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交差
いつもの夜※
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セバスたちに世話を焼かれて一人で夕食を取りながら、兄上の帰りを待っている。週の半分以上はこうして兄上を首を長くして待つことになる。お忙しいからしょうがないのだけれど、それでも僕の全ては兄上に向けられていた。
だから寂しく部屋に戻って湯浴みをする時も、今夜こそは兄上が来てくれるだろうかと期待しながら準備してしまうのは、もう習慣になってしまったと言っても良い。
待ちくたびれた僕は、ベッドに横になろうかと読みかけの本を閉じた。その時廊下を歩く気配がして、僕は本を持ったまま身動きせずに自分の部屋の扉が開くのを待った。
ノックも無しに開くのは兄上その人だと知っているせいで、僕はその開かれた扉をドキドキしながら見つめてしまう。顔を覗かせたのはやはり兄上だった。
少し疲れた表情でこちらを見つめる兄上は、湯浴みをしたばかりのようで黒髪が濡れている。僕は慌てて手元に用意してあった乾いた布を手に兄上に近寄った。
「兄上、また髪が濡れてます。」
すると兄上はクスッと笑って、僕の手に持った布を見て甘く囁いた。
「ああ、アンドレに拭いてもらいたかったのかもな。」
そう言って僕に甘える兄上が可愛いと感じるのは内緒だけれど、兄上は案外こうして僕に世話を焼かれたがる。それはこうして心を通わせあったから解る、僕だけに見せる兄上の別の顔だった。
いそいそと兄上の手を引いてベッドに座らせてから、僕は兄上の前に立って抱き抱えるように髪の水気を拭き取っていく。それは最近までセバスや侍女たちにしてもらっていた僕の見よう見真似ではあるけれど、そのおままごとの様な触れ合いは何処か現実離れしていた。
兄上の腕が僕の腰に回って僕の胸に兄上の顔が寄せられると、くすぐったいのといやらしい気持ちにもなって、胸の鼓動も速くなるのだ。
「相変わらず鼓動が速いな。まだ慣れないのか?」
僕の胸に押し当てられた兄上の耳に、僕の動揺と期待が明らかになってしまう。僕は掠れた声で兄上に弁解する。
「兄上にそんな風にされたら、色々な事を思い出してしまうから…。」
僕の言葉を噛み締める様に、兄上は目を細めて僕を見上げてから僕のガウンを一気に取り払った。
兄上の息が掛かっていたせいで、僕の胸のてっぺんはヒリつくほど突っ張ってしまっている。それを人差し指でじっくりと何度も撫でるから、僕は我慢できずに甘く呻き声を上げてしまう。
「アンドレはこれが好きだな。もっともどこも敏感で、心配になるくらいだ。学校でもふとした弾みでこうやってブラウスを押し上げて、いやらしく男たちの視線を奪っているのか?」
そう言いながらシモン兄上の舌と唇で僕の胸の先端を悪戯されると、僕は小さく息を殺して兄上のまだ湿った黒髪を握りしめてしまう。
「…ん、見せないっ、…ベスト、着てるからっ、ああっ、兄上…!」
ぎゅっと両方を摘まれて、ズクリと股間に痺れる様な快感が走った。
「良い子だ…。言いつけ通りちゃんとベストを着てるんだね?だがそろそろ暑くなってきただろう?…どうする?ベストを脱いで、皆にブラウス越しに突き出したコレを見せつけるか?」
ああ、兄上にいやらしい事を言われて、僕は自分の破廉恥な痴態を晒してしまう想像から離れられなくなってしまう。そうなったらどうしようかと酷く困惑した僕の股間に兄上の手が伸びた。
「こうやって下穿きを突き上げて濡らしていたら、アンドレは連れ去られてしまうかもしれないな。もう学校へ行くのは辞めるか?」
本気か冗談か判断できない事を言う、真顔の兄上に昂りを布越しに撫でられて、僕は息を少しづつ吐いて興奮を発散させた。
「んっ、…ううん、気持ちいい…。あ、あぅっ、あぁっ…。兄上しか、ドキドキしないからっ、大丈夫だか…、ああっ!」
胸と股間を一度に攻められて、僕はもう立っているのもやっとだった。僕は兄上の手練手管にすっかり開発されて、触れられただけで甘い記憶が引き摺り出されて、期待で下穿きをグッショリと濡らしてしまう。
「脱いだら私の顔の上に乗って…。」
兄上がベッドにドサリと仰向けになると、猛々しいそれがガウンの裾を割って突き出た。ランプの光で濡れて見える充血した張りつめたそれは、ピクリと蠢いて僕の中へ入りたがっているみたいだ。
けれど、兄上は僕の膝を抱え込むと、立ち膝になった僕の期待に疼く昂りをしゃぶり始めた。ああ、気持ち良い。でももっとして欲しい場所があるのに…。
昨日は兄上が遅かったせいで、僕は一人で自分を慰めてしまった。けれども兄上にして貰うほどの快感を得られなかったせいで、僕はすっかり疼きが増していた。
こっそり自分の指で撫でていると、兄上が僕の昂りから口を離してしまった。そしてごろりとひっくり返された僕は、のし掛かる兄上を見上げた。
「アンドレはいつからそんなにおねだりが上手になったんだ?もうこれが欲しい?」
そう言って僕の窄みに重量のあるそれをグッと押し付けた。ああ、そう。欲しいよ…。
けれども兄上は息を吐いて、顔を顰めると僕を少し睨んだ。
「まだ解してないのに、すっかり準備出来てるみたいだ。…昨夜はすっかり遅くなってしまって、顔を出した時にはアンドレはもう眠ってしまっていたね?…でもしどけない格好のアンドレを見たら、無理やり犯しそうだったよ。
自分でする時も後ろを使うのか?…教えてくれたらこれを使ってあげるよ。」
…昨夜は自分で慰めてから、片付けもせずに眠ってしまったかもしれない。ああ、見られたの?恥ずかしくて死にそう!
けれどもその羞恥心を上回るのは、今目の前の欲望だった。僕の窄みに押し当てられた兄上のそれを引き摺り込もうと、僕は自分で両腿を開いて、兄上に懇願した。
「教えるから…、兄上それ挿れてくださいっ、お願い…!自分でしたの、指で、でも兄上とは違って…。もっと気持ちいいから、兄上のは…。」
僕の掠れ声に重なる様に、兄上の罵るような声が聞こえたけれど、次の瞬間僕の中を押し広げる兄上に、僕は夢中になってそれどころじゃ無くなってしまった。
だから寂しく部屋に戻って湯浴みをする時も、今夜こそは兄上が来てくれるだろうかと期待しながら準備してしまうのは、もう習慣になってしまったと言っても良い。
待ちくたびれた僕は、ベッドに横になろうかと読みかけの本を閉じた。その時廊下を歩く気配がして、僕は本を持ったまま身動きせずに自分の部屋の扉が開くのを待った。
ノックも無しに開くのは兄上その人だと知っているせいで、僕はその開かれた扉をドキドキしながら見つめてしまう。顔を覗かせたのはやはり兄上だった。
少し疲れた表情でこちらを見つめる兄上は、湯浴みをしたばかりのようで黒髪が濡れている。僕は慌てて手元に用意してあった乾いた布を手に兄上に近寄った。
「兄上、また髪が濡れてます。」
すると兄上はクスッと笑って、僕の手に持った布を見て甘く囁いた。
「ああ、アンドレに拭いてもらいたかったのかもな。」
そう言って僕に甘える兄上が可愛いと感じるのは内緒だけれど、兄上は案外こうして僕に世話を焼かれたがる。それはこうして心を通わせあったから解る、僕だけに見せる兄上の別の顔だった。
いそいそと兄上の手を引いてベッドに座らせてから、僕は兄上の前に立って抱き抱えるように髪の水気を拭き取っていく。それは最近までセバスや侍女たちにしてもらっていた僕の見よう見真似ではあるけれど、そのおままごとの様な触れ合いは何処か現実離れしていた。
兄上の腕が僕の腰に回って僕の胸に兄上の顔が寄せられると、くすぐったいのといやらしい気持ちにもなって、胸の鼓動も速くなるのだ。
「相変わらず鼓動が速いな。まだ慣れないのか?」
僕の胸に押し当てられた兄上の耳に、僕の動揺と期待が明らかになってしまう。僕は掠れた声で兄上に弁解する。
「兄上にそんな風にされたら、色々な事を思い出してしまうから…。」
僕の言葉を噛み締める様に、兄上は目を細めて僕を見上げてから僕のガウンを一気に取り払った。
兄上の息が掛かっていたせいで、僕の胸のてっぺんはヒリつくほど突っ張ってしまっている。それを人差し指でじっくりと何度も撫でるから、僕は我慢できずに甘く呻き声を上げてしまう。
「アンドレはこれが好きだな。もっともどこも敏感で、心配になるくらいだ。学校でもふとした弾みでこうやってブラウスを押し上げて、いやらしく男たちの視線を奪っているのか?」
そう言いながらシモン兄上の舌と唇で僕の胸の先端を悪戯されると、僕は小さく息を殺して兄上のまだ湿った黒髪を握りしめてしまう。
「…ん、見せないっ、…ベスト、着てるからっ、ああっ、兄上…!」
ぎゅっと両方を摘まれて、ズクリと股間に痺れる様な快感が走った。
「良い子だ…。言いつけ通りちゃんとベストを着てるんだね?だがそろそろ暑くなってきただろう?…どうする?ベストを脱いで、皆にブラウス越しに突き出したコレを見せつけるか?」
ああ、兄上にいやらしい事を言われて、僕は自分の破廉恥な痴態を晒してしまう想像から離れられなくなってしまう。そうなったらどうしようかと酷く困惑した僕の股間に兄上の手が伸びた。
「こうやって下穿きを突き上げて濡らしていたら、アンドレは連れ去られてしまうかもしれないな。もう学校へ行くのは辞めるか?」
本気か冗談か判断できない事を言う、真顔の兄上に昂りを布越しに撫でられて、僕は息を少しづつ吐いて興奮を発散させた。
「んっ、…ううん、気持ちいい…。あ、あぅっ、あぁっ…。兄上しか、ドキドキしないからっ、大丈夫だか…、ああっ!」
胸と股間を一度に攻められて、僕はもう立っているのもやっとだった。僕は兄上の手練手管にすっかり開発されて、触れられただけで甘い記憶が引き摺り出されて、期待で下穿きをグッショリと濡らしてしまう。
「脱いだら私の顔の上に乗って…。」
兄上がベッドにドサリと仰向けになると、猛々しいそれがガウンの裾を割って突き出た。ランプの光で濡れて見える充血した張りつめたそれは、ピクリと蠢いて僕の中へ入りたがっているみたいだ。
けれど、兄上は僕の膝を抱え込むと、立ち膝になった僕の期待に疼く昂りをしゃぶり始めた。ああ、気持ち良い。でももっとして欲しい場所があるのに…。
昨日は兄上が遅かったせいで、僕は一人で自分を慰めてしまった。けれども兄上にして貰うほどの快感を得られなかったせいで、僕はすっかり疼きが増していた。
こっそり自分の指で撫でていると、兄上が僕の昂りから口を離してしまった。そしてごろりとひっくり返された僕は、のし掛かる兄上を見上げた。
「アンドレはいつからそんなにおねだりが上手になったんだ?もうこれが欲しい?」
そう言って僕の窄みに重量のあるそれをグッと押し付けた。ああ、そう。欲しいよ…。
けれども兄上は息を吐いて、顔を顰めると僕を少し睨んだ。
「まだ解してないのに、すっかり準備出来てるみたいだ。…昨夜はすっかり遅くなってしまって、顔を出した時にはアンドレはもう眠ってしまっていたね?…でもしどけない格好のアンドレを見たら、無理やり犯しそうだったよ。
自分でする時も後ろを使うのか?…教えてくれたらこれを使ってあげるよ。」
…昨夜は自分で慰めてから、片付けもせずに眠ってしまったかもしれない。ああ、見られたの?恥ずかしくて死にそう!
けれどもその羞恥心を上回るのは、今目の前の欲望だった。僕の窄みに押し当てられた兄上のそれを引き摺り込もうと、僕は自分で両腿を開いて、兄上に懇願した。
「教えるから…、兄上それ挿れてくださいっ、お願い…!自分でしたの、指で、でも兄上とは違って…。もっと気持ちいいから、兄上のは…。」
僕の掠れ声に重なる様に、兄上の罵るような声が聞こえたけれど、次の瞬間僕の中を押し広げる兄上に、僕は夢中になってそれどころじゃ無くなってしまった。
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