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2章:異存
怪異の元凶 2話
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「どちらにせよ、あまり怪異には関わりたくありません」
「ええー、オカルト研究部なのだから、怪異に関わってなんぼじゃないかい?」
架瑠は緩やかに首を横に振り、自身の考えを口にすると佑心は不満そうに唇を尖らせる。
「こうも毎日怪異に巻き込まれるのはちょっと……」
ただでさえ夢でぐったりしているというのに、と内心続ける架瑠。
「たまになら良いのかい?」
「……それもちょっと。調べるだけならいいんですけど……」
「ふむ。架瑠くんの能力なら、怪異とやり合えると思うんだけどね」
佑心は腕を組んでじっと架瑠を見つめる。彼らに話したのは『この世ならざるモノ』が視えることや霊視のことだけだ。
怪訝そうに佑心を眺める架瑠に、紬はちらりと部室の扉に視線を移す。
「試してみたいことがあるんだが、いいか?」
「ワタシは構わないよ」
部長である佑心の言葉に、紬は扉に近付いて炎を放った。ゴウゴウと燃えるのを確認してから、扉を開ける。
ガラッと音を立てて、扉は開いた。
「……開いた……?」
「血文字の黒板を焼いたら帰還、扉を燃やしたら……開く、か」
状況を整理するようにつぶやく紬。その瞬間、茉莉の「ひっ!」という短い悲鳴が耳に届く。
「こ、黒板の文字が……!」
手と声を震わせながら、黒板を指す茉莉に、全員の視線が黒板に集まった。
黒板の文字――いつもの『よこせ』『かける』『にげて』から、また別の文字が綴られていく。
――あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼういのちあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうちょうだいあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう――……
「――あそぼう?」
佑心が不思議そうな表情を浮かべて黒板の文字を読み上げる。それと同時に、文字が歪んでいきどす黒い赤色の手が、なにかを探すように黒板から出てきた。
全員が部室の扉に一気に移動する。グネグネと気持ちの悪い動きをしている人間の手を、架瑠はじっと凝視する。
「なにかわかるか?」
紬の問いに、架瑠はふるりと首を横に振った。
人間の手は、架瑠たちに向いて手のひらを大きく開く。その手から、ぎょろりと血走った眼が現れ、思わず息を呑む。
「な、なにあれ……!」
「一つ目の怪異、か。怖いなぁ」
「全然怖がっているように見えませんよ!?」
茉莉が声を震わせながら、ぎゅっと架瑠の制服の袖を掴む。佑心は相変わらず目を輝かせながら、一つ目を宿している人間の手をじっくりと眺めた。
彼女の叫ぶような言葉に、架瑠と紬も確かに、と心の中でつぶやく。
「ええー、オカルト研究部なのだから、怪異に関わってなんぼじゃないかい?」
架瑠は緩やかに首を横に振り、自身の考えを口にすると佑心は不満そうに唇を尖らせる。
「こうも毎日怪異に巻き込まれるのはちょっと……」
ただでさえ夢でぐったりしているというのに、と内心続ける架瑠。
「たまになら良いのかい?」
「……それもちょっと。調べるだけならいいんですけど……」
「ふむ。架瑠くんの能力なら、怪異とやり合えると思うんだけどね」
佑心は腕を組んでじっと架瑠を見つめる。彼らに話したのは『この世ならざるモノ』が視えることや霊視のことだけだ。
怪訝そうに佑心を眺める架瑠に、紬はちらりと部室の扉に視線を移す。
「試してみたいことがあるんだが、いいか?」
「ワタシは構わないよ」
部長である佑心の言葉に、紬は扉に近付いて炎を放った。ゴウゴウと燃えるのを確認してから、扉を開ける。
ガラッと音を立てて、扉は開いた。
「……開いた……?」
「血文字の黒板を焼いたら帰還、扉を燃やしたら……開く、か」
状況を整理するようにつぶやく紬。その瞬間、茉莉の「ひっ!」という短い悲鳴が耳に届く。
「こ、黒板の文字が……!」
手と声を震わせながら、黒板を指す茉莉に、全員の視線が黒板に集まった。
黒板の文字――いつもの『よこせ』『かける』『にげて』から、また別の文字が綴られていく。
――あそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼういのちあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうちょうだいあそぼうあそぼうあそぼうあそぼうあそぼう――……
「――あそぼう?」
佑心が不思議そうな表情を浮かべて黒板の文字を読み上げる。それと同時に、文字が歪んでいきどす黒い赤色の手が、なにかを探すように黒板から出てきた。
全員が部室の扉に一気に移動する。グネグネと気持ちの悪い動きをしている人間の手を、架瑠はじっと凝視する。
「なにかわかるか?」
紬の問いに、架瑠はふるりと首を横に振った。
人間の手は、架瑠たちに向いて手のひらを大きく開く。その手から、ぎょろりと血走った眼が現れ、思わず息を呑む。
「な、なにあれ……!」
「一つ目の怪異、か。怖いなぁ」
「全然怖がっているように見えませんよ!?」
茉莉が声を震わせながら、ぎゅっと架瑠の制服の袖を掴む。佑心は相変わらず目を輝かせながら、一つ目を宿している人間の手をじっくりと眺めた。
彼女の叫ぶような言葉に、架瑠と紬も確かに、と心の中でつぶやく。
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