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第1章 ようこそ!獣人の国クモード王国へ
第5話 黒豹ならぬネコちゃんに懐かれた件について②
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第5話 黒豹ならぬネコちゃんに懐かれた件について②
…………………………………………
--クモード城 食堂場--
カチャ カチャ カチャ
「……これでランチ用の金平牛蒡…設置完了。あとは…」
チラッと後ろを振り向くと…うん…やっぱり今日もいたよ。ダークさん。
ジーと私を見ては尻尾をゆらゆら揺らす。動物が尻尾を揺らすのは…喜びの感情。分かる…私でも分かるぞ!和食が待ちきれないんだね。
よーし!都子っいっきまーす!!…意を決してダークさんの所へ向かう。
ガラガラガラ(配膳台の音)
「ダークさん、お待たせしました!本日は金平牛蒡です。」
ダーク「…………」ピク
「どっどうぞ!あとミソスープと炊き込みご飯もありますよぉ」
コトリ、コトリと音を立てて
ダークさんが座る机に金平牛蒡、ミソスープと順番に置いていく…
この対応は前より少し慣れた気がする。次に何事もなく終われば良いんだけど…
「では…私はこれで失礼…」
ダーク「………」すっ
立ち去ろうとした瞬間、彼は隣の椅子を引いて私に座るよう目で促す。ですよね!分かってた!!こうなれば嫌でも逃げる事はできない。
「わぁ喜んで座りますぅぅ。失礼しますっ」
嬉しそうなフリをして、私はダークさんの隣に座った。
ダーク「…………」ジッ
うっ…相変わらず凄い眼光…隣に座ったからには、必ずしなければならない事がある。
「えっと金平牛蒡のレシピを説明しますね!ダークさん。まず材料は…人参と牛蒡…」
【料理のレシピをダークさんに教えなければならない】
理由は分からないけど…もしかしたらダークさん…自分で作るのかな?
ダーク「………そうか…だからか。」
ダークさんは私の説明を聞きながら、金平牛蒡を口に入れる。そして味わって咀嚼して飲み込む。
ダーク「……美味しいな。優しくて懐かしい味がする。」
…よしっ!!今回も気に入って貰えた。良かった!…料理人魂だろうか…怖い相手でも自分の料理を褒めてくれるのは、なんだか嬉しい。
「…ふふっ嬉しいな。私の料理を美味しそうに食べてくれるなんて…………あっ(汗)」
ダーク「………………」
「あっいや…ついっ…心の声がポロッと…」
ダーク「嬉しいのか。そうか…」
相変わらず彼は無表情だけど…何故か尻尾をゆらゆらと揺らしていた。
ーーー
ーーー
ダーク「馳走になった」
「いえいえ、お粗末さまでした!」
今日のお皿も食べ残しがない。綺麗な食べ方するな。綺麗な皿を見て思わず感心してしまう。
…後はいつもの様に食堂場から見送るんだと思っていた。
だけど…この日は違ったんだ。
ダーク「……」さっ
「えっ…私にこの手紙を?」
ダークさんは、一枚の封筒を懐から取り出し、私に手渡した。
ダーク「仕事が終わったら、読んでくれ。」
そう言って、彼は尻尾を揺らすと食堂場から出て行った。
残された私はと言うと、いつもと違う出来事に少し慌てふためいていた。
ダッ…ダークさんから手紙を頂いてしまった…えっ…こっこれは…俗にいう【果たし合い状】では?!
とっとにかく!ルビーちゃん達に相談だ!!
第5話 黒豹ならぬネコちゃんに懐かれた件について②
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--クモード城 食堂場--
カチャ カチャ カチャ
「……これでランチ用の金平牛蒡…設置完了。あとは…」
チラッと後ろを振り向くと…うん…やっぱり今日もいたよ。ダークさん。
ジーと私を見ては尻尾をゆらゆら揺らす。動物が尻尾を揺らすのは…喜びの感情。分かる…私でも分かるぞ!和食が待ちきれないんだね。
よーし!都子っいっきまーす!!…意を決してダークさんの所へ向かう。
ガラガラガラ(配膳台の音)
「ダークさん、お待たせしました!本日は金平牛蒡です。」
ダーク「…………」ピク
「どっどうぞ!あとミソスープと炊き込みご飯もありますよぉ」
コトリ、コトリと音を立てて
ダークさんが座る机に金平牛蒡、ミソスープと順番に置いていく…
この対応は前より少し慣れた気がする。次に何事もなく終われば良いんだけど…
「では…私はこれで失礼…」
ダーク「………」すっ
立ち去ろうとした瞬間、彼は隣の椅子を引いて私に座るよう目で促す。ですよね!分かってた!!こうなれば嫌でも逃げる事はできない。
「わぁ喜んで座りますぅぅ。失礼しますっ」
嬉しそうなフリをして、私はダークさんの隣に座った。
ダーク「…………」ジッ
うっ…相変わらず凄い眼光…隣に座ったからには、必ずしなければならない事がある。
「えっと金平牛蒡のレシピを説明しますね!ダークさん。まず材料は…人参と牛蒡…」
【料理のレシピをダークさんに教えなければならない】
理由は分からないけど…もしかしたらダークさん…自分で作るのかな?
ダーク「………そうか…だからか。」
ダークさんは私の説明を聞きながら、金平牛蒡を口に入れる。そして味わって咀嚼して飲み込む。
ダーク「……美味しいな。優しくて懐かしい味がする。」
…よしっ!!今回も気に入って貰えた。良かった!…料理人魂だろうか…怖い相手でも自分の料理を褒めてくれるのは、なんだか嬉しい。
「…ふふっ嬉しいな。私の料理を美味しそうに食べてくれるなんて…………あっ(汗)」
ダーク「………………」
「あっいや…ついっ…心の声がポロッと…」
ダーク「嬉しいのか。そうか…」
相変わらず彼は無表情だけど…何故か尻尾をゆらゆらと揺らしていた。
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ダーク「馳走になった」
「いえいえ、お粗末さまでした!」
今日のお皿も食べ残しがない。綺麗な食べ方するな。綺麗な皿を見て思わず感心してしまう。
…後はいつもの様に食堂場から見送るんだと思っていた。
だけど…この日は違ったんだ。
ダーク「……」さっ
「えっ…私にこの手紙を?」
ダークさんは、一枚の封筒を懐から取り出し、私に手渡した。
ダーク「仕事が終わったら、読んでくれ。」
そう言って、彼は尻尾を揺らすと食堂場から出て行った。
残された私はと言うと、いつもと違う出来事に少し慌てふためいていた。
ダッ…ダークさんから手紙を頂いてしまった…えっ…こっこれは…俗にいう【果たし合い状】では?!
とっとにかく!ルビーちゃん達に相談だ!!
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