51 / 95
プレゼント⑵
しおりを挟む
「真野、実に連絡先教えたよ」
「あぁ、はい。昨日メッセージきました」
昼休憩の時、一緒にご飯を食べていた都築さんに言われる。昨日、カフェを出るときに佐藤さんに連絡先を教えて欲しいと言われて、次の外勤先に急いでいたこともあり、深く考えないで、都築さんに聞いてと言って、その場をあとにしていた。
でもその日の夜、先生とまんぷく屋にいる時に佐藤さんからメッセージが届いて、少し複雑な気持ちになった。その場にいた先生に、佐藤さんと連絡先を交換したことを話すと、嫌な訳じゃないけど、自分の教え子とやり取りをされるのは複雑と困惑顔をされた。
「あの……ボクと佐藤さんがメッセージでやり取りするのって、嫌じゃないですか?」
自分の彼女が他の男と連絡を取り合ってるのはどうなんだろう。まぁ、ボクには全くその気はないのだけれど……
「ん?あぁ、真野なら別にいいかな。安全パイみたいな感じ?」
「それって、ボクが先生と付き合ってるから……ですか?」
男と付き合ってるというと、やっぱり世間的には、そういう風に見られるのかなと思う。
「え?」
「ボクが男の人と付き合ってるから、だから、女の人には興味ないから安全パイなのかなって」
「え、いや、その……」
都築さんは困惑顔で、歯切れ悪く返す。都築さんと話をしていて、先生には同じように見てほしいと思っているのに、周りからそう見られると何とも言えない気持ちになる。
「ボクは別に男の人が好きな訳ではないですよ。先生だから好きなだけで。先生が男だったってだけで……」
「あぁ。うん。そういうつもりで言った訳じゃなかったんだけど、悪かった。俺もそういう気持ちはわかるよ。実が高校生だから付き合ってる訳じゃないしな」
謝られて自分の自分勝手な考えが、急に恥ずかしくなる。
「す、すいません。ボクも何言ってるんだろう。あ、それに矛盾しますけど、安全パイなのは確かで……あぁ、えっと、ごめんなさい」
「安全パイって言ったのは、真野、お前、奥田さんしか見えてないだろうなと思ったから。あ、あと実が、またお前と、精霊シリーズの話がしたいって言ってたこともあるしな。俺は一緒に映画は見たけど、どうしてもあの熱量についていけないしな。だから、たまにあいつに付き合ってあげてよ」
「それは、ボクも好きな本の話ができて楽しいので、都築さんが嫌でなければ……」
都築さんと話していて、ボクのこの自分勝手な考えが先生は気づいていたのかもしれないと改めて思った。
「あぁ、はい。昨日メッセージきました」
昼休憩の時、一緒にご飯を食べていた都築さんに言われる。昨日、カフェを出るときに佐藤さんに連絡先を教えて欲しいと言われて、次の外勤先に急いでいたこともあり、深く考えないで、都築さんに聞いてと言って、その場をあとにしていた。
でもその日の夜、先生とまんぷく屋にいる時に佐藤さんからメッセージが届いて、少し複雑な気持ちになった。その場にいた先生に、佐藤さんと連絡先を交換したことを話すと、嫌な訳じゃないけど、自分の教え子とやり取りをされるのは複雑と困惑顔をされた。
「あの……ボクと佐藤さんがメッセージでやり取りするのって、嫌じゃないですか?」
自分の彼女が他の男と連絡を取り合ってるのはどうなんだろう。まぁ、ボクには全くその気はないのだけれど……
「ん?あぁ、真野なら別にいいかな。安全パイみたいな感じ?」
「それって、ボクが先生と付き合ってるから……ですか?」
男と付き合ってるというと、やっぱり世間的には、そういう風に見られるのかなと思う。
「え?」
「ボクが男の人と付き合ってるから、だから、女の人には興味ないから安全パイなのかなって」
「え、いや、その……」
都築さんは困惑顔で、歯切れ悪く返す。都築さんと話をしていて、先生には同じように見てほしいと思っているのに、周りからそう見られると何とも言えない気持ちになる。
「ボクは別に男の人が好きな訳ではないですよ。先生だから好きなだけで。先生が男だったってだけで……」
「あぁ。うん。そういうつもりで言った訳じゃなかったんだけど、悪かった。俺もそういう気持ちはわかるよ。実が高校生だから付き合ってる訳じゃないしな」
謝られて自分の自分勝手な考えが、急に恥ずかしくなる。
「す、すいません。ボクも何言ってるんだろう。あ、それに矛盾しますけど、安全パイなのは確かで……あぁ、えっと、ごめんなさい」
「安全パイって言ったのは、真野、お前、奥田さんしか見えてないだろうなと思ったから。あ、あと実が、またお前と、精霊シリーズの話がしたいって言ってたこともあるしな。俺は一緒に映画は見たけど、どうしてもあの熱量についていけないしな。だから、たまにあいつに付き合ってあげてよ」
「それは、ボクも好きな本の話ができて楽しいので、都築さんが嫌でなければ……」
都築さんと話していて、ボクのこの自分勝手な考えが先生は気づいていたのかもしれないと改めて思った。
1
あなたにおすすめの小説
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
溺愛前提のちょっといじわるなタイプの短編集
あかさたな!
BL
全話独立したお話です。
溺愛前提のラブラブ感と
ちょっぴりいじわるをしちゃうスパイスを加えた短編集になっております。
いきなりオトナな内容に入るので、ご注意を!
【片思いしていた相手の数年越しに知った裏の顔】【モテ男に徐々に心を開いていく恋愛初心者】【久しぶりの夜は燃える】【伝説の狼男と恋に落ちる】【ヤンキーを喰う生徒会長】【犬の躾に抜かりがないご主人様】【取引先の年下に屈服するリーマン】【優秀な弟子に可愛がられる師匠】【ケンカの後の夜は甘い】【好きな子を守りたい故に】【マンネリを打ち明けると進み出す】【キスだけじゃあ我慢できない】【マッサージという名目だけど】【尿道攻めというやつ】【ミニスカといえば】【ステージで新人に喰われる】
------------------
【2021/10/29を持って、こちらの短編集を完結致します。
同シリーズの[完結済み・年上が溺愛される短編集]
等もあるので、詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。
ありがとうございました。
引き続き応援いただけると幸いです。】
リスタート 〜嫌いな隣人に構われています〜
黒崎サトウ
BL
男子大学生の高梨千秋が引っ越したアパートの隣人は、生涯許さないと決めた男であり、中学の頃少しだけ付き合っていた先輩、柳瀬英司だった。
だが、一度鉢合わせても英司は千秋と気づかない。それを千秋は少し複雑にも思ったが、これ好都合と英司から離れるため引越しを決意する。
しかしそんな時、急に英司が家に訪問してきて──?
年上執着×年下強気
二人の因縁の恋が、再始動する。
*アルファポリス初投稿ですが、よろしくお願いします。
サラリーマン二人、酔いどれ同伴
風
BL
久しぶりの飲み会!
楽しむ佐万里(さまり)は後輩の迅蛇(じんだ)と翌朝ベッドの上で出会う。
「……え、やった?」
「やりましたね」
「あれ、俺は受け?攻め?」
「受けでしたね」
絶望する佐万里!
しかし今週末も仕事終わりには飲み会だ!
こうして佐万里は同じ過ちを繰り返すのだった……。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
百戦錬磨は好きすぎて押せない
紗々
BL
なんと!HOTランキングに載せていただいておりました!!(12/18現在23位)ありがとうございます~!!*******超大手企業で働くエリート営業マンの相良響(28)。ある取引先の会社との食事会で出会った、自分の好みドンピシャの可愛い男の子(22)に心を奪われる。上手いこといつものように落として可愛がってやろうと思っていたのに…………序盤で大失態をしてしまい、相手に怯えられ、嫌われる寸前に。どうにか謝りまくって友人関係を続けることには成功するものの、それ以来ビビり倒して全然押せなくなってしまった……!*******百戦錬磨の超イケメンモテ男が純粋で鈍感な男の子にメロメロになって翻弄され悶えまくる話が書きたくて書きました。いろんな胸キュンシーンを詰め込んでいく……つもりではありますが、ラブラブになるまでにはちょっと時間がかかります。※80000字ぐらいの予定でとりあえず短編としていましたが、後日談を含めると100000字超えそうなので長編に変更いたします。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる