に合わせた特定の意思決定・行動へと誘導する。
それが精神支配であった。
そんな精神支配下におかれた元村長は、鑑定をしないように操作された。
それに対して俺の鑑定の指輪は、鑑定出来るから特別なのかも知れない。
そんな元村長が、神須ギルドへ現れた。
「あら元村長さん、顔がげっそりだね」
「もう家族からも攻められ、ギルドからも攻められて散々だよ。3日後にようやく開放されたよ」
「あんたもお人よしだから騙されるんだよ」
俺は、2人の会話を聞きつつ、カウンターに青い魔石を袋から出していた。
その隣では、ハルの赤い魔石が装置で仕分けされながら買取価格が表示された。
「ハルちゃんは、15万6千円だよ」
若い職員が笑顔での対応だ。
ニコニコ顔のハルは、カードを受け取りながらポーチへ大事に仕舞っている。
3階や4階と付き合って、討伐した魔石だ。
もう1人でも十分な実力者だ。
もう融合魔法で、霧を充満させて戦う事まで覚えた。
「ハル、仲間を募って潜ったりしないのか・・・」
「わたしが居たらダメですか」
そんな真顔で見られても・・・
「今までのままでいいのなら構わないぞ」
「師匠、よろしくお願いします」
2人して学園の天然温泉へ歩いてる途中で、学園の方がなにやら騒がしいぞ。
「侵入者だ!銃器の使用が許可されたからかまわず撃て!」
そんな声が聞こえてきた。
なんだと・・・物騒な。
あ!コルトMT6400を持った警備職員5人だ。上を警戒してるぞ。
学園内に放送が流れた。
「山に銃を持ったテロが3人居ます。急いで建物内に隠れて下さい。窓からも離れるように」
ハルは、水を高速回転させた物を3つも出して防御体勢を始めた。
「師匠、ここは私に任せて!」
「ハル、上の警戒も怠るな」
「はい」
4つ目の水防御が頭上に展開し出した。
「あれ!あれは山火事か・・・」
山から黒煙が見えた。
学園警備本部室で警備長は、イライラしながら歩き回っていた。
「こちらアルファ、対象者1人を発見、距離1233メートル撃ちますか?」
「こちら本部、撃ってヨシ」
「こちらアルファ、了解」
「目標周辺、北に微風、それ以外考量する必要なし」
狙撃者は、ゆっくりと引き金を引いた。
「こちらアルファ、対象者狙撃成功」
「こちら本部、C22にてセンサー反応あり、確認出来るか?」
「こちらアルファ、リーダーの風貌情報が一致、距離733メートルどうしますか?」
「こちら本部、足を狙えるか?」
「こちらアルファ、狙えます」
「こちら本部、撃ってヨシ」
「こちらアルファ、仲間が現れて助け上げてます」
「こちら本部、そいつを撃って」
「こちらアルファ、任務完了。イータによってリーダーの捕獲確認」
「こちら本部、山火事は燃え広がってる。アルファ、ベータ、ガンマは、火事に注意しながら引き続き警戒を続行されたし」
「こちらアルファ、了解」
「こちらベータ、了解」
「こちらガンマ、了解」
後で知った事だが、警備見回り隊が山で不審者16人を発見。
そのまま撃ち合いなって、3人が逃亡。
逃げる時に山に火を放った。
警備見回り隊は、警備本部に連絡して消火作業を行なった。
さして山火事の経験がない隊員は、消す事もできずに大きな山火事へと発展。
「山火事だ!山火事だ!」と逃げ出した。
ハルが駆け付けて、水魔法であっちに放水こっちに放水して消し止めた。
帰って来た姿は、びしょ濡れとススだらけでぐちゃぐちゃだった。
入国時の顔認識で国籍を調べ上げたら、ばらばらな国籍だった。
銃撃戦で生き残った男女3人とリーダーは、黙り込んだままだ。
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