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第2章 色んな種族さん!こんにちは〜材料集め編ー空色の革布〜
第6話 守られ料理人たちと、妨害工作の真相の件について1
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第6話 守られ料理人たちと、妨害工作の真相の件について1
――――――――――――
ダークさんに手を引かれたまま、私たちは会場の奥――料理人たちが集まっている一角へ向かった。
すでに何人かの顔が見える。見慣れた仲間たちの姿を見つけた瞬間、胸に溜まっていた緊張が、すっとほどけた。
「みなさん!」
思わず声が弾む。
「私、スープ部門の一次審査……通りました!」
一瞬の沈黙のあと、ぱっと みんなの空気が明るくなる。
ベアリ「おめでとう!ヨーグルちゃん。頑張ったね。料理長として僕も嬉しいよ!」
大きな体を揺らしながら、ベアリ料理長が満面の笑みを向けてくる。
ニャリンガ「あの和風スープ、練習時点で美味しかったから。一次審査に通って当然にゃ。おめでとうヨーグルちゃん!」
クジョウ「おめでとうですわ!初めてのコンテストで、一次審査を通るのは凄いですわよ!」
「ありがとうございます……!」
褒め言葉を一気に浴びて、顔が熱くなる。 ダークさんは私の後ろで、腕を組んだまま静かに頷いていた。…あっ…尻尾が揺れている。
「あの…みなさんは、どうでしたか……?」
そう問いかけると、今度はみんなが嬉しそうな表情で報告が始まる。
ツバル「僕は……第一次審査通過。それと、成績優秀者としてポワゾン部門の決勝に進めることになりました!」
「えっ、すごいです!宣言どおり決勝進出!」
ピノタ「僕もポワゾン部門、一次審査通過です。」
控えめに言う鹿の料理人こと、ピノタさんの耳が少し赤い。そりゃあ嬉しいよね。私も嬉しさのあまり頬が熱くなったもの。
ニャリンガ「私は前菜部門、一次審査通過にゃ。いやー…良かったにゃ。」
クジョウ「私も同じくですわ。しかも、成績優秀者として前菜部門で決勝戦進出ですの」
「おめでとうございます!お二人とも!クジョウさん決勝戦、応援しています!」
クジョウ「うふふ。ありがとうですわ。ヨーグルちゃん。」
優雅にマイ扇子を広げ、クジョウさんが微笑む。
ベアリ「僕もスープ部門で決勝進出だよ。」
「さすが料理長…全ての部門で暫定1位ですもんね!結果の書類に記載されました!」
ベアリ「え…そんな事…書かれていたの?あっ…本当だ。なんか照れるなぁ」
ラム「俺様は言った通りだ。ヴィアンド部門で特別賞だ!みたか!!」
腕を組み、どんと胸を張る。羊の料理人ことラムさん。
「……みんな、すごい……」
誰一人、悪い結果はいない。
喜びが場を満たす――はずだった。
けれど、ふとピノタさんが呟いた。
「……それにしても…みんな妨害はあったよね。」
会話が途切れる。
コンテスト中の、あの異様な出来事を思い出す。
突然飛んできた卵。用意されていた調理台や食材に塗られていた毒。水を浴びせられそうになった瞬間もあった。
ラム「クモード城の護衛がいなかったら…俺様たち、どうなってたか…全員、一次審査にも通らなかったんじゃ…」
ラムさんがそう言うと、全員が黙り込んだ。
クモード城の護衛が即座に動いてくれたから、私たちは守られた。
だから料理は完成し、結果も残せた。
――けれど。
クジョウ「特に、ツバルさん…何故かニャリンガさんへの妨害はとても酷いものでしたわ…
わたくしニャリンガさんと同じ部門で様子を見ましたが、彼女だけ刃物と矢が飛んできましたもの。」
ピノタ「えっ…刃物が飛んできたの?!ツバル君と同じ部門だけど、流石に刃物は無かったよ?!」
視線が、一気にツバルさんとニャリンガさんに集まる。
ニャリンガ「……わっ、私は大丈夫にゃ。護衛さんに守って貰って、何も被害はでなかったにゃ……」
そう言いながらも、耳と尻尾は小さく震えていた。
ツバル「……」
ツバルさんの表情が、曇る。
ツバル「ニャリンガさんがどうして……あぁそういうことか……」
彼は歯を食いしばり、小さく俯いた。
ツバル「……ごめん。僕のせいだ」
「え……?」
私たちが理由を尋ねる前に――
背後から、冷えた声が響いた。
シャーガス「何で誰も被害を被っていないんだよ」
振り返ると、シャーガスさんが立っていた。鋭い目が、真っ直ぐツバルを射抜く。
シャーガス「ちっ……守られてるってか」
ジャキッ…(槍を構える音)
ダークさん含むクモード城の護衛が、すばやく私達を守りの体制に取る。
誰も、すぐには言葉を発せなかった。 護衛が近くにいる以上、彼は手を出せない。
それが分かっているからこそ――シャーガスさんは、苛立ちを隠しもせず、ツバルを睨みつけていた。
ツバルは、ぎゅっと拳を握りしめる。
張り詰めた空気の中、 嵐の前の静けさのような沈黙が、場を包み込む。
――この妨害の真相が、今まさに明らかになろうとしていた。
第6話 守られ料理人たちと、妨害工作の真相の件について1
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ダークさんに手を引かれたまま、私たちは会場の奥――料理人たちが集まっている一角へ向かった。
すでに何人かの顔が見える。見慣れた仲間たちの姿を見つけた瞬間、胸に溜まっていた緊張が、すっとほどけた。
「みなさん!」
思わず声が弾む。
「私、スープ部門の一次審査……通りました!」
一瞬の沈黙のあと、ぱっと みんなの空気が明るくなる。
ベアリ「おめでとう!ヨーグルちゃん。頑張ったね。料理長として僕も嬉しいよ!」
大きな体を揺らしながら、ベアリ料理長が満面の笑みを向けてくる。
ニャリンガ「あの和風スープ、練習時点で美味しかったから。一次審査に通って当然にゃ。おめでとうヨーグルちゃん!」
クジョウ「おめでとうですわ!初めてのコンテストで、一次審査を通るのは凄いですわよ!」
「ありがとうございます……!」
褒め言葉を一気に浴びて、顔が熱くなる。 ダークさんは私の後ろで、腕を組んだまま静かに頷いていた。…あっ…尻尾が揺れている。
「あの…みなさんは、どうでしたか……?」
そう問いかけると、今度はみんなが嬉しそうな表情で報告が始まる。
ツバル「僕は……第一次審査通過。それと、成績優秀者としてポワゾン部門の決勝に進めることになりました!」
「えっ、すごいです!宣言どおり決勝進出!」
ピノタ「僕もポワゾン部門、一次審査通過です。」
控えめに言う鹿の料理人こと、ピノタさんの耳が少し赤い。そりゃあ嬉しいよね。私も嬉しさのあまり頬が熱くなったもの。
ニャリンガ「私は前菜部門、一次審査通過にゃ。いやー…良かったにゃ。」
クジョウ「私も同じくですわ。しかも、成績優秀者として前菜部門で決勝戦進出ですの」
「おめでとうございます!お二人とも!クジョウさん決勝戦、応援しています!」
クジョウ「うふふ。ありがとうですわ。ヨーグルちゃん。」
優雅にマイ扇子を広げ、クジョウさんが微笑む。
ベアリ「僕もスープ部門で決勝進出だよ。」
「さすが料理長…全ての部門で暫定1位ですもんね!結果の書類に記載されました!」
ベアリ「え…そんな事…書かれていたの?あっ…本当だ。なんか照れるなぁ」
ラム「俺様は言った通りだ。ヴィアンド部門で特別賞だ!みたか!!」
腕を組み、どんと胸を張る。羊の料理人ことラムさん。
「……みんな、すごい……」
誰一人、悪い結果はいない。
喜びが場を満たす――はずだった。
けれど、ふとピノタさんが呟いた。
「……それにしても…みんな妨害はあったよね。」
会話が途切れる。
コンテスト中の、あの異様な出来事を思い出す。
突然飛んできた卵。用意されていた調理台や食材に塗られていた毒。水を浴びせられそうになった瞬間もあった。
ラム「クモード城の護衛がいなかったら…俺様たち、どうなってたか…全員、一次審査にも通らなかったんじゃ…」
ラムさんがそう言うと、全員が黙り込んだ。
クモード城の護衛が即座に動いてくれたから、私たちは守られた。
だから料理は完成し、結果も残せた。
――けれど。
クジョウ「特に、ツバルさん…何故かニャリンガさんへの妨害はとても酷いものでしたわ…
わたくしニャリンガさんと同じ部門で様子を見ましたが、彼女だけ刃物と矢が飛んできましたもの。」
ピノタ「えっ…刃物が飛んできたの?!ツバル君と同じ部門だけど、流石に刃物は無かったよ?!」
視線が、一気にツバルさんとニャリンガさんに集まる。
ニャリンガ「……わっ、私は大丈夫にゃ。護衛さんに守って貰って、何も被害はでなかったにゃ……」
そう言いながらも、耳と尻尾は小さく震えていた。
ツバル「……」
ツバルさんの表情が、曇る。
ツバル「ニャリンガさんがどうして……あぁそういうことか……」
彼は歯を食いしばり、小さく俯いた。
ツバル「……ごめん。僕のせいだ」
「え……?」
私たちが理由を尋ねる前に――
背後から、冷えた声が響いた。
シャーガス「何で誰も被害を被っていないんだよ」
振り返ると、シャーガスさんが立っていた。鋭い目が、真っ直ぐツバルを射抜く。
シャーガス「ちっ……守られてるってか」
ジャキッ…(槍を構える音)
ダークさん含むクモード城の護衛が、すばやく私達を守りの体制に取る。
誰も、すぐには言葉を発せなかった。 護衛が近くにいる以上、彼は手を出せない。
それが分かっているからこそ――シャーガスさんは、苛立ちを隠しもせず、ツバルを睨みつけていた。
ツバルは、ぎゅっと拳を握りしめる。
張り詰めた空気の中、 嵐の前の静けさのような沈黙が、場を包み込む。
――この妨害の真相が、今まさに明らかになろうとしていた。
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