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3章:竜の国 ユミルトゥス
エタニティリング 2話
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私がフィリベルトさまからいただいた指輪は、ダイヤモンドがリングを囲んでいるもの。
「そうよ。ソリティアリングとは違い、出っ張っていないから、引っかかりをあまり気にせずに使える指輪なの。ふふ、あの子ったら、学園でもその指輪をつけていてほしいみたいね」
その言葉に、フィリベルトさまの独占欲を感じ取ってしまい、どんどんと頬に熱が集まった。
「学園では、アクセサリーをつけていてもいいのですか?」
「婚約者がいる場合はね。あ、そうだ。夏期休暇のうちに婚約式を行いましょうか」
「婚約式、ですか?」
アレクシス殿下と婚約式をした記憶はない。あの婚約は、陛下とお父さまが話し合って交わしたものだから。
それに、婚約することで私は王妃教育が始まり、悲しみに暮れる暇がなくなった。
マダムは最初からそこそこスパルタだった。もちろん、きちんと教わったことをできたときには『よくできました』と言ってくれたけれど、すぐに別の教育が始まったのよね。
とはいえ、あのスパルタ教育のおかげで今の私がいるのだから、そこは感謝しているわ。
「ええ。神殿で婚約式を挙げてから、学園に通うほうが良いと思うの。そして、卒業したら結婚! ああ、明るい未来が見えるわ……!」
エステルさまはぎゅっと私の手を包み込むように握って、未来に思いを馳せていた。
け、結婚……!
どんな結婚生活になるのか想像できなくて、ただ顔を赤くして黙り込む。
「まずは小さな領地から始めて、ゆくゆくはスターリング領をまとめてもらうの。そして暇になった私たちは、隠居生活を楽しむのよ」
ワクワクとした様子で未来の展望を語るエステルさまに、私は小さく口角を上げた。
だって、エステルさまの表情がとてもきれいなんだもの。
隠居生活中、公爵夫妻はきっと穏やかな日常を送るのだろう。そう考えて、なんだか心が和んだ。
「……エステルさは、本当にアーノルドさまのことがお好きなのですね」
「ええ、愛しているわ。心身ともに、ね」
悪戯っぽく笑う彼女は、とてもまぶしくして……目を細めてしまう。
「貴族って、どうしてもしがらみが多いでしょう? でもね、自分の味方がいるのなら、乗り越えることもたやすいの」
「……どんなことを、乗り越えてきたのですか?」
「そうねぇ……まずは、以前話した元婚約者のこと、婚約中もアーノルドを狙う令嬢はそれなりに多くて、そのたびに……いろいろあったわね。ときに喧嘩して、ときに甘く過ごして、互いの気持ちを確かめ合ってきたの」
エステルさまは私の手を離すと、そっと自分の胸元に両手を添えた。
昔のことを回想しているのかな。とても柔らかい表情だ。
「結婚してからもいろいろあったわね……そのたびに、アーノルドは庇ってくれたの。嬉しかったわぁ……」
しみじみと言葉を紡ぐエステルさまは、頬に手を添えて、ほぅ、と息を吐く。
それと同時に、ローレンとチェルシーがお茶を持ってきてくれた。
「そうよ。ソリティアリングとは違い、出っ張っていないから、引っかかりをあまり気にせずに使える指輪なの。ふふ、あの子ったら、学園でもその指輪をつけていてほしいみたいね」
その言葉に、フィリベルトさまの独占欲を感じ取ってしまい、どんどんと頬に熱が集まった。
「学園では、アクセサリーをつけていてもいいのですか?」
「婚約者がいる場合はね。あ、そうだ。夏期休暇のうちに婚約式を行いましょうか」
「婚約式、ですか?」
アレクシス殿下と婚約式をした記憶はない。あの婚約は、陛下とお父さまが話し合って交わしたものだから。
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とはいえ、あのスパルタ教育のおかげで今の私がいるのだから、そこは感謝しているわ。
「ええ。神殿で婚約式を挙げてから、学園に通うほうが良いと思うの。そして、卒業したら結婚! ああ、明るい未来が見えるわ……!」
エステルさまはぎゅっと私の手を包み込むように握って、未来に思いを馳せていた。
け、結婚……!
どんな結婚生活になるのか想像できなくて、ただ顔を赤くして黙り込む。
「まずは小さな領地から始めて、ゆくゆくはスターリング領をまとめてもらうの。そして暇になった私たちは、隠居生活を楽しむのよ」
ワクワクとした様子で未来の展望を語るエステルさまに、私は小さく口角を上げた。
だって、エステルさまの表情がとてもきれいなんだもの。
隠居生活中、公爵夫妻はきっと穏やかな日常を送るのだろう。そう考えて、なんだか心が和んだ。
「……エステルさは、本当にアーノルドさまのことがお好きなのですね」
「ええ、愛しているわ。心身ともに、ね」
悪戯っぽく笑う彼女は、とてもまぶしくして……目を細めてしまう。
「貴族って、どうしてもしがらみが多いでしょう? でもね、自分の味方がいるのなら、乗り越えることもたやすいの」
「……どんなことを、乗り越えてきたのですか?」
「そうねぇ……まずは、以前話した元婚約者のこと、婚約中もアーノルドを狙う令嬢はそれなりに多くて、そのたびに……いろいろあったわね。ときに喧嘩して、ときに甘く過ごして、互いの気持ちを確かめ合ってきたの」
エステルさまは私の手を離すと、そっと自分の胸元に両手を添えた。
昔のことを回想しているのかな。とても柔らかい表情だ。
「結婚してからもいろいろあったわね……そのたびに、アーノルドは庇ってくれたの。嬉しかったわぁ……」
しみじみと言葉を紡ぐエステルさまは、頬に手を添えて、ほぅ、と息を吐く。
それと同時に、ローレンとチェルシーがお茶を持ってきてくれた。
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