神様!スローライフには準備が多すぎる!

わか

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ごはんは最高のスキルでした

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夕暮れの森。
キャンピング馬車の中に、やさしい匂いが広がっていた。

「さて……今日は料理」

インベントリを開く。

今日はちゃんと魔物の死体が並んでいる。
フォレストラビット、ウッドボア、森狼。

この世界では、
倒した魔物は消えない。
ちゃんと“物”として残る。

「じゃあ、解体」

《インベントリ内解体機能を使用しますか?》

「はい」

選択した瞬間、
画面が切り替わる。



解体結果

・兎肉(上質)
・魔猪肉(脂多め)
・狼肉(硬め)
・骨
・皮
・内臓(可食/不可食 自動判別)

「……便利すぎ」

血も、匂いも、汚れも一切なし。
清潔なパック状態で収納される。

「スローライフに必須」



今日の献立

・兎肉のシチュー
・魔猪肉のソテー
・森の薬草サラダ
・白パン(ネットスーパー)

「よし」

キッチンに立つ。
包丁を握る手も、迷いがない。

日本で一人暮らししていた頃、
質素だけど、ちゃんと自炊していた。

その経験が、ここで活きる。



鍋がぐつぐつ煮える音。
香草の香り。

ロイが、そわそわし始めた。

「……まだよ」

ロイはじっと我慢しているが、
尻尾が止まらない。

「かわいい」



実食

「はい、どうぞ」

ロイの前に、
兎肉を小さく切って差し出す。

ロイは一瞬だけ匂いを嗅いでから――

がぶっ。

次の瞬間、
目を見開いた。

「……?」

もぐもぐ。
もぐもぐもぐ。

そして――

「きゅう!」

明らかにテンションが上がった。

「気に入った?」

ロイは全力で頷くように頭を振る。

「よし」

完全に胃袋掴んだ。

《従魔ロイの忠誠度が上昇しました》
《リアナの料理を好む傾向が形成されました》

「……料理、強すぎ」


エリオは、相変わらず立ったまま。

「エリオも……」

「私は食事を必要としません」

「そっか」

少し寂しい。

でも、エリオは静かに続けた。

「その代わり、
 リアナ様の魔力を補充することが可能です」

「え?」

「ゴーレムは、
 主の魔力循環を助ける存在でもあります」

「……どうやって?」

エリオは一歩近づき、
そっと手を差し出した。

「触れるだけで」

半信半疑で、手を重ねる。

すると――
体の奥が、じんわり温かくなった。

「……あ」

《魔力回復》
《疲労軽減》

「これは……」

「食事の代わりです」

「便利すぎない?」

エリオは微笑んだ。

「リアナ様が元気であることが、最優先です」





シチューを食べながら、
ロイは幸せそうに丸くなる。

「明日も作るよ」

ロイは即答で鳴いた。

「そんなに好き?」

尻尾、ぶんぶん。

「……よし」

私は決めた。

「この世界でも、
 ちゃんとごはん作る」

戦闘も、魔法も、拠点も大事。

でも。

「ごはんは、心の防御力」

キャンピング馬車の中、
ぬくもりと匂いに包まれて。

リアナのスローライフは、
今日も順調だった。
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