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3章:竜の国 ユミルトゥス
行きたい場所 1話
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唇が離れて、それと同時にゴーン、ゴーンという鐘の音が耳に届いた。
びくっと肩を震わせると、「もう昼か」とフィリベルトさまがつぶやく。も、もうお昼?
ぐぅ、とお腹の虫が鳴いて、慌てて自分のお腹を押さえた。
「ああ、やっぱりお腹空いたよね。ホタテ一個しか食べていなかったし……ここら辺で、ランチにしようか」
「そ、そうですね……」
やっぱり聞こえていたみたい。
お腹空いているから、お腹の虫が鳴くのは仕方ないことなのだけど……恥ずかしいものは恥ずかしいわ。
「クローディアを呼んでくるよ」
「お、お願いします」
名残惜しそうに私の唇を親指でなぞってから、離れていくフィリベルトさまを見送る。
鏡に視線を向けると、顔を真っ赤に染めた自分と目が合った。
いつか、真っ赤にならなくなるのかしら。
……なんて、遠い未来のことを想像して、さらに顔を赤らめてしまう。
「リディアさま、失礼します」
クローディアがこちらにきて、顔を真っ赤に染めた私に気づいてにんまりと笑みを浮かべた。
「うふふ、素敵な時間が過ごせたようですね」
「おかげさまで……ね」
キャーッと小さな黄色い悲鳴を上げるクローディアに、苦笑を浮かべる。
「では、最初のドレスに着替えましょう」
「ええ」
着ていたドレスに再び袖を通し、髪を整え、メイクも直してもらい、フィリベルトさまのもとに向かう。
「クローディア、制服とドレスは屋敷に頼む」
「かしこまりました。早急に仕立てて、屋敷までお届けします!」
クローディア服飾店の出入り口前で、フィリベルトさまは彼女に声をかけた。
彼女はすっと胸元に手を添えて、もう片方の手でスカートの裾を掴み、頭を下げる。
「頼んだ」
フィリベルトさまはそれだけ伝えると、私の手を取って歩き出す。
クローディアに「ありがとう」とお礼を伝えると、彼女はにっこりと微笑んでくれた。
「ランチを食べたら、いきたいところがあるんだ。付き合ってくれるかい?」
「もちろんですわ。どこに向かいますの?」
行きたいところってどこだろう? とフィリベルトさまを見つめたけれど、彼は繋いでいないほうの手を口元に寄せ、人差し指を立て「内緒。お楽しみに」と口角を上げる。
近くのお店に入って、ランチを楽しんだ。
出てくる料理すべて、美味しかったわ。
硬めのパンにビーフシチュー、サラダに季節のフルーツがたくさん使われたデザート。
「スターリング領の料理は、どれも美味ですわね」
「食に関しては、美味しいものが食べたいって気持ちが強いのかもね」
びくっと肩を震わせると、「もう昼か」とフィリベルトさまがつぶやく。も、もうお昼?
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やっぱり聞こえていたみたい。
お腹空いているから、お腹の虫が鳴くのは仕方ないことなのだけど……恥ずかしいものは恥ずかしいわ。
「クローディアを呼んでくるよ」
「お、お願いします」
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「おかげさまで……ね」
キャーッと小さな黄色い悲鳴を上げるクローディアに、苦笑を浮かべる。
「では、最初のドレスに着替えましょう」
「ええ」
着ていたドレスに再び袖を通し、髪を整え、メイクも直してもらい、フィリベルトさまのもとに向かう。
「クローディア、制服とドレスは屋敷に頼む」
「かしこまりました。早急に仕立てて、屋敷までお届けします!」
クローディア服飾店の出入り口前で、フィリベルトさまは彼女に声をかけた。
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「頼んだ」
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