無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いて欲しい!

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第2章 色んな種族さん!こんにちは〜材料集め編ー空色の革布〜

第3話 コンテスト開催!…が凶悪な幼馴染が登場した件について②

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第3話 コンテスト開催!…が凶悪な幼馴染が登場した件について②
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前回のおさらい!
ついにコンテスト当日!会場の「海上レストラン【アサナ】」で円陣を行っていた私を含めたクモード城の料理人達。

しかし、その円陣の中にシャーガスと言う白鮫の魚人が乱入して…突然ツバルさんを抱きしめた。

いきなりの出来事に固まってしまう料理人達。果たして2人の関係は一体…?

ーーーーーーー



シャーガス「…その表情…そそるなぁ…」

ツバル「……ひっ…」


抱きしめられてるツバルさんは、みるみる顔を青ざめて、尋常なくガタガタと震えている。一方、シャーガスさんの方は悦を浮かべ、怯えるツバルさんの反応を楽しんでいた。

くっ狂ってるよ。怯えた人を見て喜ぶなんておかしいよ。この人はツバルさんにとって一体…?

ただ、私でも分かった事がひとつ。どう見てもツバルさんにとって望んでいない再会だと思う。


ツバル「やだっ!はっ離して!」

怯える声でツバルさんは、両腕で必死にもがきながら、シャーガスさんの懐から出ようとするが…

ツバル「……グゥゥ」ギチィ

シャーガス「…よわいー力だなぁ。」

相手のシャーガスさんは体が大柄で筋肉質、小柄なツバルさんの抵抗をいとも簡単にあしらい、さらに抱擁を強めた。

シャーガス「只のツバメが白鮫のパワーに勝てる訳ねーだろ。相変わらずバカだなあ。」

ツバル「ーーっ」

絶体絶命のピンチ。だけどある1人の料理人の行動がツバルさんの状況を変えた。


ニャリンガ「そっ…その手を離すにゃ!ツバル君が痛がっているにゃ!!」

ツバル「ニャリンガさんっ…」ドキッ

なんとニャリンガさんが前に出て、ツバルさんの腕を引っ張り救出を始めた。

羊の料理人「おいっ俺様の仲間に何しとんじゃボケェ!!その汚い手を離せぇコラ!!」

鹿の料理人「うぅ力…つよっ。ヨーグルちゃんも手伝って!!」

「はいっ!!…ツバルさんを離しなさーい!」

孔雀の料理人「誰かぁー!!乱暴ですの!!出場停止にさせてくださいましぃ!!」

それと同時に他の料理人達もツバルさんの手を引っ張り始めたり。中には周りの人達に助けを求めたりした。

ベアリ「みんなっ…あと少し…外れた!!」

みんなの協力体制により、シャーガスさんの腕に捕らえられたツバルさんは救出された。そして、捉えられないよう男性陣はシャーガスさんの前に立ちはだかり、女性陣はツバルさんの周りをガードする。

完璧な鉄壁。私達の姿を見たシャーガスさんは舌打ちして、私達を睨みつけた。


シャーガス「……ちっ。悲しいなぁツバル。4年ぶりの感動的な再会なのに。この仕打ちはなんだ?」

ツバル「…今度は何の嫌がらせなの。もう僕に関わらないでよ!」

シャーガス「宣戦布告しに来たんだよ。ツバル、コンテストの優勝賞品を見たか?」

ツバル「優勝賞品と宣戦布告にいったい何の関係が……!!まさか……」

ツバルさんは何かに気づき、急いで招待状を取り出し内容を確認して…顔をさっと青ざめた。その様子にシャーガスさんはニヤニヤと笑い出す。


シャーガス「その様子だと俺の目的に気づいたな。ツバル、宣戦布告だ。俺はポワゾン部門で優勝する。

優勝賞品の願い事で、お前を俺の奴隷にするから覚悟しろ!!」

なっなんですって!そんな暴挙が許される訳が…同意を求めるようにニャリンガさん達を見ると、彼女達は険しい顔をしている。

つまり…シャーガスさんが言っている内容は事実。本当に彼が優勝してしまったら、ツバルさんは奴隷に…ってどどどうしよう。やばいじゃん!

ニャリンガ「そんなの非人道的にゃ!!おかしいにゃ!!」

孔雀の料理人「何が奴隷ですの?!強欲すぎますわ!」

私も他の料理人達がシャーガスさんの宣戦布告に大パニックの中、ベアリ料理長だけは比較的落ち着いていた。

ベアリ「…………」

シャーガス「なんだ?仲間が取られそうになるのに、お前だけ落ち着いているな?」

ベアリ「…大丈夫です。貴方は優勝できないですから。」

シャーガス「あっ…なんだとテメェ。何を根拠に」

ベアリ「なぜならポワゾン部門には、優秀なツバル君も出場している。必ず貴方の優勝を阻止できる。ツバル君。彼に言いたい事があるんじゃないのかい。」

ツバル「ベアリ料理長…ありがとうございます。もう昔の僕じゃないんだ…」

そう小さな声でつぶやくと、ツバルさんはシャーガスさんに向けてハッキリとこう告げた。



「シャーガス。君の思い通りにはさせない。僕も優勝を目指すよ!」



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