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第135話 メイルシュトローム
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二組目のバンド「バーニング・サン」は、五人の男性メンバーで構成されたバンドだった。ヴォーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムの五人で、力強い歌声とメロディが店内に響き渡る。
正直、以前は「知らないバンドの知らない曲を聴いても……」という気持ちを抱いていた。けれど、生の演奏を目の前で浴びると、そんな考えは吹き飛ぶ。ステージ上の彼らの息遣いさえ感じられるほどの距離で、音の波が押し寄せ、心を震わせる。バンドの情熱、魂が、音楽を通して直接伝わってくるのだ。
先ほどの「ダンシングドール」の曲も良かったが、「バーニング・サン」の男くさい熱気と荒々しい音楽も、それに勝るとも劣らない魅力を放っていた。
やがて、バーニング・サンの演奏が終わり、ステージは次のバンドのための転換時間に入る。
「いよいよ、次だな」
「そうだね」
ステージに目を向ければ、メイをはじめとした「メイルシュトローム」のメンバーが、演奏の準備を進めている。メイルシュトロームは、ヴォーカルのイヴ、ギターのリサ、ベースのメイ、ドラムのマキからなる四人組のガールズバンドだ。
前の二組の演奏が予想以上に良かっただけに、期待と不安が入り混じる。メイ達は果たしてどんな演奏を聴かせてくれるのだろうかと、胸の奥がざわつく。
そんな中、背後から観客達の会話が聞こえてきた。
「やっぱりメイルシュトロームといえば、ヴォーカルのイヴだよな。彼女の声があってこそのメイルシュトロームだ」
「いやいや、リサのギターがバンドの華だろ? あの独特の音色がなきゃ、ここまでの存在感は出せない」
「それよりも、正確かつパワフルなマキのドラムテクニックこそ、メイルシュトロームの要だろ」
観客達はメンバーについて語り合っているようだった。メイルシュトロームに関する俺の知らない情報を得られるのはありがたい……はずなのに、妙にモヤモヤする。
おいおい、メイのことはどうなんだよ!
確かにベースは目立たないかもしれないけど、メイの演奏を無視するなんて、あんまりじゃないか!
「お前ら、わかってないな」
さらに別の男の声が聞こえてきたので、耳を傾ける。
「メイルシュトロームの大黒柱は、ベースのメイだよ。うまいギタリストは探せば見つけられるが、うまいベーシストってやつはそうはいかない。女性ベーシストに限れば、彼女以上のプレイヤーを俺は知らない」
思わず頬が緩んだ。自分が褒められるよりも、なぜか嬉しいと思えてくる。
ちらっとクマサンの横顔を見れば、彼女もどこか誇らしげに見えた。
「そろそろ始まりそうだね」
クマサンの言葉に頷き、再びステージへと視線を向けた。
ステージ上の四人は準備を終え、互いに頷き合う。そして、前を向き、そっと目を閉じた。
その動きに呼応するように、照明が落ちた。ざわめいていた観客が口を閉じ、静寂が訪れる。
そして、次の瞬間、スポットライトがヴォーカルのイヴを照らし出した。
深紅のロングドレスが艶やかに光を反射し、まるで夜に咲く花のように美しい。胸元には繊細なレースが施され、ウエストを引き締める黒のコルセット風の装飾が、彼女のシルエットを一層引き立てる。長い黒髪が緩やかに波打ち、ステージの中心で揺るがぬ存在感を放っていた。
「――ようこそ、嵐の渦の中へ」
透き通るようでいて、内に秘めた力強さを感じさせる声。まだ歌っていないのに、その一言だけで全身が震えそうになる。
メイルシュトロームというバンド名から考えて、恐らくこれが彼女達のライブの幕開けを告げる決まり文句なんだろう。
「私達の生み出す音の渦の中へ、飛び込む準備はできてる?」
その問いかけに、観客席から一斉に歓声が上がった。興奮と期待が入り混じった叫びが、空気を震わせる。
「オーケー! みんなを全部、吞み込んであげるわ!」
次の瞬間、イヴを照らしていたスポットライトが消え、同時にステージ全体を照らす光が爆発するように広がる。
イヴだけを照らしていたスポットライトが消え、メンバー全員を光が照らすと、演奏の始まりを告げるドラムスティックの音が響き、歓声すらも切り裂くような、激しい演奏が始まった。
ギターのリサは、アシンメトリーのスカートにスタッズ付きのジャケットを羽織り、右側にまとめたサイドテールを振り乱しながら、赤く輝くエレキギターをかき鳴らす。左脚だけに履いた黒のニーソックスが映え、リズミカルに動くその脚は、観客の視線を惹きつけて離さない。
ドラムのマキは、ショートカットのメッシュが入った髪を頭ごと揺らしながら、身体全体でビートを刻む。タンクトップの上にライダーズジャケット、下は迷彩柄のカーゴパンツに編み上げブーツ。最も奥の位置にいるにもかかわらず、彼女の演奏とパフォーマンスは圧倒的な存在感を放っている。
そして、ドレスという一人だけ毛色の違う衣装で、一人異彩を放っているのは、ヴォーカルのイブ。流れるような長い黒髪も美しく、まるでお姫様のようだ。会場内に響く彼女の歌声は、歌い出しから観客達の心を早くも掴んでいる。ヴィジュアル面でもイヴを目立たせ、注目を集めるのは、このバンドの狙いなんだろう。
もし何も知らずにこのライブに来ていたら、俺もイヴのファンになっていたかもしれない。
――けれど、今、俺の視線は、彼女の隣にいる一人の女性へと釘付けになっていた。
「……メイ」
丈の短い青のチューブトップに黒のエナメルジャケット、レザーのショートパンツに黒のニーハイブーツ。刺激的なステージ衣装を身に纏ったメイは、オフ会で見せた姿と別人に見えた。
ドレス姿のイヴは確かに華やかで目を引く。それでも、俺の視線は今、この舞台で演奏するメイから離せない。ライトを浴びるたび、艶やかに浮かび上がる彼女の白い肌。ステージの熱気と相まって、彼女自身が光を放っているようにすら感じる。
メイの演奏は、リサのような派手なギターアクションこそない。だが、確かなリズムと安定した音が、バンド全体を下支えしていた。
ほかのメンバーと視線を交わしながら、細くて長い指が指板を滑るように動く。その一つ一つの動きが、確かな熱を持って音へと変換されていく。
時折、繊細なアレンジを加えるその音は、静かに、しかし確実にバンドの世界を広げていた。
表には出てこない――でも、俺にはわかる。
派手さはなくとも、メイの演奏がこのバンドの屋台骨を支えていることを。
ほかのメンバーが自由にパフォーマンスを繰り広げられるのも、彼女の確固たる土台があるからこそだ。
音楽には詳しくないが、アナザーワールドで彼女とパーティを組んできた俺には、それがはっきりとわかる。
回復が厳しい時は回復補助に、火力が足りない時は火力補助に。その時々で、最も必要とされる動きを迷いなく選び、的確にこなすメイ。俺も、クマサンも、ミコトさんも、自分のパフォーマンスを全力で発揮できるのは、メイがフォローしてくれるという絶対の安心感を持っているからだ。きっと、それはバンドの中でも変わらない。
「……すごく、格好いいよ」
気づけば口に出してしまっていた。
バンドの中で最も目を引くのはヴォーカルだ。視線も、耳も、自然とヴォーカルに注がれる。そして、イヴというヴォーカルは、その期待に応えるだけのものを持っている。素人の俺ですら、それがわかるほどだ。
歌詞もいい。夢を追う若者の情熱が込められた言葉。胸の奥を熱くさせるメロディ。歌でそれを表現するイヴの力量。
だが、サビの後の間奏を終え、二番に入ったところで、俺は聴き方を変えた。
――ヴォーカルの声に耳を奪われるのではなく、メイの音を感じたい。
目を閉じ、意識を彼女の奏でるベースに向ける。
すると、曲の色が一変する。
さっきまで歌の伴奏として流れていたベースの音。その単調に思えたリズムが、繊細なニュアンスを持っていることに気づく。
――ああ、なんて贅沢なんだろう。
ドラムの音も、ギターの旋律も、ヴォーカルの歌声さえも背景となり、メイのベースが浮かび上がる。
それだけで、さっきまでとはまるで違う曲のように感じられる。
正確に刻まれるベースの音。その律儀なリズムの中に、彼女の性格が滲んでいる。
時に意地っ張りで、時に素直で、時に可愛らしい――そんなメイの姿が、音の震えから伝わってくる。
不思議だ。リズムを刻む単調なはずのベースの音が、俺には豊かなメロディを伴って聞こえてくる。
再び目を開いた。
なぜだろう。
照明は変わってないはずなのに、俺にはメイにだけスポットライトが当たって見える。
「……マジで惚れそう」
俺の口は勝手にそんな言葉をつぶやいていた。
それほどまでに、ステージでベースを奏でるメイは魅力的だった。
正直、以前は「知らないバンドの知らない曲を聴いても……」という気持ちを抱いていた。けれど、生の演奏を目の前で浴びると、そんな考えは吹き飛ぶ。ステージ上の彼らの息遣いさえ感じられるほどの距離で、音の波が押し寄せ、心を震わせる。バンドの情熱、魂が、音楽を通して直接伝わってくるのだ。
先ほどの「ダンシングドール」の曲も良かったが、「バーニング・サン」の男くさい熱気と荒々しい音楽も、それに勝るとも劣らない魅力を放っていた。
やがて、バーニング・サンの演奏が終わり、ステージは次のバンドのための転換時間に入る。
「いよいよ、次だな」
「そうだね」
ステージに目を向ければ、メイをはじめとした「メイルシュトローム」のメンバーが、演奏の準備を進めている。メイルシュトロームは、ヴォーカルのイヴ、ギターのリサ、ベースのメイ、ドラムのマキからなる四人組のガールズバンドだ。
前の二組の演奏が予想以上に良かっただけに、期待と不安が入り混じる。メイ達は果たしてどんな演奏を聴かせてくれるのだろうかと、胸の奥がざわつく。
そんな中、背後から観客達の会話が聞こえてきた。
「やっぱりメイルシュトロームといえば、ヴォーカルのイヴだよな。彼女の声があってこそのメイルシュトロームだ」
「いやいや、リサのギターがバンドの華だろ? あの独特の音色がなきゃ、ここまでの存在感は出せない」
「それよりも、正確かつパワフルなマキのドラムテクニックこそ、メイルシュトロームの要だろ」
観客達はメンバーについて語り合っているようだった。メイルシュトロームに関する俺の知らない情報を得られるのはありがたい……はずなのに、妙にモヤモヤする。
おいおい、メイのことはどうなんだよ!
確かにベースは目立たないかもしれないけど、メイの演奏を無視するなんて、あんまりじゃないか!
「お前ら、わかってないな」
さらに別の男の声が聞こえてきたので、耳を傾ける。
「メイルシュトロームの大黒柱は、ベースのメイだよ。うまいギタリストは探せば見つけられるが、うまいベーシストってやつはそうはいかない。女性ベーシストに限れば、彼女以上のプレイヤーを俺は知らない」
思わず頬が緩んだ。自分が褒められるよりも、なぜか嬉しいと思えてくる。
ちらっとクマサンの横顔を見れば、彼女もどこか誇らしげに見えた。
「そろそろ始まりそうだね」
クマサンの言葉に頷き、再びステージへと視線を向けた。
ステージ上の四人は準備を終え、互いに頷き合う。そして、前を向き、そっと目を閉じた。
その動きに呼応するように、照明が落ちた。ざわめいていた観客が口を閉じ、静寂が訪れる。
そして、次の瞬間、スポットライトがヴォーカルのイヴを照らし出した。
深紅のロングドレスが艶やかに光を反射し、まるで夜に咲く花のように美しい。胸元には繊細なレースが施され、ウエストを引き締める黒のコルセット風の装飾が、彼女のシルエットを一層引き立てる。長い黒髪が緩やかに波打ち、ステージの中心で揺るがぬ存在感を放っていた。
「――ようこそ、嵐の渦の中へ」
透き通るようでいて、内に秘めた力強さを感じさせる声。まだ歌っていないのに、その一言だけで全身が震えそうになる。
メイルシュトロームというバンド名から考えて、恐らくこれが彼女達のライブの幕開けを告げる決まり文句なんだろう。
「私達の生み出す音の渦の中へ、飛び込む準備はできてる?」
その問いかけに、観客席から一斉に歓声が上がった。興奮と期待が入り混じった叫びが、空気を震わせる。
「オーケー! みんなを全部、吞み込んであげるわ!」
次の瞬間、イヴを照らしていたスポットライトが消え、同時にステージ全体を照らす光が爆発するように広がる。
イヴだけを照らしていたスポットライトが消え、メンバー全員を光が照らすと、演奏の始まりを告げるドラムスティックの音が響き、歓声すらも切り裂くような、激しい演奏が始まった。
ギターのリサは、アシンメトリーのスカートにスタッズ付きのジャケットを羽織り、右側にまとめたサイドテールを振り乱しながら、赤く輝くエレキギターをかき鳴らす。左脚だけに履いた黒のニーソックスが映え、リズミカルに動くその脚は、観客の視線を惹きつけて離さない。
ドラムのマキは、ショートカットのメッシュが入った髪を頭ごと揺らしながら、身体全体でビートを刻む。タンクトップの上にライダーズジャケット、下は迷彩柄のカーゴパンツに編み上げブーツ。最も奥の位置にいるにもかかわらず、彼女の演奏とパフォーマンスは圧倒的な存在感を放っている。
そして、ドレスという一人だけ毛色の違う衣装で、一人異彩を放っているのは、ヴォーカルのイブ。流れるような長い黒髪も美しく、まるでお姫様のようだ。会場内に響く彼女の歌声は、歌い出しから観客達の心を早くも掴んでいる。ヴィジュアル面でもイヴを目立たせ、注目を集めるのは、このバンドの狙いなんだろう。
もし何も知らずにこのライブに来ていたら、俺もイヴのファンになっていたかもしれない。
――けれど、今、俺の視線は、彼女の隣にいる一人の女性へと釘付けになっていた。
「……メイ」
丈の短い青のチューブトップに黒のエナメルジャケット、レザーのショートパンツに黒のニーハイブーツ。刺激的なステージ衣装を身に纏ったメイは、オフ会で見せた姿と別人に見えた。
ドレス姿のイヴは確かに華やかで目を引く。それでも、俺の視線は今、この舞台で演奏するメイから離せない。ライトを浴びるたび、艶やかに浮かび上がる彼女の白い肌。ステージの熱気と相まって、彼女自身が光を放っているようにすら感じる。
メイの演奏は、リサのような派手なギターアクションこそない。だが、確かなリズムと安定した音が、バンド全体を下支えしていた。
ほかのメンバーと視線を交わしながら、細くて長い指が指板を滑るように動く。その一つ一つの動きが、確かな熱を持って音へと変換されていく。
時折、繊細なアレンジを加えるその音は、静かに、しかし確実にバンドの世界を広げていた。
表には出てこない――でも、俺にはわかる。
派手さはなくとも、メイの演奏がこのバンドの屋台骨を支えていることを。
ほかのメンバーが自由にパフォーマンスを繰り広げられるのも、彼女の確固たる土台があるからこそだ。
音楽には詳しくないが、アナザーワールドで彼女とパーティを組んできた俺には、それがはっきりとわかる。
回復が厳しい時は回復補助に、火力が足りない時は火力補助に。その時々で、最も必要とされる動きを迷いなく選び、的確にこなすメイ。俺も、クマサンも、ミコトさんも、自分のパフォーマンスを全力で発揮できるのは、メイがフォローしてくれるという絶対の安心感を持っているからだ。きっと、それはバンドの中でも変わらない。
「……すごく、格好いいよ」
気づけば口に出してしまっていた。
バンドの中で最も目を引くのはヴォーカルだ。視線も、耳も、自然とヴォーカルに注がれる。そして、イヴというヴォーカルは、その期待に応えるだけのものを持っている。素人の俺ですら、それがわかるほどだ。
歌詞もいい。夢を追う若者の情熱が込められた言葉。胸の奥を熱くさせるメロディ。歌でそれを表現するイヴの力量。
だが、サビの後の間奏を終え、二番に入ったところで、俺は聴き方を変えた。
――ヴォーカルの声に耳を奪われるのではなく、メイの音を感じたい。
目を閉じ、意識を彼女の奏でるベースに向ける。
すると、曲の色が一変する。
さっきまで歌の伴奏として流れていたベースの音。その単調に思えたリズムが、繊細なニュアンスを持っていることに気づく。
――ああ、なんて贅沢なんだろう。
ドラムの音も、ギターの旋律も、ヴォーカルの歌声さえも背景となり、メイのベースが浮かび上がる。
それだけで、さっきまでとはまるで違う曲のように感じられる。
正確に刻まれるベースの音。その律儀なリズムの中に、彼女の性格が滲んでいる。
時に意地っ張りで、時に素直で、時に可愛らしい――そんなメイの姿が、音の震えから伝わってくる。
不思議だ。リズムを刻む単調なはずのベースの音が、俺には豊かなメロディを伴って聞こえてくる。
再び目を開いた。
なぜだろう。
照明は変わってないはずなのに、俺にはメイにだけスポットライトが当たって見える。
「……マジで惚れそう」
俺の口は勝手にそんな言葉をつぶやいていた。
それほどまでに、ステージでベースを奏でるメイは魅力的だった。
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