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この妄想はヤバいでしょ
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最初は体調が悪いのかな? と思った。
けれどアルロード様は緊張しているだけだという。大丈夫かなぁと心配していたら、急に意を決したような顔でアルロード様に詰め寄られた。
「ルキノ」
「うわわわわ、あ、アルロード様!?」
もう、うろたえるしかない。だってアルロード様が僕の両肩に手を置いて、ぐっと距離を詰めてきたんだから。
なに、この距離感。
しかもアルロード様のお顔の破壊力ヤバすぎない?
目が潤んで、若干頬が赤くて、切羽詰まったようなこのご尊顔、ときめかない方が無理なんですけど!!???
しかもその形のいい唇が、理解不能な言葉を紡ぎ始める。
「ルキノ、好きなんだ」
「へ!!???」
「縁談なんて断って、どうか僕と結婚して欲しい」
「え、いや、ちょっと待って」
マジで待って。
なんかとんでもない空耳が聞こえたような。
今アルロード様、好きだって……結婚して欲しいって言わなかった?
いや、待て待て待て。
いくら乙女垂涎のシチュエーションだからってこの妄想はヤバいでしょ。
妄想じゃなかったら、そこまで考えてハッとした。
そうだ、アルロード様は前々からオレが貴族の第二夫人として嫁ぐと言うと、とても心配してくれていた。愛されないんじゃないかって懸念を持ってくれていたようだけれど、そこは別に本当に心配しなくてもいいんだけど。
「アルロード様、あの、本当にオレ、大丈夫ですから。心配しなくていい……」
「そういうことじゃないんだ」
食い気味にさえぎられた。
「昨日、ルキノから縁談が決まりそうだと聞いた時、僕はものすごく悲しかった」
「え……」
「実を言うとゆうべひと晩中泣いて眠れなかった」
「泣いた!? え、アルロード様が? え、待って。ひと晩中って」
アルロード様はいつも穏やかに微笑んでいて、激しく怒ったり悲しんだり、逆に有頂天になったりすることもない、泰然自若としたふるまいのお方。
お傍で話すようになってからは思っていたよりも感情の起伏を感じてはいたけれど、まさかあのアルロード様がひと晩中涙することがあるだなんて。
しかも、オレの縁談が決まったから?
意味が分からない。
混乱するオレに、アルロード様は容赦なく畳みかけてくる。
「うん、ひと晩中。こんなに感情が爆発したのは初めてで、自分でも何が起こってるのか分からなかったけれど……とにかく、ルキノが僕じゃないだれかと結婚して、会えなくなるのはどうしても無理だと思ったんだ。……言ってる意味、分かる?」
「え、えと」
言葉は分かる。でもその意味が分からない。
オレがアルロード様以外の誰かと結婚するのが悲しい、だなんて。
言葉通りに聞いてしまうと、とんでもない答えに行きついてしまいそうで、オレはアルロード様から目を逸らし、考えるのをやめにした。
ところがどっこい、アルロード様はうやむやにする気は一切なかったらしい。
「ルキノ、僕の目を見て」
う……。
「ルキノ?」
アルロード様のお声の魔力スゴイ。
「ルキノ、お願いだからこっちを向いて」
三度も請われてしまえば、もはやオレごときにアルロード様のお言葉を無視することなど出来よう筈もない。
おずおずと視線をあげてアルロード様を見上げたら、バチっと目が合う。
吸い込まれそうな青い瞳。
やっぱり最高にイケメン。このご尊顔をこんな間近で見る事ができるとは。ありがとうございます……!
しかもにっこりと笑ってくれて、その笑顔を見るだけで幸せな気持ちが沸き上がってくるんだから困る。
「聞いてた? ルキノ、好きだ。僕と結婚して欲しい」
改めてまっすぐな告白の言葉を貰って、その破壊力に足がふらつく。
「おっと」
よろめくオレを、アルロード様が腰を抱いてしっかり支えてくれた。
「む、無理……!」
より近づいた距離に、脳みそが沸騰しそう。
「どうして? ルキノは『あのお方』と結婚したいわけじゃないよね? 結婚相手にこだわりはないと思ったけれど」
「でも、でも、アルロード様は無理……!」
「どうして? ルキノは以前、僕の事を大好きだと言ってくれただろう? あれは嘘だったのかな」
「嘘だなんて!!! 大好きに決まってます! でもアルロード様はオレの推しなんで!!! アルロード様には愛する人と幸せになって欲しくて!!!」
顔を近づけないで!!! 噴死しそうだから……!!!
「そうか、じゃあ問題ないね。僕の愛する人はルキノだ。僕も愛する人と幸せになりたい」
ぎゅう、と抱きしめられて、オレの脳みそは許容量を超えてしまったらしい。プツ、と小さな音がして、気を失ってしまったらしかった。
***
目を覚ましたら、とても美しい夕焼けが広がっていた。
「……?」
「ごめんね」
小さな謝罪の声の方に視線を向けると、アルロード様がオレを心配そうに見下ろしている。
あれ? オレ、何してたっけ? なんでアルロード様が謝るんだ? と思ったところで、急に思い出した。
「~~~~~っ!!!!」
ボッ! と体中が熱くなるのが自分で分かる。多分顔だって真っ赤だと思う。
「思い出した? ごめんね、強引だったね。でもルキノが結婚してしまうかも、と思ったら焦ってしまった」
「あ、焦るって」
「ルキノに縁談の話を持って行ったのはね、実はイオスタ殿下なんだ」
「へ?」
けれどアルロード様は緊張しているだけだという。大丈夫かなぁと心配していたら、急に意を決したような顔でアルロード様に詰め寄られた。
「ルキノ」
「うわわわわ、あ、アルロード様!?」
もう、うろたえるしかない。だってアルロード様が僕の両肩に手を置いて、ぐっと距離を詰めてきたんだから。
なに、この距離感。
しかもアルロード様のお顔の破壊力ヤバすぎない?
目が潤んで、若干頬が赤くて、切羽詰まったようなこのご尊顔、ときめかない方が無理なんですけど!!???
しかもその形のいい唇が、理解不能な言葉を紡ぎ始める。
「ルキノ、好きなんだ」
「へ!!???」
「縁談なんて断って、どうか僕と結婚して欲しい」
「え、いや、ちょっと待って」
マジで待って。
なんかとんでもない空耳が聞こえたような。
今アルロード様、好きだって……結婚して欲しいって言わなかった?
いや、待て待て待て。
いくら乙女垂涎のシチュエーションだからってこの妄想はヤバいでしょ。
妄想じゃなかったら、そこまで考えてハッとした。
そうだ、アルロード様は前々からオレが貴族の第二夫人として嫁ぐと言うと、とても心配してくれていた。愛されないんじゃないかって懸念を持ってくれていたようだけれど、そこは別に本当に心配しなくてもいいんだけど。
「アルロード様、あの、本当にオレ、大丈夫ですから。心配しなくていい……」
「そういうことじゃないんだ」
食い気味にさえぎられた。
「昨日、ルキノから縁談が決まりそうだと聞いた時、僕はものすごく悲しかった」
「え……」
「実を言うとゆうべひと晩中泣いて眠れなかった」
「泣いた!? え、アルロード様が? え、待って。ひと晩中って」
アルロード様はいつも穏やかに微笑んでいて、激しく怒ったり悲しんだり、逆に有頂天になったりすることもない、泰然自若としたふるまいのお方。
お傍で話すようになってからは思っていたよりも感情の起伏を感じてはいたけれど、まさかあのアルロード様がひと晩中涙することがあるだなんて。
しかも、オレの縁談が決まったから?
意味が分からない。
混乱するオレに、アルロード様は容赦なく畳みかけてくる。
「うん、ひと晩中。こんなに感情が爆発したのは初めてで、自分でも何が起こってるのか分からなかったけれど……とにかく、ルキノが僕じゃないだれかと結婚して、会えなくなるのはどうしても無理だと思ったんだ。……言ってる意味、分かる?」
「え、えと」
言葉は分かる。でもその意味が分からない。
オレがアルロード様以外の誰かと結婚するのが悲しい、だなんて。
言葉通りに聞いてしまうと、とんでもない答えに行きついてしまいそうで、オレはアルロード様から目を逸らし、考えるのをやめにした。
ところがどっこい、アルロード様はうやむやにする気は一切なかったらしい。
「ルキノ、僕の目を見て」
う……。
「ルキノ?」
アルロード様のお声の魔力スゴイ。
「ルキノ、お願いだからこっちを向いて」
三度も請われてしまえば、もはやオレごときにアルロード様のお言葉を無視することなど出来よう筈もない。
おずおずと視線をあげてアルロード様を見上げたら、バチっと目が合う。
吸い込まれそうな青い瞳。
やっぱり最高にイケメン。このご尊顔をこんな間近で見る事ができるとは。ありがとうございます……!
しかもにっこりと笑ってくれて、その笑顔を見るだけで幸せな気持ちが沸き上がってくるんだから困る。
「聞いてた? ルキノ、好きだ。僕と結婚して欲しい」
改めてまっすぐな告白の言葉を貰って、その破壊力に足がふらつく。
「おっと」
よろめくオレを、アルロード様が腰を抱いてしっかり支えてくれた。
「む、無理……!」
より近づいた距離に、脳みそが沸騰しそう。
「どうして? ルキノは『あのお方』と結婚したいわけじゃないよね? 結婚相手にこだわりはないと思ったけれど」
「でも、でも、アルロード様は無理……!」
「どうして? ルキノは以前、僕の事を大好きだと言ってくれただろう? あれは嘘だったのかな」
「嘘だなんて!!! 大好きに決まってます! でもアルロード様はオレの推しなんで!!! アルロード様には愛する人と幸せになって欲しくて!!!」
顔を近づけないで!!! 噴死しそうだから……!!!
「そうか、じゃあ問題ないね。僕の愛する人はルキノだ。僕も愛する人と幸せになりたい」
ぎゅう、と抱きしめられて、オレの脳みそは許容量を超えてしまったらしい。プツ、と小さな音がして、気を失ってしまったらしかった。
***
目を覚ましたら、とても美しい夕焼けが広がっていた。
「……?」
「ごめんね」
小さな謝罪の声の方に視線を向けると、アルロード様がオレを心配そうに見下ろしている。
あれ? オレ、何してたっけ? なんでアルロード様が謝るんだ? と思ったところで、急に思い出した。
「~~~~~っ!!!!」
ボッ! と体中が熱くなるのが自分で分かる。多分顔だって真っ赤だと思う。
「思い出した? ごめんね、強引だったね。でもルキノが結婚してしまうかも、と思ったら焦ってしまった」
「あ、焦るって」
「ルキノに縁談の話を持って行ったのはね、実はイオスタ殿下なんだ」
「へ?」
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