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番を持ってるΩです
新side後継者修行
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耳元で鳴るアラームに顔を顰めたけれど、隣の温かな体温と甘い匂いに目をこじ開けた。ああ、毎朝こうして岳が側に居るのはなんて特別なんだろう。そう思えば、アラームでまだ真っ暗な中起きるのも何でも無い事に思えた。
起こさない様に岳を引き寄せて腕の中に閉じ込めると、寝ぼけた様子で眠そうな眼差しを向けた。
「…悪い、起こしちゃったか。伯父さんに呼ばれてるから行くな?」
そう言うと何かモニョモニョと口元を動かしたけれど、半分眠っている様でそれが妙に愛おしい。オメガらしくなるにつれて血色の良くなった赤い唇に吸い付くと、名残惜しかったけれどまた眠りについた岳をそっと手離して起き上がった。
微動だにしない向こう側の叶斗に薄く笑うと、東京に戻った誠さんの居ないこの部屋は、三人だと十分に広いのだと認識した。なるべく音を立てない様に起き上がると、サッと身支度をしてマンションから一階のホールへと降りた。
オートロックの正面玄関から出ると、まだ夜と言える様な暗闇にハザードランプを瞬かせて車が待っていた。俺が手を上げて後ろのドアを開けて乗り込むと、車は音もなく走り出した。
「おはようございます。こんな早くにすみません。」
俺が運転席に座る高井家の信治さんに言うと、信治さんはミラー越しに微笑んで言った。
「おはようございます、新さん。全然大丈夫ですよ。仕事柄、この時間に動く事も案外有りますからね。慣れたものです。それに次期当主候補の新さんの修行のためですから、私も喜んで協力させて頂きます。
以前から新さんが当主になって貰うのが一番だと、本家筋では密かに話がされていたんです。けれど、新さんのお父さんである忍さんが頑なに拒否されてましたから半分諦めていました。
ですから新さんがご自分から高井家の跡を継ぎたいとお話があったとお聞きして、どんなに嬉しかったか分かりません。これで陰陽道高井家はますます盤石になりますから。」
そう言われて、俺は思わず苦笑いした。俺が陰陽道を継ぎたいと言った時の父さんの顔を思い出したからだ。驚きと諦め、そして安堵?そんな複雑な気持ちが滲み出た強張った声で父さんは言った。
「…それは岳君のためか?」
さすがは父さんだった。伊達に弁護士の看板を下げている訳じゃない。俺は父さんを真っ直ぐに見つめて頷いた。
「灰原さんに言われたんだ。変異Ωである岳は番を持ったとしても守りが必要だって。それには俺の高井家の力は大きな後ろ盾になるだろうってね。俺は今まで考えた事もなかったけど、自分に陰陽道の力の素質がある事には薄々は気づいていた。
伯父さんも俺が後継者になる事を望んでいるだろう?父さんが今まで高井家の家業に俺を巻き込まれない様に考えてくれてきた事も分かってる。有り難かったよ。でもさ、今の俺が一番優先するのは番である岳の事なんだ。だから岳の為なら、俺は何者でもなるよ。」
起こさない様に岳を引き寄せて腕の中に閉じ込めると、寝ぼけた様子で眠そうな眼差しを向けた。
「…悪い、起こしちゃったか。伯父さんに呼ばれてるから行くな?」
そう言うと何かモニョモニョと口元を動かしたけれど、半分眠っている様でそれが妙に愛おしい。オメガらしくなるにつれて血色の良くなった赤い唇に吸い付くと、名残惜しかったけれどまた眠りについた岳をそっと手離して起き上がった。
微動だにしない向こう側の叶斗に薄く笑うと、東京に戻った誠さんの居ないこの部屋は、三人だと十分に広いのだと認識した。なるべく音を立てない様に起き上がると、サッと身支度をしてマンションから一階のホールへと降りた。
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「おはようございます。こんな早くにすみません。」
俺が運転席に座る高井家の信治さんに言うと、信治さんはミラー越しに微笑んで言った。
「おはようございます、新さん。全然大丈夫ですよ。仕事柄、この時間に動く事も案外有りますからね。慣れたものです。それに次期当主候補の新さんの修行のためですから、私も喜んで協力させて頂きます。
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ですから新さんがご自分から高井家の跡を継ぎたいとお話があったとお聞きして、どんなに嬉しかったか分かりません。これで陰陽道高井家はますます盤石になりますから。」
そう言われて、俺は思わず苦笑いした。俺が陰陽道を継ぎたいと言った時の父さんの顔を思い出したからだ。驚きと諦め、そして安堵?そんな複雑な気持ちが滲み出た強張った声で父さんは言った。
「…それは岳君のためか?」
さすがは父さんだった。伊達に弁護士の看板を下げている訳じゃない。俺は父さんを真っ直ぐに見つめて頷いた。
「灰原さんに言われたんだ。変異Ωである岳は番を持ったとしても守りが必要だって。それには俺の高井家の力は大きな後ろ盾になるだろうってね。俺は今まで考えた事もなかったけど、自分に陰陽道の力の素質がある事には薄々は気づいていた。
伯父さんも俺が後継者になる事を望んでいるだろう?父さんが今まで高井家の家業に俺を巻き込まれない様に考えてくれてきた事も分かってる。有り難かったよ。でもさ、今の俺が一番優先するのは番である岳の事なんだ。だから岳の為なら、俺は何者でもなるよ。」
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