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仕事から帰ってきてから、十季の様子がおかしいことには気づいていた。だけど、声をかけても「大丈夫」としか言わず、踏み込んで欲しくないかと思って、それ以上は何も聞かなかった。
夜中、腰回りが冷たくて目を覚ますと、左側のパジャマだけが湿っている感じで濡れていた。変な寝汗をかいたのかと体を起こそうとベットに手をつくとぐっしょりとした感触が手に伝わる。慌てて布団を捲ってみても、暗くてよくわからず、手探りで布団を触ると十季の寝ている左側一帯が濡れていた。
え?おねしょ?
明かりを落としてスタンドライトをつけると、間違いはなさそうだ。この状況に頭が回らずボーッとしてしまう。この歳でもやっちゃうことってあるのかな?十季と付き合い始めて2年、一緒に暮らして1年経つが、こんな失敗をしたところは見たことがなかった。それにいつも碧の方が頼っている立場なので余計に今、目の前で起こっていることが信じられなかった。
えっと……まず、どうしよう……
「うっ……んっ……いやっ」
一瞬、十季が起きたのかと思ったけど、うなされているように苦しそうな声を出しただけだった。そして小さく丸まったかと思うと少し震え出す。こんな状態でいたら風邪を引くよなと、意を決して軽く肩を揺らして十季の名前を呼んだ。
夜中、腰回りが冷たくて目を覚ますと、左側のパジャマだけが湿っている感じで濡れていた。変な寝汗をかいたのかと体を起こそうとベットに手をつくとぐっしょりとした感触が手に伝わる。慌てて布団を捲ってみても、暗くてよくわからず、手探りで布団を触ると十季の寝ている左側一帯が濡れていた。
え?おねしょ?
明かりを落としてスタンドライトをつけると、間違いはなさそうだ。この状況に頭が回らずボーッとしてしまう。この歳でもやっちゃうことってあるのかな?十季と付き合い始めて2年、一緒に暮らして1年経つが、こんな失敗をしたところは見たことがなかった。それにいつも碧の方が頼っている立場なので余計に今、目の前で起こっていることが信じられなかった。
えっと……まず、どうしよう……
「うっ……んっ……いやっ」
一瞬、十季が起きたのかと思ったけど、うなされているように苦しそうな声を出しただけだった。そして小さく丸まったかと思うと少し震え出す。こんな状態でいたら風邪を引くよなと、意を決して軽く肩を揺らして十季の名前を呼んだ。
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