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交差
目の前のことだけ※
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目の前で僕を熱い眼差しで見つめる兄上が義兄弟だとか、問題になりそうな事は全て何処かへ放り出してしまった。兄上が欲しい気持ちが、そんなのは些細な事だと吹き飛ばしてしまう。
さっきから身体中口付けられて、同時に身体の奥を何度も指でなぞられて、僕には余裕などそもそも無かった。
グチュグチュと指でじっくり解されて、僕はさっきから甘く呻くことしかしていない。少しずつ増やされた指は、もうギッチリと僕を圧倒していて、這い上がってくる快感に振り回されている。
「あぁっ、…もう、兄上っ…。ああぁっ!」
抉る様な指先がズルリと僕の中から出て行くと、どこかホッとする様な、物足りない様な矛盾した気持ちになって、追い縋る様に兄上を見上げた。
兄上は僕の窄みを見つめた後、新しい香油を自分の猛り切ったそれに塗りつけると、まるで僕に心の準備をさせる様に目の前でゆっくりと扱いた。
「まだ狭いかもしれないが私も限界だ。馴染ませる様にゆっくりいくから挿れてもいいか?」
兄上の長めの黒髪がサラリと僕の胸に落ちて来て、そのすぐ後にチリっとした痛みと気持ち良さを感じた僕は、兄上の形の良い頭を両手で抱えながら囁いた。
「僕も兄上に来て欲しい。ひとつになって僕を兄上のものにして…。」
胸から顔を上げた兄上が、迫力のある笑みを浮かべて僕に口づけながら、僕は兄上の重量のあるそれで敏感な窄みをなぞられたのを感じた。クチクチと卑猥な水音が鳴る中、自分でも兄上を呑み込みたくて腰を揺らした。
「…ああ、さっきアンドレが物欲しげに下の口を開けていたから、直ぐ咥え込めるとは思っていたが、ふ、すっかり吸いついてくる…な。」
兄上にそんな風に耳元で囁かれて、僕は敏感になった身体を熱く感じながら、ゆっくり兄上自身を受け入れていった。兄上が時間を掛けてくれたせいか、圧迫感はあっても痛みは感じなかった。
それよりグチグチと出し挿れされる度にお腹の奥が響いて、それが気持ち良さに変わる頃にはもっと欲しいのに、何処か怖さも感じて兄上にしがみついていた。
「兄上…、怖い。気持ち良いのに…。」
すると兄上はグッと僕の中へ入り込むと、それから動きを止めて優しく口づけた。器用な指先が僕の胸を摘んで引っ掻くと、鋭い快感が股間を揺らした。
「アンドレの中熱いな…。私を欲しがってうねってる。…ふっ。」
さっきまで怖かったのに、今はあの気持ち良さが欲しくて堪らなくなった。僕の足先が無意識に兄上の太腿をなぞって絡みついて、まるで僕の方が兄上を取り込もうとしている。
「兄上っ、動いて…!さっきみたいに、してっ…!」
僕の言葉通りに、兄上がズルリと引き抜いて、それから一気に僕を抉った。ああ、その驚く様な快感は言葉に出来ない。しかも僕はそれをゆっくり味わう暇もなく、文字通り兄上に磔にされて何度も何度も僕の中を擦り立てられていた。
悲鳴に似た甘い声が自分のものだと信じられないけれど、喉からほとばしるのを止めることなど出来なかった。
不意にぎゅっと抱きしめられて、僕はぼんやりと兄上の落とす唇を探った。
「…アンドレ愛してる、こんなのは私も初めてなんだ…!」
切羽詰まった表情で僕を見下ろしながら、それでも殊更ゆっくりと腰を揺らす兄上に、僕は震える様な興奮と快感を与えられてギリギリと何かに締め付けられる様だった。
そんな僕の濡れそぼって震える自身を、兄上が扱きながら腰を振り立てたから堪らない。僕は悲鳴に似た嬌声をあげて高みに放り出された。その真っ白な絶頂は痺れる様な強烈なもので、僕は息も止まっていただろう。
汗で濡れた厚い身体で僕をぐちゃぐちゃに揺さぶりながら、兄上もまた僕の中でビクビクと果てたのを感じた。ああ、その時の感動と安堵感はどう表現して良いか分からない。
僕たちはひとつになって、文字通り僕は兄上のものになった。そして兄上もまた僕に喰われたんだ。
その事実は僕を幸せにしたし、同時に失うのを怖くさせた。ここに来る前は兄上を感じるのは生涯一度だけでも良いと思ってた僕なのに、今は二度と離したくないと貪欲になってしまった。
まだ僕から出ようとしない兄上にしがみついて、僕はゆるゆると腰を揺らして囁いた。
「まだ、行かないで…。もう少しだけ一緒に…。」
途端に僕の中の兄上が力を増した気がして、僕はそれが与えた気持ち良さに呻いた。僕の顔の横で両手を突っ張らせながら、ゆるゆると腰を揺らす兄上は、見たことのない嬉しげな表情で僕を見下ろして言った。
「…アンドレに負担になるかと思ったが、遠慮しなくて良さそうだな。私がアンドレをどれほど欲しかったか見せてやれそうだ。」
僕はきっと間違ってしまったのかもしれない。それか見誤ったのかも。それから兄上が僕に示してくれたその愛は僕を追い詰めて、喉を枯れさせて、そして歩けなくさせた。
朝目覚めても、僕は腰砕けになってしまっていた。兄上が甲斐甲斐しく僕のお世話をするあれこれは口に出せない様な辱めもあったけれど、恥ずかしがる僕をギラついた眼差しで見つめる兄上に、正直ムラムラしたのは内緒だ。
少し兆した兄上に気づかないふりをした僕がこっそり笑みを浮かべたのが見つかって、ちょっとした甘いお仕置きを受けてしまったけれど、それを僕も望んでいたのは兄上にはバレなかったよね?
さっきから身体中口付けられて、同時に身体の奥を何度も指でなぞられて、僕には余裕などそもそも無かった。
グチュグチュと指でじっくり解されて、僕はさっきから甘く呻くことしかしていない。少しずつ増やされた指は、もうギッチリと僕を圧倒していて、這い上がってくる快感に振り回されている。
「あぁっ、…もう、兄上っ…。ああぁっ!」
抉る様な指先がズルリと僕の中から出て行くと、どこかホッとする様な、物足りない様な矛盾した気持ちになって、追い縋る様に兄上を見上げた。
兄上は僕の窄みを見つめた後、新しい香油を自分の猛り切ったそれに塗りつけると、まるで僕に心の準備をさせる様に目の前でゆっくりと扱いた。
「まだ狭いかもしれないが私も限界だ。馴染ませる様にゆっくりいくから挿れてもいいか?」
兄上の長めの黒髪がサラリと僕の胸に落ちて来て、そのすぐ後にチリっとした痛みと気持ち良さを感じた僕は、兄上の形の良い頭を両手で抱えながら囁いた。
「僕も兄上に来て欲しい。ひとつになって僕を兄上のものにして…。」
胸から顔を上げた兄上が、迫力のある笑みを浮かべて僕に口づけながら、僕は兄上の重量のあるそれで敏感な窄みをなぞられたのを感じた。クチクチと卑猥な水音が鳴る中、自分でも兄上を呑み込みたくて腰を揺らした。
「…ああ、さっきアンドレが物欲しげに下の口を開けていたから、直ぐ咥え込めるとは思っていたが、ふ、すっかり吸いついてくる…な。」
兄上にそんな風に耳元で囁かれて、僕は敏感になった身体を熱く感じながら、ゆっくり兄上自身を受け入れていった。兄上が時間を掛けてくれたせいか、圧迫感はあっても痛みは感じなかった。
それよりグチグチと出し挿れされる度にお腹の奥が響いて、それが気持ち良さに変わる頃にはもっと欲しいのに、何処か怖さも感じて兄上にしがみついていた。
「兄上…、怖い。気持ち良いのに…。」
すると兄上はグッと僕の中へ入り込むと、それから動きを止めて優しく口づけた。器用な指先が僕の胸を摘んで引っ掻くと、鋭い快感が股間を揺らした。
「アンドレの中熱いな…。私を欲しがってうねってる。…ふっ。」
さっきまで怖かったのに、今はあの気持ち良さが欲しくて堪らなくなった。僕の足先が無意識に兄上の太腿をなぞって絡みついて、まるで僕の方が兄上を取り込もうとしている。
「兄上っ、動いて…!さっきみたいに、してっ…!」
僕の言葉通りに、兄上がズルリと引き抜いて、それから一気に僕を抉った。ああ、その驚く様な快感は言葉に出来ない。しかも僕はそれをゆっくり味わう暇もなく、文字通り兄上に磔にされて何度も何度も僕の中を擦り立てられていた。
悲鳴に似た甘い声が自分のものだと信じられないけれど、喉からほとばしるのを止めることなど出来なかった。
不意にぎゅっと抱きしめられて、僕はぼんやりと兄上の落とす唇を探った。
「…アンドレ愛してる、こんなのは私も初めてなんだ…!」
切羽詰まった表情で僕を見下ろしながら、それでも殊更ゆっくりと腰を揺らす兄上に、僕は震える様な興奮と快感を与えられてギリギリと何かに締め付けられる様だった。
そんな僕の濡れそぼって震える自身を、兄上が扱きながら腰を振り立てたから堪らない。僕は悲鳴に似た嬌声をあげて高みに放り出された。その真っ白な絶頂は痺れる様な強烈なもので、僕は息も止まっていただろう。
汗で濡れた厚い身体で僕をぐちゃぐちゃに揺さぶりながら、兄上もまた僕の中でビクビクと果てたのを感じた。ああ、その時の感動と安堵感はどう表現して良いか分からない。
僕たちはひとつになって、文字通り僕は兄上のものになった。そして兄上もまた僕に喰われたんだ。
その事実は僕を幸せにしたし、同時に失うのを怖くさせた。ここに来る前は兄上を感じるのは生涯一度だけでも良いと思ってた僕なのに、今は二度と離したくないと貪欲になってしまった。
まだ僕から出ようとしない兄上にしがみついて、僕はゆるゆると腰を揺らして囁いた。
「まだ、行かないで…。もう少しだけ一緒に…。」
途端に僕の中の兄上が力を増した気がして、僕はそれが与えた気持ち良さに呻いた。僕の顔の横で両手を突っ張らせながら、ゆるゆると腰を揺らす兄上は、見たことのない嬉しげな表情で僕を見下ろして言った。
「…アンドレに負担になるかと思ったが、遠慮しなくて良さそうだな。私がアンドレをどれほど欲しかったか見せてやれそうだ。」
僕はきっと間違ってしまったのかもしれない。それか見誤ったのかも。それから兄上が僕に示してくれたその愛は僕を追い詰めて、喉を枯れさせて、そして歩けなくさせた。
朝目覚めても、僕は腰砕けになってしまっていた。兄上が甲斐甲斐しく僕のお世話をするあれこれは口に出せない様な辱めもあったけれど、恥ずかしがる僕をギラついた眼差しで見つめる兄上に、正直ムラムラしたのは内緒だ。
少し兆した兄上に気づかないふりをした僕がこっそり笑みを浮かべたのが見つかって、ちょっとした甘いお仕置きを受けてしまったけれど、それを僕も望んでいたのは兄上にはバレなかったよね?
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