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4章:これは、私の恋物語
お茶会 1話
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◆◆◆
一週間後――……私はローレンとチェルシーに頼んで、身支度を整えてもらった。
だって、今日はお茶会の日だ。
お母さまの形見のネックレスを身につけると、なんだかしゃんと背筋が伸びる気がする。
扉がノックされ、返事をすると、すぐにフィリベルトさまが姿を見せた。
「――やはり、美しいな」
私を視界に入れたとたん、そんなことを口走るから、顔がどんどんと熱くなってしまう。
にまにまと笑っているチェルシー、ローレンは口元を隠して「うふふ」と笑っていた。
今日の私のドレスは、あの日、クローディア服飾店で試着させてもらったドレスの一つ。
黒曜石のようなドレス……ではなく、フィリベルトさまの髪色である鮮やかな赤色のドレスだ。身につけるアクセサリーは、お母さまの形見のネックレスと、フィリベルトさまからいただいた指輪のみ。
「レディ、エスコートをしてもよろしいですか?」
「ふふっ、お願いいたします」
すっと手を差し出すフィリベルトさま。その手を取って、私たちはエステルさまたちが待つ玄関に向かう。
玄関先にはすでに、エステルさまとアーノルドさまがいた。
「申し訳ありません、お待たせしましたか?」
「いや、時間よりも少し早いくらいだ。……リディア嬢、そう我々に気を遣わなくてもいい。口調ももう少し砕けても構わない」
「えっ、ですが……」
アーノルドさまの言葉は、意外だった。くすっとエステルさまは笑い、ツンツンと彼の腕を突く。
「本当に気を楽にしていいのよ。あなたはもう、わたくしたちの娘でもあるんだから」
「娘……」
「それに、わたくしたちの子どもはフィリベルトだけだからね。娘がほしかったのよ、この人も」
パチン、とウインクするエステルさまに、ふいとそっぽを向くアーノルドさま。
彼の耳が赤くなっていることに気づき、エステルさまの言葉が本当なのだと感じて、心の中がじんわりと温かくなる。
こんなに温かなご両親に育てられたから、フィリベルトさまはいつも優しいのかしら?
「それじゃあ、さっそくお茶会にいきましょう!」
執事がガチャリと玄関の扉を開け、エステルさまはアーノルドさまにエスコートをされながら、馬車まで向かう。
私たちは顔を見合わせて、ふふっと笑いをこぼす。二人を待たせてはいけないから、すぐに馬車まで歩く。玄関前には二台の馬車があり、そのうちの一台に乗ることになった。
「四人で乗るわけではないんですね」
「スターリング家の人間に囲まれて、リディアはリラックスできる?」
「……ご配慮くださり、ありがとうございます」
エステルさまとは、食事以外の時間を過ごすことも増えた。主に、今回のお茶会について教えてもらうことだったけど。
スターリングと仲の良い貴族――ウェットン伯爵家がお茶会の招待状を送ってくれたらしい。
――『ぜひ、フローレンス公爵令嬢も』と綴られていた、と。
一週間後――……私はローレンとチェルシーに頼んで、身支度を整えてもらった。
だって、今日はお茶会の日だ。
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「レディ、エスコートをしてもよろしいですか?」
「ふふっ、お願いいたします」
すっと手を差し出すフィリベルトさま。その手を取って、私たちはエステルさまたちが待つ玄関に向かう。
玄関先にはすでに、エステルさまとアーノルドさまがいた。
「申し訳ありません、お待たせしましたか?」
「いや、時間よりも少し早いくらいだ。……リディア嬢、そう我々に気を遣わなくてもいい。口調ももう少し砕けても構わない」
「えっ、ですが……」
アーノルドさまの言葉は、意外だった。くすっとエステルさまは笑い、ツンツンと彼の腕を突く。
「本当に気を楽にしていいのよ。あなたはもう、わたくしたちの娘でもあるんだから」
「娘……」
「それに、わたくしたちの子どもはフィリベルトだけだからね。娘がほしかったのよ、この人も」
パチン、とウインクするエステルさまに、ふいとそっぽを向くアーノルドさま。
彼の耳が赤くなっていることに気づき、エステルさまの言葉が本当なのだと感じて、心の中がじんわりと温かくなる。
こんなに温かなご両親に育てられたから、フィリベルトさまはいつも優しいのかしら?
「それじゃあ、さっそくお茶会にいきましょう!」
執事がガチャリと玄関の扉を開け、エステルさまはアーノルドさまにエスコートをされながら、馬車まで向かう。
私たちは顔を見合わせて、ふふっと笑いをこぼす。二人を待たせてはいけないから、すぐに馬車まで歩く。玄関前には二台の馬車があり、そのうちの一台に乗ることになった。
「四人で乗るわけではないんですね」
「スターリング家の人間に囲まれて、リディアはリラックスできる?」
「……ご配慮くださり、ありがとうございます」
エステルさまとは、食事以外の時間を過ごすことも増えた。主に、今回のお茶会について教えてもらうことだったけど。
スターリングと仲の良い貴族――ウェットン伯爵家がお茶会の招待状を送ってくれたらしい。
――『ぜひ、フローレンス公爵令嬢も』と綴られていた、と。
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