神様!スローライフには準備が多すぎる!

わか

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料理を量産しよう!

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朝。
キャンピング馬車のキッチンに、私は立っていた。

「今日は……大量生産」

インベントリは便利だけど、
町に行けば宿のキッチンは自由に使えない。
屋台や外食も、味も衛生も当たり外れがある。

「なら、今のうちに作る」

それがリアナ式スローライフ。



インベントリ保存の仕様確認

《インベントリ内は時間経過なし》
《劣化・腐敗・温度変化なし》

「……神」

これ、冷蔵庫どころじゃない。

「よし、作ろう」



今日の保存食ラインナップ

・兎肉のシチュー(10食分)
・魔猪肉の甘辛煮(15食分)
・干し肉(狼肉)
・スープベース
・パン(ネットスーパー小麦)
・おにぎり(ネットスーパー米)

鍋がいくつも並ぶ。

「忙しいけど……楽しい」

包丁を動かしながら、
ふと気づく。

「あ、調味料」



異世界ネットスーパー、初起動

「ネットスーパー、開く」

視界に、見慣れたUIが浮かぶ。

《いらっしゃいませ》

「……日本語」

ちょっと泣きそうになる。

「味噌、醤油、砂糖、塩……」

買い物かごに放り込む。

「出汁……ある!」

《購入完了》

魔力決済。
インベントリに即反映。

「勝った」

文明の勝利。



魔物狩りも忘れない

保存食を作り終えた後、
リアナ、ロイ、エリオで森へ。

「今日は、レベル上げも兼ねて」

《魔物反応:複数》

ゴブリン、森狼、スライム。

戦闘は流れるように進む。

・ロイが撹乱
・リアナが魔法
・エリオが補助結界

《レベルアップ》
《魔力量増加》
《魔法制御精度向上》

「いい感じ」

倒した魔物は、そのまま残る。

「あとで解体」

インベントリに収納。



事件は、匂いから始まった

夕方。

保存食の仕上げをしていると、
ロイが突然耳を立てた。

「……ロイ?」

低い唸り声。

《敵性反応:接近中》

「え?」

外を見ると、
森の奥から、魔物が集まってきている。

「……これ」

エリオが静かに言う。

「料理の匂いでは?」

「……まさか」

否定できない。




炎色の毛並みをした、小さな狐。

《フレイムフォックス》
《知能:高》
《食に執着あり》

「……可愛い」

狐は距離を保ったまま、
じっと鍋を見ている。

「食べたいの?」

一歩も近づかない。
でも、視線は外さない。

「敵意……ない?」

《敵意:低》

私は小さく息を吐いた。

「……料理目当て、か」



交渉

シチューを少量取り分け、
地面に置く。

「これ以上は近づかないで」

狐は警戒しつつ、
ゆっくり近づき――

一口。

次の瞬間、
尻尾が燃えるように揺れた。

「……気に入った?」

狐は、こくりと頷いた。

《従魔契約可能》

「……増えるなあ」

でも、拒否する理由はなかった。

「来る?」

狐は、即答で鳴いた。



新しい仲間

《従魔契約完了》

「名前……」

炎と食いしん坊。

「リィ」

短くて、呼びやすい。

リィは嬉しそうに鳴いて、
ロイの隣に座る。

ロイは一瞬警戒したが、
料理を分け与えると即和解。

「……ごはん、強い」





保存食はインベントリに整然と並ぶ。

「これで、しばらく安心」

町に行っても、
宿でも、野営でも。

「ごはんに困らない」

ロイは満腹で寝息を立て、
リィは尻尾を揺らしながら丸くなる。

エリオは静かに立ち、
リアナの魔力循環を整えている。

「……いいね」

戦って、作って、備えて。

この世界で、
私はちゃんと生きている。

スローライフは、
準備が九割。

そして今――
準備は、ほぼ完了していた。
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