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3章:竜の国 ユミルトゥス
クローディア服飾店 1話
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「驚いただろう?」
どこに向かっているかもわからないけれど、とりあえず、フィリベルトさまと一緒に歩いた。
彼が少し不安げに問いかけてくるから、顔を上げて首を縦に振る。
驚いたことは本当だから、隠すことはないと思ったの。
「両親がいろいろ気を回してくれたようだ」
「え?」
「領民たちから歓迎されたら、リディアもこの領地を気に入ってくれるんじゃないかって考えたのかも。特に、母上が」
エステルさまが……? という疑問ではなく、彼女ならあり得ると納得してしまった。
「こんなに歓迎されるなんて、とても光栄ですわ」
「……それで、どう? ここでやっていけそう?」
きっと、それを一番に聞きたかったのだろう。
くすっと笑い声を上げて、彼を見つめる。
「ええ。ここの領地の方々はみなさん、私自身のことを受け入れてくださる気がします」
みんな、優しい人だと感じた。
その答えに、フィリベルトさまは目元を細めて小さく首を縦に動かす。
きっと、彼はこのスターリング領の人たちが好きなのね。
領地を守るのが、領主の仕事だ。
彼はずっと、アーノルドさまの背中を見て育ってきたのだろう。
「ところで、私たちはどこに向かっているのでしょうか?」
「ん、ちょっとね」
フィリベルトさまはきちんと目的地があったみたい。
土地勘のない場所だから、はぐれないようにしっかりしないとね。
そして、十分もしないうちに、フィリベルトさまの目的地について、中に入った。
ガラス張りの飾り棚に並べられているのはドレスや靴。
どうやらスターリング領の服飾店みたいね。
どれも繊細な作り込みで、思わず目を奪われてしまう。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりましたわ、フィリベルトさま」
出迎えてくれたのは、女性だった。
フィリベルトさまと同じくらいの身長……なのは、高いヒールを履いている、から?
「そして、リディア・フローレンスさま。ようこそ、我が『クローディア服飾店』へ!」
「初めまして、本日はよろしくお願いいたします」
カーテシーをすると、彼女は「はぅっ」とよくわからない声を上げた。
「彼女に似合いそうなものを頼む」
「かしこまりました。リディアさま、こちらへ」
がしっと腕を掴まれて、私と彼女は店の奥へ。
「わ、ぁ……!」
感嘆の、声が出た。店の奥にはドレスがずらりと並んでいたから、とてもきらびやかだった。
彩りの豊かなドレスに見入っていると、こほんと咳払いをする音が聞こえて、振り返る。
「改めまして、クローディア・ホーリスと申します。お会いできて光栄です」
「歓迎、ありがとうございます。ここは、貴女のお店なの?」
「はい。スターリング公爵家に支援をいただいております」
どこに向かっているかもわからないけれど、とりあえず、フィリベルトさまと一緒に歩いた。
彼が少し不安げに問いかけてくるから、顔を上げて首を縦に振る。
驚いたことは本当だから、隠すことはないと思ったの。
「両親がいろいろ気を回してくれたようだ」
「え?」
「領民たちから歓迎されたら、リディアもこの領地を気に入ってくれるんじゃないかって考えたのかも。特に、母上が」
エステルさまが……? という疑問ではなく、彼女ならあり得ると納得してしまった。
「こんなに歓迎されるなんて、とても光栄ですわ」
「……それで、どう? ここでやっていけそう?」
きっと、それを一番に聞きたかったのだろう。
くすっと笑い声を上げて、彼を見つめる。
「ええ。ここの領地の方々はみなさん、私自身のことを受け入れてくださる気がします」
みんな、優しい人だと感じた。
その答えに、フィリベルトさまは目元を細めて小さく首を縦に動かす。
きっと、彼はこのスターリング領の人たちが好きなのね。
領地を守るのが、領主の仕事だ。
彼はずっと、アーノルドさまの背中を見て育ってきたのだろう。
「ところで、私たちはどこに向かっているのでしょうか?」
「ん、ちょっとね」
フィリベルトさまはきちんと目的地があったみたい。
土地勘のない場所だから、はぐれないようにしっかりしないとね。
そして、十分もしないうちに、フィリベルトさまの目的地について、中に入った。
ガラス張りの飾り棚に並べられているのはドレスや靴。
どうやらスターリング領の服飾店みたいね。
どれも繊細な作り込みで、思わず目を奪われてしまう。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりましたわ、フィリベルトさま」
出迎えてくれたのは、女性だった。
フィリベルトさまと同じくらいの身長……なのは、高いヒールを履いている、から?
「そして、リディア・フローレンスさま。ようこそ、我が『クローディア服飾店』へ!」
「初めまして、本日はよろしくお願いいたします」
カーテシーをすると、彼女は「はぅっ」とよくわからない声を上げた。
「彼女に似合いそうなものを頼む」
「かしこまりました。リディアさま、こちらへ」
がしっと腕を掴まれて、私と彼女は店の奥へ。
「わ、ぁ……!」
感嘆の、声が出た。店の奥にはドレスがずらりと並んでいたから、とてもきらびやかだった。
彩りの豊かなドレスに見入っていると、こほんと咳払いをする音が聞こえて、振り返る。
「改めまして、クローディア・ホーリスと申します。お会いできて光栄です」
「歓迎、ありがとうございます。ここは、貴女のお店なの?」
「はい。スターリング公爵家に支援をいただいております」
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